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【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「五、関所破り」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房



【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「五、関所破り」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房

積書 破り1積書破りと一口に言いますがそれが どんなに危険で難しいことであったか今の 人にはおそらく想像もつかないでしょう 最も箱根の席といったところで今箱根町に 史跡として指定されている本石は1つです が箱根前山には56か所の小関があった ものです言うまでもなく昔の箱根道はは今 の球道で巣川に沿って畑宿から双子山の 後ろへ出平部山と双子山の間を通って元 箱根に出たのに対して今の新道は湯本から 早川に沿って遠を巡るようにできていた もので昔はこれを当時道と言っておりまし た従って当時客の往来も相当あったわけで 毎日手形のない旅人が当時客に紛れて争 覚悟で足柄街道へ超えないものでもある まいという心配から戦国原にも1つの関所 があったものです足柄街道へ出るにも小尻 から湖畔を三国山へ出る大路もまず望みが ありませんその他箱根の向こう厚田街道へ かけては頭平山の大館その頃有名な江川 太郎左門はなくなりましたが代々が 受け持って小田原の大久と共に箱根の山を 守っております素領で言うと権原様の先へ 駒ヶ岳の山の辺りからヤイに小舟でも出し て山口峠の下へつけたらどうだろうと思い ますが水上の取り締まりは思いの他厳重で 箱根の町には船がたった2席あるだけそれ も向こうの山へ行って薪を取ってくるだけ で所の下から役人の調べを受けてこらし 帰りにも積書の下へつけて役人の調べを 受けてつぐといった具合勝手な人間を乗せ たり勝手な場所へつつけることなどは思い もよりません元箱の方には船が一石も なかったそうですから関所役人の目をかめ て湖上へ船を出すことなどは絶対に不可能 と言ってもさしえはない でしょうご存知の通り箱根の気候は山岳的 で季節によってはひどい切りもかかります が船がなくてはこらしようがありません 毎日小舟を盗み出したにしても路の音で すぐ捕まってしまい ますさて戦国原へ回ってため腰水を渡る 方法もないとなると残る積書破りの方法は たった2つしかありませ ん1つは巣川の警告をあくまでたどって いく方法で雨崎茶屋の辺りから巣川の水源 の谷底を平部山の後ろへ抜けそこから箱根 の東の方山奥へ分け入り密林を分けて箱根 の街外れに出る方法が1つもう1つは有名 な石垣山の一屋上司から箱根町の南にある 倉掛山までお根に細い道をたどることで この道は無比の元祖ですが関所の向こうへ 出られることは確かで1つは俗に寄りとも 道たれてその先へ出るのは対抗道と言って

道の出口には立札があるはずですそれだけ 分かっているならいって簡単に石勝破りが できるではないかという人があるかもしれ ませんがどっこいそんな手軽なものなら 小難しい手方など用意するものもなくまた 捕まってになるようなヘな人間もなくなっ てしまいます石破りにとって第1番の苦手 は往来と言わず山と言わず網を張って裸で 爆を打っている名物の雲助でこれに 見つかったらどうにもしようがありません 幕府はまた積書破りに備えるために雲助の 野天を去するばかりでなく目に余るような ことがあっても大抵は許しておきました 公爵本やちょんまげ小説を読んで箱根の 雲助の無法作加減に驚く人も少なくない ことでしょうが幕府は箱根の防備のために 少々ぐらいの悪字は見てミふりをしていた のです実際雲助が石長破りを捉えれば米名 2方と銭2巻の褒美がもらえたそうで鵜 たのめで往来を見張ったのも無理のない ことです 2まと歩けるかはい手を取ってやろういえ 兄様双子山を右に見て平部山の後ろの渓谷 を分け入ったやが城介兄弟は足のつきた ありからしのだが一面にしった急勾配の山 をよじ登ってかねて聞き覚えの対抗道と いうのへ出ようとしていんのでした常助は 街道筋のことはかなりよく知っております 積書の手形には滅多に不自由しませんが それでも満一の用意に石生破りの常識 くらいは心得ていたのですしかし雪の酔い 闇はうしよりも濃く不安な谷底ではどう することもできませんこの辺りの竹の 恐ろしさは箱根を越した人は知ってい られるでしょうべっとり大地をたような 荒々しい死だけが足の踏みもなくしげり あってちょうど地獄変相図の針の山といっ た感じです鉄鉱キハはありますがそれでも 2人は手探りに峰へ生いのった時は慢心の 装いで手も足も顔も首筋も痛まないところ はないという有り様でした兄様孫と2人は 庭の鳥のように寄り添って闇の中にほろを 浮く相手の顔を見つめました怪我はないか いえそれは良かった2人はまた黙って しまいましたアエ様なんだもう大丈夫で ございます出かけましょう自分の疲れを 休ませているらしい兄の心持ちを図って誠 はう顔にこう言いましたこれからが何だぞ 誠あれをを見るがいい指さす先うしのよう な闇の中に2つ3つ遠くまくのはどこの 明り でしょうあれは箱根の町だ星も月もない からこの明りが見えなかったら一寸も動け ないことになる倉掛山の峰に野池の近くへ 出て厚み海道を引き返すのが一番無事だが

この闇では難しかろうここで月の出を待つ かそれとも少し危ないのを承知で対抗道を 箱根の町へ出るかな兄様参りましょう こんな寒い晩に誰が山道を見張っている ものでございましょうそれにもうやつに間 もない様子私たちが箱根へ入る頃は町も 大方静まりましょうそうしよう かしのだけのしった道は登りよりも下りが 怖いぞ目を弾かれないよう滑らぬよう足元 に気をつつけるがよいぞはい兄弟はもう 一度密したしのだの中を泳ぐように対抗道 を目がけて進みまし た箱根の街の明かりは時々子や峰の王に 隠れて検討も何もつかなくなりますがそれ でもどうやらこうやら大した迷子にもなら ずにあ時ばかりの後怪しげなきこり道に たどり着いたのですこれが太鼓道であろう 誠もう大丈夫 だ兄様無事に赤しを越したという喜びが 乙女の心を浸して希少者と言われた誠です が妙に波ぐしさえなります1つは自分の ために父に飛び込んでこんなとんでもない 冒険をしてくれた兄の優しい思いやりが誠 の涙を誘ったの でしょうしかし冒険は決してこれで終わっ たのではありませんい八原兄弟の積書破り の大難はこれを糸口に思いもよらぬ方面へ 発展していったの です2人が安し切った心持ちで箱根の町に 向かう自分には対抗道の出口箱根の町外れ 厚海街道の追いなどに暑さも寒さも闇も 恐れぬ雲助どが焚をでのにふけりながら たまたまこの網に入ってくる石破りのカを 待っているのでし た3ちょいと我が主産うしの闇から焚火の 輪の中へしたたるように生々しい声がこう を投げかけられたのです対抗道と友道の 分岐店深い小の中に大下を焚いて口に ふけっていた雲助の一段が思わず聞き耳を 立ててこの素晴らしいソプラノの主を探し ましただれだえ変な怖色なんか使いやがっ て話かけの道は長間のうからこの生め声の 持ち主を漁ろうとしまし たしかし念入りに荒くれた顔といを見ると どう間違ったところでこの器用な怖色を 使えそうなのは1人もありません 辺りは真っ暗な壁で仕切ったような 恐ろしい闇近い子たちのミキだけが メラメラと燃え上がる赤い焚き火に思いも よらぬ荒々しいタッチを見せますが 生々しい声や優しい声などには全く縁の ない恐ろしい道具だてです兄貴叶うことは ねえ勝負をつけない天下ごめの馬だと たぬきのような顔をした半助少し追いに なって焦り気味ですてかごめんの爆って

やつがあるかい箱根は野天爆がおこしだが ボゴ座の上が一向光らないんじゃ天下 ごめんが聞いてあけでら悔しかったらコン でも張りなとどく何よ話かけめてこそ足を 出されねえようにしろうたのたき2人は 調子づいてつい立ち上がろうとすると ちょいと異性がいいわね 縁な声が今度は近々と道力の頭の上から式 の糸を投げかけるように浴びせるのでした なんだとと振り返ると焚の光に紛れない めっぽ若くてめっぽ美しい女獣人の後座の 雲助を張り友達の輪を見るようなおよそ 心置きない目でじっと見つめていんのです よてめえはキだろ立ち上がった半助の手に は燃えさしの生きの薪が1本猛烈な煙を 吐いて喧嘩構に後へ後ろへ引かれまし たまあお狐は良かったわねこの辺りに こんな綺麗な女に化ける狐がいて言うまで もなくかろのおれんテコも傘も脱ぎました が大方昼の宅のままさしたる疲れも見せず と置きの巨匠をおしげもなくこの一段に 散らしており ますいのき石長破りだいな油断をしちゃ ならねえ道力は妙なところへ気が回りまし た2つ3つ合図をかわすと仲の人かは 焚き火を離れておれの後ろへ大路を立つ形 に立ちふさがり ます私が赤し破りなの面白いわねだけけど 箱根の主のようなお前さん方にしちゃ飛ん だ眼鏡違いさ今日昼のうちに小田原から いい女が登ってむつ前にお石しを越し たって噂くらいは聞いていそうなものじゃ ないのなんだと噂を聞かなくたって私が 通りゃごこがさすわ よなんて可愛らしい顔をする人たちだろう 無遠慮な教相と虹のような機嫌に驚いたか いくつの同な目がしばらく凶暴な光を失っ てれんの顔を眺め入りまし た赤し破れでなきゃなんだってこんな ところへ出てきやがったんねここにいるの 波大抵の人間と思うか女道はちょっぴり 残った鼻の頭を慣れあげて歪みましたお 人柄な坊っちゃんたちさお前さんは物の 破りが太道あたりから逆にたどってくるの も知らずに大下を焚いてほを吹いているん だものなんだと米2方に銭2間のご褒美に 預かりたかったらまずその日を消しなよ俺 は一歩近寄ると手をあげて燃えさかる 焚き火をさしまし た 4何セブリどこで誰にそんな音を聞いたん だうさんな金子光らせるハス俺はその顔を さしながらおよそたまらないといった調子 に吹き出してしまいましたセシ破りが金や 太鼓で触れて歩きはしまいし誰にそんな

ことを聞くもの か笑いあるな女じゃあそれをてめえが見た とでも言うのかいこんな闇に何が見える ものかいい加減にしておくれよ私は おかしくておかしくて虫の収まるまで笑 やがれ今に締め上げて腹いっぱい流して やるからちくしまあ怖いそんな顔をすると お前さんはたぬきそっくり よ焚き火を吹き飛ばさんばかり凄まじい 故障がいぺに爆発しました半助のたぬきは 仲間でもよく通ったあだ名だったの ですちくし俺がたきならてめえは狐だだろ セシ破りだなんて人を担いであげく後ろへ 回って酒の魚でもせしめる気だろうが そんなわけに行くものか容気が悪いし逆は ないし一生の区が大仕事だてめえが狙う ようなものはねえぞま不景気なんだね安心 をし明日は箱根中の雲助を掃除前にして 見島へ連れて行ってやるから何よおたまに 決めやがってその代わり着物の尻尾が欲し いって抜かすだろう話の分からないおたち だよよしは私が狐だとしてもこんな綺麗な 狐にばかされりゃ本毛だろうよ黙ってお 聞きよるんはずいと焚き火のそばへ寄り ましたむせかえるような男臭い空気の中へ 何のわかりもなくそのキシにさえ見える体 をゆすりこんで美しい瞳にこう一座を 見渡すのでした男を制御した一種の調子や 自分の要望と最に十分自信を持った不思議 な女の魅力がくどもすっかり圧倒してもう 言葉を返そうとするものもありません じれったいね黙ってお聞きよさっき甘酒 ジャで石長破りの相談をしていた若い老人 者とその妹らしい女があったの知っている かい俺の言葉が問題の確信に触れると久助 どの目が急に生き生きと輝き出してお互い に探り合うように見返すのでし たやからと言んだよその2人の兄弟が暗く なるのを待って定石通り巣川の谷へ降りて 対抗道へ分けのったらしいんだどうせこの 闇だから倉掛山や厚み街道の方へ出ら れっこはない抜ければこの辺りに決まって いるようなものさ 思いの他石長破りの定石までえたおれんの 言葉に雲助どがもう一度顔を見合わせた ことは言までもありません肝心のお前さん たちが大下を焚いて3本爆を打っていたん じゃ何にもなりはしないここは見張がいる から避けて通ってくださいと言わぬばかり じゃないかどかいそれはドルはいきなり 飛び上がりました弱そうな石破りを捉えて 恐れながらとやらかすば一番手っ取り早く 見入りにやけることを流れの箱根稼ぎで 道力はよく知っていたのですこうしている うちにもその辺りまで来ているかもしれ

ない大急ぎで焚き火を消すんだよよし これれた俺はもう支配者でした片手を あげると燃えさかる薪は引っこ抜かれて 大事に大地に突き刺されその上初の杉の 大枝で叩いてむかけて柔軟人で踏んづける のですからあっという間もありません火は すっかり消えて辺りから襲うのは塗り込め たようなアタたる闇ノーホンでいつもの ように シイ急にさやきに変わる声さえも妙に物々 ひを添え ます5誰が端に行ってきな役人方の耳へ 入れておく方がいいだろうとたぬきの半助 闇の中にうめく仲間を見回しましたよしれ た臆病層なのが1人得たりかしこしと飛ん でいくのお待ち俺の声は静かながらにのを 継がせずぴたりと止めました何よ何よじゃ ないよお役人なんか引っ張ってきちゃ褒美 をもらう当てがなくなるじゃないか それはそうだこれは話かけの努力でしょう 親人へ言いつけるだけのことなら私がお 席書へ行って耳打ちをするよそれはそうだ それじゃ手柄にも褒美にもなりゃしない私 がここへ来たのはお前さん方の手を借りて 2人をそっと縛り上げ2人が死の米4票と 銭4巻ずつの褒美にやりとこうという腹さ のある道力も助も他の雲助どもオレの達弁 に言い聞かされてすっかり堪能してしまい ましたもも私はそんな褒美を狙っている わけじゃないみんなお前さん方の頭割りさ こう見えても私は5番というものをたんと 持っているんだ よ押し殺した忍び笑いも妙に戦場的で 軽やかで獣人の雲助をすっかりワクワクさ せてい ますだが私の懐なんか狙ったってダメさ 間違っても悪い考えを起こしちゃいけない あそういう下からもう私の帯なんかへ触っ たやつがあるよ気ちゃないれんの声が少し 尖ると おお誰か死だけの上へ取り打たされた様子 あまりの鮮やかな手際に仲間に火星する ことも忘れた雲助の一段がばらは闇の中の 高一点を見つめまし たつまらないことをすると勘弁しないよ誰 だと思うかろのおれとはさすがに名乗り ませんが美しさと大胆さときと腕っぷしに 圧倒されてもう手を出そうとするものも ない様子ですおおれ申しましたお前さんは いずれ2つのある方だろうもう仲間のもに なんか出させるこっちゃねえ話かけの努は くしやからずと見たかお連を庇うように 気い立つ仲間を闇の中に押さえまし たお前さんは見かけよりは話しそうね ところで早速仕事に取りかかるとして支度

はこれでいいのかい俺んの声はもう すっかり穏やかになりきって自分から命令 者の位置についてしまいましたくと言った たところで縄1本に生ず1本せいぜ相口 くらいのものさところで姉相手の侍という のは強くはないかねなんだとえ積書破りの 武の腕っぷしはどんな安梅だろう滅法強い よえい弁慶みたいに強くてナヒみたいな いい男さ へえそんなに驚かなくたっていいじゃない かどうせ積書破りでもしようという侍ダム の 少しは心がけもあるだろうじゃないか箱根 の若い臭がそれに怯えたと言われちゃお 待ってもらおう誰も怯えもどうもしやし ない念のために聞いたまでのことなんだだ から言ってるじゃないか滅法強いよ箱根の 雲助なんかの手に終えるようなやなブケ じゃないってちくしクソでも暗やがれ みんなも聞いたかめっぽ弱い侍が来るんだ とよなるべく怪我をさせねようにそっと 手取りにするんだぜレの下に引きつけられ て道力はとうと感触を起こしてしまいまし たまてまて妹はい不思議なことがあるやが 城介は妹の体をかってじっと闇の中に 見入りました兄様近々と頬に通う誠の息 いや大した心配はあるまが少し腑に落ちぬ ことがあるとおっしゃいますと宣告まで 目印にしてきた明り炎の具合では雲助どの 焚火でもあったろどうせ石取破りを見張り がてらの家事だ避て通れば自裁はないと 思っているとつい今し方旗と消えた有様 なんか物の影になったのではございません か深い森とか山の王とかそれも考えられる ではないがこの辺りはまな子こそあれ そんな森も山もないはずだそれ にまも思わず片を飲みましたよいに驚かぬ 有の城介がこれほど真剣に物を言う以上は なんか主材がなくては叶いません焚火が 自然に消えたのなら不思議でもなんでも ないがお透明を消すようにあれほどの大下 が旗と消えてしまったのは良いではない 戻りましょうかハ様さよう常助は体を左右 に動かしてしばらく行手を眺めておりまし たがいよいよ焚き火が見えぬと決まると 作り付けの人形のようにふぶかと腕さえ こいて考え込んでしまいましたアニメ様私 が様子を見てまいりましょうはがゆいと 思ったか妹の誠を兄の袖の下をかいくぐる と追と一足先へ踏み出しますこれ軽はずみ はならん ぞしばらく見るがいい城のすは鉛筆を 伸ばして妹の際を軽く抑えるとうむを言わ せぬ調子で自分の背後へ引き下げました 言葉でございますが兄様は大事なお体

こんな場所で間違いがあってはなりません お前は大事な体ではないというのか俺は 毎日捕まったところで立派な手方を持って おる石勝破りにはそういないが役人の新釈 もあろうというものだお前は違うはい手方 のない女は百人1つ000に1つも見逃さ れるはずはない最後の時までお前は隠れる のだ分かったかはいまも返す言葉はあり ません兄の情が妙に身にしみて闇の中 ながら打ちしれて後ろへ下がりました常助 の妹誠はその美しさにも似ぬ豪気な希少も で日頃同士のアム者たちでさえ一目も2目 も置いた扱いをしておりますが兄の城のす にだけは誠に従順で優しい言葉をかけ られるとすっかり乙女らしい臆病に帰ると いったシの娘だったのですいつまでもここ にいるわけには行くまい静かに行って みようかはいやがって2人は用人深く片 つりの方を運びましたなるべく道でなく林 か森の中を通るつもりでしたがしのだけが 一面にしって静かな夜の空気に恐ろしい音 を立てるのでいつともなしにそ道に帰って 虫のはうように西へ西へとたどっており ましたもうやがて町もろうと思う頃道は2 筋に分かれて焚火の匂いがプーンと鼻を つきますひ余人せさく暇もありません道に 張り出した一筋の縄に足をさらわれて常助 は危うく踏みとまりましたくも赤し破りだ ぞ急に夜の四をかき乱して物々しい空気何 とも知れぬ地味料が常助兄弟をおっとり 囲んでひめき立ち ます7道の上ご寸ばかりのとろに張り出し た名は武人に来る人間は間違いもなく足を さわれますがさすがにやが城のす危うく 立ち止まって狙い腰に闇の中をすかしまし た続くまこれも帯の間の会見の使を砕けよ と握ったまま兄のはの下に寄り添うように 息を飲んだ女方の闇にうめく相手を見つめ ております石を破りだろ太いやつだしみに しろ闇を幸いに雲助不が聞き覚えの役人の 怖色などを使っておりますがやが兄弟は 赤箱としてそれに答えようともしません何 を遠慮するんだ手掴みにして串へ刺せ っから 足の子のナズを取るようなことを言い ながら力地盤のオデを広げて闇の人形を 目がけてガバと組みつけまし た城のすは早くも規制を察して身を沈めて 人唸りえ道力の体は物の見事におり打ち ます手怖いぞ痛めて縛れ変わって号令を かけるのはたぬきの半助やろ家具をし やがれ喧嘩な はそれをずに発砲から振りましたがやが 兄弟まさかそれに打たれてはおりません2 つみつ身をかわすといつの間に集めたか

常助の手からばらりと巻いた砂利と土くれ うお何をしあるむ雲助の無一文字に殺した 城のす手当たり次第23人投げ飛ばすと誠 の手を取ってさっ元の道へきし逃すものか 一手の雲助は勢いを察して早くも大路を 立った様子あまりに物慣れた駆け引きに城 のす兄弟もしばらく立をこてに一息様子を 見ておりますりだ明かりだと小に道力の声 もうここまでおびき寄せたのですからこう なると明かりのないのが大の藤待て待て誰 やら群を離れてカチカチと日内釜を鳴らし ましたがうおいってどこからともなく 飛び散るつてに見事日内釜の手を打たれて 石も穂口もどこかへすっ飛ばすれてしまっ た様子ですえいなんてことだい相手は たった2人持て余したとあっちゃ明日から 大きなつをして峠を歩かれるかいというの はたぬきの半助でしょうのしかかって潰せ トに気をつけろ高が浪人者も錆型なんかに 驚くけ口口にののしりわめく声がお互いの 無法な血を煽って一子の群衆心理を醸すの でしょう今度は加減も容赦もなく発砲から 村がに立った雲助人間で作った輪を狭める ようにさっと2人の上へ襲いかかりまし た矢柄兄弟は人柄を悟られることを嫌って まだ物をも言いませんが背中合わせに備 実によく防ぎました助が防いだのに不思議 はありませんが妹のまでがひな腕と体を 巧みに働かせて2度3度と乱れうつきずと 掴みかかる男の手を実によくそらしたの ですていぞいよいよ痛めるかしばらく 遠のく雲助のはその機械を狙って羽様切り 払って通りましょうかとの息が助の耳に こう支えきますならん血を流しては後が 面倒だわかったか常助はそういううちにも 落ちる生ずを1本足りに引き寄せて辛くも 拾い上げまし た

1.愛憎篇朗読まとめは、こちらです。https://youtu.be/_YfIe1PZpCk

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昭和27年作品に、大河内傳次郎主演で映画化された同名映画の原作!
 時は幕末、黒船が来航した、安政五年から物語は始まります。時の老中堀田備中守は、「日米通商修好条約」締結のため、京の都へ三万両をおくる。
 主人公の馬場蔵人は、倒幕派の武士、三万両を狙う怪盗たちとたたかいながら、一路京都をめざします。
 東海道を舞台に上を下への大騒動が実に面白い。お聴きください。

三万両五十三次は、一年半の連載(1932年3月から 1933年8月にかけて)をおえると、中央公論社から函入り上製本 上下巻(湊書房版は 全5巻、中公文庫版の全4巻版もある)で刊行されました。昭和9年のことです。ちなみに銭形平次の連載は、昭和七年にはじまり、当時務めていた報知新聞に長篇の連載を依頼されました。

■登場人物
馬場蔵人……本編の主人公。四十二三才。
小百合……父山際山左衛門を上意討ちされたため、蔵人を仇とねらう
茜の半蔵……山際家の老僕。小百合を助ける金五郎の父。
南郷小源太……真四角虎ひげ
矢柄城之助……色白の美男
真琴……矢柄の妹
伝次……小源太家来。岡っ引きだが、渡り中間に変装。異名は二面
作良軍之進……倒幕の志士
進藤晋……倒幕の志士
今宮八郎……倒幕の志士
お蓮……伝次に姉御と呼ばれる。謎の女性。陽炎のお蓮。殺人を好む。

牛若の金五郎……泥棒の親分だが、殺しを厭う
ノッポ竹……お蓮に惚れている
藤次……猩猩、四十六七になる、小頭格
丑松……奉行所の手先
吉三……背虫、ながら、夜目も利くゴリラのごとき長い腕と怪力を誇る
小動平太夫……与力
堀田正睦……幕府閣老
植松求馬……家老
文治……金五の子分
お蝶……和泉屋の令嬢
千代松……和泉屋の遠縁。手代。
五兵衞……和泉屋番頭
本庄左次郎……蔵人の添え役
桃々斎桃吉……講釈師の小僧

■用語集
飛白……カスリ・かすったようにところどころに小さな模様を出した織物。またその模様。
権助……ゴンスケ・江戸時代の下男に多い名であったところから。下男、飯たき男。
洗足盥……センソクタライ・よごれた足を洗うのに用いるたらい。
九つ……子の刻、十二時
科人……トガニン・罪を犯した人。罪人。
蓮っ葉……ハスッパ・女の態度や行いが軽はずみで下品なこと。浮気で品行のよくないこと。そういう女。
巳の刻……午前10時から正午までの2時間。
慷慨淋漓……正義にはずれた事などを、激しくいきどおり嘆くこと。勢いのあふれているさま。元気いっぱいなさま。
苦衷……クチュウ・苦しい心の中。
糞土……フンド・きたない土。掃きだめの土。そのように、いやしむべきもの。
ちょぼくれ……ちょんがれ、とも呼ばれる門付け芸
でろれん……でろれんざいもんの略、門付け芸
やつ……2時
逸出……ぬけ出ること。とびぬけてすぐれていること。
さなきだに……そうでなくてさえ。 ただでさえ。
半間……まぬけなこと
おたんちん……のろま、まぬけなこと
大束……大雑把、おおまか。

■2.情炎篇 目次
0:00 関所破り 1
5:01 関所破り 2
9:38 関所破り 3
14:18 関所破り 4
18:53 関所破り 5
23:10 関所破り 6
27:30 関所破り 7

#野村胡堂 #三万両五十三次 #朗読 #時代小説 #七味春五郎 #audiobook #音本

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1 Comment

  1. いつも朗読の提供をありがとうございます。
    ちょっと言い難いのですが、暫く前から、音割れというのか、お風呂場で録音みたいに聴こえる様になっています。すいません。💦いつも聴かせて頂いてるので気になりました。

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