＜小説＞池波正太郎作「鬼平犯科帳」より「狐火」朗読＊荒木重治 ★期間限定配信 2024年5月31日～2025年5月30日★ #池波正太郎 #鬼平犯科帳
[音楽] 池波翔太郎作鬼平繁課長よりキ [音楽] 日盗賊改め方の女みておさが新宿の 渡口の浜も岸の草にも暁月のレキが漂い 残ってい たおさは下さの財にいたお金が止したので その葬式に出ての騎と松戸の桃園の家へ一 泊しこの朝暗いうちに松戸を出て江戸へ 帰ろうとしてい た小もその他の親類たちもおまさがかつて 盗賊の世界に働いていたなどとは夢にも 覚ってい ない父親が死んだ後江戸で小物の行商をし ながらどうにやっていますよという33歳 のおまさにつの関へ集まった親類たち がおまさがまだ1人暮らしをしていたので は死んだお金さんも浮かばれ まいまだ体つきもみみしいに ようこりゃなんとかわしらで亭主を世話し なくては の口口に言い出したのへおさは男はくさん 懲りていますからね笑って取り合わなかっ た新宿はその頃武蔵の国勝鹿郡にあった 宿駅の1つで江戸からの街道が松戸を経て かずさ下さ日立ちの国々へも通じて いる中川を渡る渡船は明けから動き 出すすげ笠をかぶったおは小さな風呂敷 包みを下げ裾をはってわきというこの辺り の百姓女が江戸へ出かけていくような風景 であっ た川の向こう岸に私宗がもやってあり先導 の姿はまだ見えなかっ たおまさは岸辺の夏草に腰を下ろし滲んで くる汗を吹い たその時である 道を隔てて向こう側のわやの茶の板戸が 内側から開き始め た茶店のものが起き出したの だおまさは見るともなしにそちらへ視線を 移して あドキリとなっ た雨戸を開けているのは178の娘で全く 化粧の毛もない顔に鮮やかな血の色が 浮かび出ている 黒黒と張った両目が息を飲むほどの清らか さで娘の挙動は野の花のように素朴であっ ただがお重さの宗沢には静まれない茶の娘 と売り2つとまではゆにしてもそっくりな 別の女の顔をそこに見たからで ある20年も前に少女だった自分が見た気 のそのの顔をおさは決して忘れていなかっ たあの娘さんはもしやずさんの子では なかろう か向こう岸から渡船が顔を渡り始めたのに も気づかずおまさはすげ笠の内から横目で 茶の娘を見つめて いる塔を開け終わった娘が外へ出てきて 裏手へ回って行っ たこちらの騎士についた船から道へ上がっ てきた2人の旅人が目の前を通りすぎたの を見ておさは腰を上げ た先導はおさが乗るとすぐに船を出した 向こう岸に船を待つ人が3人ほど立ってい たからで あるおまさは岸辺を離れる船の中からまだ 茶見を見てい た娘は 裏手の小陰から姿を表さ んと娘が開けた戸の内から道へ出てきた 老人があっ た船が騎を離れたばかりだったのでおまさ はその小柄な老人の横顔をはっきりと目に 入れることができた ああれは瀬戸川の原質さん だ危うくおまさは声を上げそうになった つまり懐かしい原始老人へ呼びかけて しまいそうになったの だだが今のさは盗賊水部のお役目の下働き を務める密偵で ある瀬戸川の原子は確かまだ盗賊の足を 洗っていないはずであっ た原始は以前髪型一体に聞こえた大東族キ のユ郎の身と言われた男 だおまさも10年ほど前に晩年の友五郎の 元で引き込みとして働いたことがあるし おさの父親田の小助も盛の頃の友五郎のお 勤めの手助けにわざわざ江戸を離れて 出かけたものなので ある随分とふけなすっ た品川頭の原子が青空を青いでいる姿が 豆粒のようになった時船がかやの川岸へ つい たなるほどね原一さんのとろにずさんの娘 がいるというなら不思議もないことだと おさは思っ た押はキの友五郎のめかけだった女だが おまさが10年前に暴富の時からの因縁も あってキビ一味に身を寄せた時 おしさんはね5年ほど前に亡くなりなすっ たよと瀬戸の原始から聞いたことが あるではあの茶見はキのお頭の盗っと宿な の かおまさは川岸の足の影にしゃがみ込んで 対岸の茶に見入ったままみにもしなくなっ たおまさが手助けをしたキビの友五郎は4 年前に病死したと聞いているけれども 友五郎の息子のま太郎が2代目狐火の 友五郎を名乗り髪型から中国筋へかけて相 変わらず父親譲りの応じかけな務めを働い ているはずであっ たま太郎さんがいえ2代目がそれじゃあ いよいよ江戸へ乗り出してきなった かおさは興奮してき たこの日おさが江戸へ入ったのは夕暮れ 近くになってから だ朝も早く新宿の私を超えたのだから昼前 には清水門外の役宅へ現れ公電を遅れた 長谷川平蔵へアサに出向いていたはずの おまさなので あるおは本性2つ目のシ鍋やご鉄へ行き旅 自宅を解い たこの頃の重さはほとんど小鉄の2階奥の 小部屋で寝泊まりをして いる汗を吹き着替えを済ましてからおさは 本所4つ目の浦谷に住む密偵相模の彦中を 尋ね た折りよくひじは家にいて冷酒を飲んでい たおじさんただいまよ早かったね別に何も ああこのひりじゃ盗っとども体がだるいの だろうよてさんもいや長谷川様もおやたで 昼寝ばかりしていなさるそう だ そうどうしたいまちゃん顔色が良くねえぜ や夏の道中は溜まったものじゃねえなま きつけにぐっとやりね ええねえおじさんなんだ いあの ねなんだよ言ってどうしたんだいえ別に なんでもないの さついにおまさは言い出しそびれ た2代目キビの友五郎の盗っ宿が初鹿の 新宿に設けられたとなれば今の重さは いち早く長谷川平蔵にこのことを急報し なくてはならないだがそれができなかっ た股太郎さんを2代目のお勤めを長谷川様 へ告げたならどうなること か仙台狐火の友五郎やめかけの押しと若木 日の長谷川平蔵はゆに言われぬ関わり合い が あるだからと言ってその息子の2代目の 盗み働きを蔵は決して見逃すはずは ないその 翌朝加藤改めの役宅へ現れたおまさの腹は 決まってい た2代目の盗っ宿のことは平蔵に漏らさぬ 決意をしていたの だ2代目キの友五郎はお重さが初めて男に してやったま太郎なので あるこれは11か2の重さがいかにも少女 らしく長谷川平蔵へ寄せた死とは異なって いるの だ精熟した重さの肉体が若くて男らしくて キビの2代目にふさわしいま太郎の心と体 を十分に確かめての上の思いなのであった 清水門外の役宅は緊迫の色が濃かっ た門を入ったおまさが慌ただしく玄関口 から駆け出してきた同心木村中後に木村様 何かおまさか大変だよ市ヶ谷玉の役や山田 へ俗画仕込んで一家1人が下しだえ早く お頭のとろへ行け今においでだ はいおは庭先から平蔵の今の縁先へ回った おまさ縁側にうまり腕を組んで禁止してい た長谷川平蔵がここへお いであの叔母の葬式も無事 にうん うんそれよりも おまさ何か大変な聞いたか今木村様に 皆殺しだしかも押し入った族は狐火の 友五郎だ え仙台は死んだとお前から聞いた な はいでは2代目だ友五郎のせがれかでで も仙台のキなら押し込んで見しなどという 真似はしなかったはずだ が言いさして平蔵 がお前が仙台のところで働いていた時仙台 には2人の息子がいたそうだな はい1人はめかけの子でま 太郎1人は女房の子で文吉そうだ な はいそのめかけというのはあのあのおしと は別の別でございますずさんよりずっと前 の人でござい ますしかし昨日の朝新宿の茶店で見かけた 娘がおしの子ならそれは鳥も合わさず先代 のお子さんということになるので ある長谷川平蔵が場にあった切れをや渡し で汚し た長さ8寸幅4寸ほどの紙の表には闇に 浮かぶキビが色移りになって いるこれはまさに先代キビの友五郎が盗み を働いて引き上げていく時に押し込み先の 家の柱やとの前へ張り付けておいたのと 同じものなのであっ た現場の状況は生産を極めてたさすがの 長谷川平蔵が息を飲んだままみるみる 血走ったほどであるから突き従うより同心 たちもついてきたおまさも顔を背けずには いられなかっ た市ヶ谷田町3丁目の役や山田孫兵衛は 円珠不問がという岩薬を家電にしていて 江戸でも聞こえた名誉で ある山田の前とりは江戸城の堀端の道で あって夜になれば牛込5問前から市ヶ谷5 問前にかけて設けられた5つの木戸が閉じ られ番所も あるそのように族どもが最も嫌う場所を あえて選び押し込んで金品を強奪し主人 夫婦と息子夫婦それに方向人を1人残らず 殺害して盗賊たちは逃走したのであっ た生き残ったものが1人もいないのだから 俗の人数も姿形も分からぬ盗み取られた 金品がどれほどなのかそれさえも判明せぬ わけ だけれども族どが屋内へ貼り付けていった 3枚のキビは彼らが2代目キの夕一味の 仕業であることを我から名乗ったことに なるキビ一味にいたことがあるおまさも キツ札を見て平蔵へ確かに間違いはござい ませんと言っ ただがおまさは元凶をひめ見るやああ違う これは違い ます2代目の仕業じゃございませんと夢中 の声で平蔵へさい た山屋の金村は住居のうちの難度に接して いいここだけは土蔵作りになっており防火 盗難のための設備が整って いる金村の中はいくつもの戸棚と作り付け の小引き出しが生前と並んでいたはずだが その全てが乱暴にかき回されてあり ほとんど空になってい た金の外の廊下を隔てた十条の部屋に主人 と息子夫婦の4人と10数人の方向人が 折り重なって死んでいた皆猿を噛ませられ 手足を縛りつけられて いる部屋の中は血の海であっ たよく調べてみると誰もが頭部へ強い打木 症を受けて いるこれはまず金棒のようなもので 殴りつけ気絶をさせておいてから 殺すその方が叫び声を立てないから だそして鋭い刃物の一月で人々の真の像を えぐっていた恐るべき所業では あるこれはまず主人と息子夫婦の前を 仕込みこれを人質にして方向人をたまらせ ここへ集めておきそれから主人を 脅かし金楽の上前を開けさせた おそらく言うことを聞けば命を助けてやる などとほざいたので あろうそして上前を分けさせておいてから 全てのものをなぶり殺しにし た卑怯な奴どもだ憎んでも飽きたらぬと 長谷川平蔵が言っ た同心たちが近所で聞き込んだところに よると俗の一味のものがの方人に なりすまし引き込みをやった様子はない なぜなら方向人の全てが殺されていること がはっきりしたから だ吉の夕を一味は江戸での盗み働きはして いない今度が初めてであったがその名前は より同心たちの誰もが聞きを呼んで いるおまさお いで平蔵は後始末をハカたちと待分用書に 任せおまさを連れて外へ出 た平蔵が重さを導いた場所は一ヶ谷八幡宮 形代にあるという料理茶屋の離れで あっ たここは平蔵馴染みの茶屋 だ酒が出て川エビの塩焼きやらほその吸物 が運ばれ中が去ってしまうまで平蔵は沈黙 を守ったまま だおさにはそれが不味であっ た平蔵が出した逆月へ尺をする時お重さの 手が震え逆月が音を立て た おまさお前はなぜに2台目のキビを庇うの だずばりと問われおまさはとっさに言い 抜けもならず はっと顔を伏せてしまっ たこうした時の平蔵の呼吸は実に見事な ものであっ てお前仙台のキの元で働いていた 時今の2代目友五郎を抱いた なすかさず畳み込みが告げ ない女が男を抱いたという言い回しもこの 場合は適切なものと言わねばな 俯いたおまさの顔に血が登っ たおまさは はい俺が元で働いてくれる密偵の中で縄に かからぬうち我から望んできてくれたのは お前だけ だそれもこれも20年前の俺のことをまだ 忘れずにいてくれて 力を貸してやろうと思ってくれたからで あろう違う かち違いませんでござい ますなどこの長谷川平蔵よりも狐火の2代 目の方がお前にとっては大切な男 らしい長谷川 様俺もなお前が知ってのように先代のキ 友五郎とは朝からの因縁が あるなればと言って今度のことに目を つぶっているわけにはいかん ぞ見たかあの山屋の無いあ様 をでございますから2代目があんな非道な こと を2代目というが仙台には息子が2人いた というではない かお前の言う2代とはどっちの方なのだ あおはここに至って愕然となっ たおさは自分が肌を許したま太郎を2代目 だと思い込んでいたの だま太郎は仙台の前かけお吉が産んだ子で ま太郎が生まれてから10日目にこれは 京都で先代の女房をおせが文吉を生んで いるこの時先代の友五郎は小田原に囲って あったお吉の家にいてま太郎の誕生を喜ん だそう なそれから2年後に女房が病死したので 仙台は小田原から吉と又太郎を京都へ 呼び寄せま太郎文吉を育てさせ たお吉は2人の子が16歳になった夏に 38歳で病死して いるその後マ太郎と文吉は父友五郎の手塩 にかけられ盗みの道を修行に入ったのだと 大沢又太郎から聞いて いる同じ年齢ながら落ち着いて頼もしく まるで先代が若い頃はあんな風だったの だろうと思えるま太郎が2代目を継いだ ものと無意識のうちに思い込んでいた重さ であった がそうだ文吉さんの方が考えてみれば先代 の先代のいわば小福ということになるのだ し分岐地が2代目を継ぐ方がむしろ おかしくはないので ある まお前を一口 やれ平蔵の口調がいつもの優しさに戻り おまさの逆月へ借をしてやっ てお前はまた太郎と年頃になってしまった ため仙台から追い出されたのだろうな 仲間内の色事に確か仙台は厳しいはずで あっ た恐れいりましたよいさとめているのでは ないところでお前が先代のところで働いて いた時そのま太郎と文吉は仲良くやってい たのかいえそりゃ もうその頃にはまだ仙台は自分の後継を 決めてはいなかったのか はい うん先代の友五郎は何かの時にふと おさえ2人ともこの道へは入れたくなかっ たのだがお生徒に早にされたもので ついつい手元へ引き取りこんなことになっ てしまった よ寂しがに漏らしたことがある おまさ今度のことは是非ともお前に助けて もらわねばならぬ分かっていようなキビ 一味の天張を掴むにお前ほど頼みになる ものはいないのだ よどちらにせよあのような足を技をして のけた血も涙もねえ悪党ども俺もお前も 見過ごすわけにはいかねえんだな違うか どう だ違いませ んおまさもきっぱりと答え た確かに許してはおけ ない先代の名をけがす振舞では ある誠の盗賊のモラルは1つ難をするもの へは手を出さぬこと1つ勤めをする時人を 殺傷せぬこと1つ女を手込めにせぬこと この参加状が金貨玉上というものであって これから外れたどこにでも転がっている ような盗賊を真の盗賊は畜生とみなして いる先代キの友五郎こそおさに言わせる なら真の盗賊の典型と言ってよかっ たでは頼むぞ改めて長谷川平蔵に念をされ た時はいおまさが力強く頷いたのはあんな 無い真似をするま太郎さんじゃないという 確信があったから だま太郎でないとすれば先代の名をけがす 悪党どもへの投資がおまさの胸に 燃え上がらずにはいなかった よしなんとしても正体を突き止めてやろう とおさは決心をしたが新宿の茶見のことは まだ平蔵に打ち明ける気になれなかっ たともかくも自分1人でやれるところまで はやってみたいと考えたので あるそれから4日ほど後になってあれから ずっと山屋の近辺を洗い続けていた同心闇 たちが次のようなことを平蔵へ知らせてき た山田や孫方が羊味に襲われた日の 昼下がりに山屋の前の道で女の旅の純礼が 初期あたりにでもかかったのかして 行き倒れになっ たこれを山田が見ていて気の毒に解放して おやりなさいと店のものに命じ段の女を店 の中へ運び込んでいるのを通りかかった 市ヶ谷田町1丁目の堀端に吉の店を出して いると店屋の半助という男が目撃したと いうので あるただそれだけのこと だその後その女巡礼がどうなったものか 近所の人々も知っていないとにかくその夜 になって山田の斬撃が起こった うん長谷川平蔵の両目がきらりと光っ たもし足でその女巡礼なるものはキB地味 の引き込みを務めたのではございますま か雪田の身を一や山田屋の世話になり夜に 起き出し内から塔を開けて一目を誘い込む というと緑木佐島中が言うのへ平蔵は頷い て見せおまさを探してまれ中後が行けと 言いつけ たおまさがやたへ現れたのは世が吹けて からであった寝前へ入りかけていた平蔵だ がすぐに衣服を改め今でおまさにあっ た遅くなりまして申し訳もございませ んご苦労だ なおさは霊によってこの女業の風をしてい た江戸育ちの女の常で元々肌は浅黒いのだ がその上すっかり日焼けしていこの4日間 の彼女が炎天の元を懸命に探索し続けてい たことをそれは物語って いる実は な平蔵が雪田の女純礼のことを告げるや 画然の顔に緊迫の色が浮いた年の頃はそう それがよくわからぬところ天夜の男も 通りすがりに何気なく見ただけのことだ しかし若い女とは見えぬと申していたそう だ30前後と見えたそうだがそれも確かで はないどうだ心当たりがある かありそうだな 私が仙台のところに降りました時おせと いう女の私より4つほど年下でございまし たがよく女巡礼に化けてつなぎをしており ましたうんそう か映像の頷きには熱がこもってい たそやに違いないいやそれと決めてお前は 探り続けてくれ 頼む承知いたしまし たそっちの方はどうだ な今のところこれと言っ ておまさはあれから新宿の茶見を見張り 続けていることを映像に語らなかっ た今のところあの茶店には何の異常もない 瀬戸川の原始がお久と呼ばれる娘を相手に のんびりと商売をしているのみであった 平蔵の西上被が手作りの白玉を運んで現れ たさお上がりなさいよく冷えています よ400国の旗本の奥様自ら女みておえ 白玉を運んできてくくれるそれもこれも夫 平蔵の若きのこと被災がよく湧きまえて いるからで あろうおさは感動し涙を浮かびつ白玉の蜂 を押しいただい た俺もなおまさそんなものが好きになって しまったもう年だよ平蔵の声をえがしかも 山のように白砂糖をかけると沖に目さの ですからと受けすぐに廊下へ出ていっ た今夜は止まっていけと進める平蔵へおさ は 少し思い立ったこともございますからと 言いまもなく役宅を去っ たこの夜のうちにおさは本性4つ目の裏へ 相模の彦中を尋ね たどうしたんだいまちゃんこんなに遅く にようもう私1人きりじゃどうしようも ないおじさんの知恵を借りたくなって ね火の一見かいおさは頷い た実は相の彦中も今度の事件にはびっくり してい たひじはおまさの暴富たがの中にくっつい て昔は仙台キのお頭の勤めを手伝いに2度 ほど髪型へ出向いたことも ある若きの長谷川平蔵は慶子初との 折り合いが悪く父信に背き入江町の屋敷を 飛び出し本所深川界隈をねじにブラ無法の 群れに投じイリエ町の鉄とか本所の鬼鉄 などと呼ばれ大いに顔を売っていた時平蔵 が根暗にしていたのが立金の中がやってい た本性4つ目の居酒屋の裏であっ た400国の旗本の四則だった平蔵が介や 彦中のような泥棒の正体を知っての上での 交際だったので あるどうしても父との間に子が生まれぬ敬 difficultがようやくに諦め容姿 の父の説得を聞き入れめかけ原の平蔵を 長谷川家の後継にすることを承知しなかっ たら平蔵はおそらく悪の道の底にまで足を 踏み込んでしまっていたろ実にそれは間一 発のところであった 高義も平蔵の行状をかなり調べていたと 見え後に父信が若年寄りの水の文子の神 からせがれがあのまま行場を改めなんだ時 はお主が家も取り潰しにおたやもしれんと 聞かされたことがあるそう な平蔵が千助の居酒屋で戸を巻いていた頃 お重さは12か13の少女であっ たそりゃもうあの頃の長谷川さと来たら 火の玉のように異性が良くてとの悪どが 縮め上がっていたもんな爆は強いし酒の飲 みっぷりなんてもな惚れぼれしたもんだ 一生軽く開けてこう脇差しを落としだしに してようひこついてこいなんてねお前もこ りっぱがりの小娘だったがあの頃の鉄山に はよっぽど参っていた なそれにして もそれにしてもよなあまちゃんことも あろうに盗っ崩れの俺とお前がなんと加藤 荒めのお頭になった鉄さんの手伝いをする ことになろうとこいつは全く夢にも思わ ねえことだった なとこれは酒と海藻に酔った汁がいつもお さに喋ることなので あるお重さから全てを打ち上げ られなんだって本当かいその仙台の右腕と 言われた瀬戸川の原子さんがあのおしさん の娘と一緒に新宿で茶見せようんこいつは どうも驚い た何そのこと長谷川様には打ち明けてね そりゃいけねえいかにお前が2代目のユグ さんと肌を合わせた中だと言っても長谷川 様に背いていいものかどう かですからおじさんまあ ちゃん30を越してもお前はまだ娘みてな 気持ちが残っているんだ な女はみんなそうなんです よじゃあ何か 12か13のお前が鉄を思っていた時のじ な清い心があればこそっとの足を洗って犬 になったその気持ちよりも2体目を助けて 気持ちの方が強いのかいおじさんだから私 は2代目の仕業じゃないとなるほど な2代目といい中になった時のお前は女の 油がたっぷり乗って胸と胸が通い合った ばかりじゃなく体と体がぴったりあっ ちまったよしておじさん男と女の体の具合 なんてものは決まりきっているようでいて そうでね互いの体と肌がぴったりと心行く まで会うなんてことは百に1つさまちゃん お前と2代目はその100に1つだったん だねいや嫌だったらもうよしわかった え俺は2代目を見たことがねえだがお前の 言うことを聞いてるとどうやら先代のキの おかにそっくり だし押し込み先の見しなぞするようなお人 ではねえと見たよし手を貸そうじゃねえか 鉄doneには内緒で なそそうして遅れかいうんいいと もありがとうよおじさんありがとう よまちゃん俺もお前も背側の現出さんには 顔を知られているそれだけに2人してその 茶見を見張るのは難しいきっと原子さんに 悟られてしまわなそうさそうなんですよ こうなったら仕方もねえお前 思い切って乗り込んでみねえな乗り込むっ てまあとにかくいぺやりながらゆっくりと 相談しようじゃねえかあよじゃあ支度を するからね頼むぜいやこのちしめどうした のさかの野郎が俺の痩せたスをかじって やるさてその翌の近くなって町の女房風の 旅姿の重さが中川の私に乗って勝鹿新宿の 川岸の茶何気もなくお茶をくださいなと 入っていったもの だおいでなさいましと迎えた茶の牢屋が いやおまささんではねえか あれおさも動して見せて瀬戸川の さんこいつは義宮だ本当に まあ瀬戸川の原質は何の疑いもない優しい 目つきで重さを 眺め10年になるかね ええそうなります ね今どうしてい なさる端の原発長頭のところにいたのです が原発長頭が加藤改めに捕まってしまい私 の身も危なくなってきたので桜の尾の ところへでも行きほとぼりを覚まして こようと思いましてね危ねえ危ねえ今の 大江戸でお勤めはしねえがいい波改めの 長谷川平蔵様というおしはどうして大した お らしい瀬戸川の原地は若の平蔵の顔を知っ て いるしかしその頃は本性の鉄で通っていた 平蔵が今のひつ盗賊改め方の長官だとは 思ってもいないの だ立金の中もおまさもそこは口が固く いずれははがわけの投資となるやもしれぬ 平蔵のことを去る旗本の五南坊でねと20 年前江戸物に現れ 仙台キビのユと原に引き合わせたのであっ た原一さんがここにいなさるということは 2代目さんがいよいよ江戸でお務め を思いきっておまさが切り出してみると とんでもねえわしもう足を洗ったのさ え4年前に仙台の狐火のお頭がなくなる時 の言言でね まあほごらんな裏で夕飯の支度をしている 娘ありゃ死んだおずさんの忘れがみさ まそれじゃあ仙台の忘れがみということに なろうか ね娘だけに行く先が心配でおかはわしに あのおひさちゃんを預けたのさ そろそろ嫁の口を探さなくては ねなるほど ね瀬戸川の原始の耳へは江戸のキビ一味の 反抗がまだ噂となって届いてはいない らしいとおさは見てとっ たそのよおさは原始の茶店に止めてもらっ たその代わり長くは止めねというのは今の わしは足を洗ったじじいだしお前さんは まだこれからという勤め盛りだもの ね原始はやわと国をさしてき たでも原始さん時々は寄せてもらっていい かしらそりゃ構わないその代わりわしのと へ来る時は片のおまささんでいてもらい たい よざんす ともそして原一がお久を引き合わせてくれ たお久の前ではこの子は古い友達の娘でね 4つの時に両親に死なれあるところに里子 に出されていたのを4年前に足を洗った時 わしが引き取ったのさといった瀬戸川の 原質であるがおが台所へ去ったのをすまし てから声を潜めまあの子の前ではそういう ことにしておいてくんねおまささんの前で は隠しきれるものではないもの ねけれどよく似ています ねお久はこのおさんという人はねおじさん の古い友達の名子さんなのだよと 引き合わせた原始なのである お久もいることだし原始は止めたおまさに 昔のことは少しも口にのぼせなかっ た本当に足を洗いなすったのだろうか いいえそうは思え ないおまさにしてみればうまく取り入って キネ一味へ加えてもらいこのまま原石の 茶店につき2台目キビの友五郎の動きを 探って 一ヶ屋の山田屋の非道な畜生働きが2代目 の仕業ではないことを突き止め たいそのつもりでいたのであるが翌朝に なって朝飯が住む やおまささん約束だよすぐ立って くだせ原地は穏やかだがうを言わさぬ声で 言い出 た分かっていますともね素直に頷くより 仕方もない重さであっ た向こうの台所のどで後片付けをしている さのしそな着物のうちに行きついている 体つきのうしさに重さは見れてい た私にもあんな時があったのか ねみくをしてどへ足を下ろした重さの わらじの王駆け寄ってしゃがみ込んだおさ が手早く結んでくれたお は足がすくん だ瀬戸川の原子が顔を背け船がついたよう だねとつぶやいたじゃあ原子さんこれでお 達しで ねお久さんにもお世話をかけました ねするとお久は真っ白な歯をわずかに覗か せ美称してかぶりを振って見せ たこうなれば時々顔を見せもいいと言って くれた原始の言葉を頼りにする他に道は ないそれ以外の見張りについてはもう一度 相の彦中の知恵を借りようとおまさが茶見 から出てきかけたその出会い頭に今船から 岸へ上がっていた人々の中からまっすぐに 茶へ近づいた旅の男がいや目を見張って おまささん じゃあねえのか あ叫んだおまさの手からすげ笠が落ち た2代目 さんしばらくだった なあその声に万感がこもってい たまさにま太郎こと2代目キビの友五郎な ので あるきちんとした旅姿でどこから見ても 立派なアキド今年で32歳になる2代目だ がしなやかな体つきテキパキとした身の こなしは二十歳の若者のようでその代わり 彼の願望は塔もふけて見えるほどの 落ち着きが漂って いる2代目どうして また瀬戸川の原質が意外の表情を隠そうと もしないのお重さはちらとと見 た原始とっざはるばる今日からお前さんの 意見を聞きに来たのさ えとにかく仲へ入れて くれ2代目私はここでどこへ行くまあいい とにかく戻ってくれおまさならいてもらっ て少しも困ることはないいや俺の話も聞い て もらおう原一は現れたおさ 2代目におさの時と同じような引き合わせ の仕方をし たそうですか私は今日でぶをしております ま太郎というものです原子さには昔からお 世話になっておりましてねと2代目がおさ に挨拶をし たまんざら芝居をしているとも思えないと なれば2代目はお久が仙台とずとの間に 生まれた子で自分の妹にあたることを知っ てはいないらしいので ある勤めのない時の2大目が2人のハカを 使って京都の油の工事花屋町で仏や今やま 太郎になりすましていることは事実であっ たチミ性客の出入りが始まったおさは1人 で店を切り回し た奥の人まで 2台目と原始地が顔を寄せ合ったお重さは 裏手の戸口とどまに見える店の方へ目を 配るに適当なところへ座って いる膝を揃えて座った2台目が静かにこう 言っ たどっざん2代目キビ友五郎の偽物が出た ななんですっ て今日大阪でこの春大田2件へ押し込み金 を盗みとった挙句皆殺しをしてのけやがっ たその後で俺たちが印のキビ札を臆面も なく張り付けて逃げたそう だそそいさ行っ てそればかりではねいや俺も江戸入って 昨夜は国上の泉屋という宿屋へ泊まって噂 に聞いたのだが驚くじゃねえかつい5日 ほど前に一ヶ屋の薬屋で山屋というのへ 押し込み2代目それは偽物の狐火そうだと もう狐札を逃していったそうだ荒らし事も 荒らし事こんな畜生働きをされたのでは 先代に申し訳が ねえ一ヶのもやっぱり皆 で飯たきの年寄りから156の小女まで やっていったそう だでは何ですねその今日大阪で地象働きを 仕上がったのと同じ偽物ということ だ原始の木の実のように小さい両眼が 凄まじい光を 称えまさかと探るように2代目友五郎の顔 を見回した 2代目は沈黙しているその沈黙をたごじゃ ないとマは感じ た裏の子にセミが泣きこめてい たじわじわと体へ滲んでくる汗を拭うと むせぬ3人が押しだまったままの耳へ ありがとうございますまたお寄りください まし店を出ていく客を送るお久の晴れやか な声が聞こえ たとざんそれから おまさややあって2代目がその偽物は弟の 分岐地だと俺は 思うそういった声は梅木に近かっ たやっぱりと原質が太いため息を つきうまくいかなかったのですね 仙台が息を引き取る時突端を始め重った ものを8人呼び俺と文士の前で2代目はま 太郎2と言言しなすったええ ええそれからとっさは足を洗い今日を出て こっちへ来たわけだが俺もあれから4年の 間先代の名を恥ずかしめねえほどの仕事を 1度やったきりだそうでしたかいそいつは 上出 だ分岐地はそのすぐ後で俺から離れていっ たのだよとっさには心配させたくねえので 知らせなかった がなるほど 文基士はね竹森の彦蔵や引き込みのお染の 他に4人ほど連れて出ていった 独り立ちをすると言ってね無論その時俺は キの名を使ってはならねえと文吉に誓を 立てさせておいたのだが うん文吉はねたえ10日先に生まれた俺が 兄は兄でもめかけばでいながら2代目を 積んだことがどうにも収まらなかったの だすっと勢に飛んだおえ騒動だ よ仙台はお前さんの腹を見込み盗っと家業 の誠の芸を継ぐものはお前さんの他にはい ねえとそう思いなすったから こそいやとっ さん芸の分かる盗っは歳事に減っていくの さ何百量も盗みとってその金をもでに 次の仕事を2年3年がかりでやって のけるそれもこれも掟の参加状を守り抜い てのお務めをするためにはどうしてもそれ だけの元でと月日がかかるそんな手間暇を かけて女将の目をかめる悪業をしたところ で何が面白いと ね今時の盗とはみんなそれ さちょうどその時 川向こうの亀ありの岸辺の番子屋の影に うまった人影は3 つ1人は百姓姿の相の 彦中1人は密て小さのく は残る1人はきなしの片の裾をはり清朝を かぶって素足にわきという手もなく老人の 旅姿の長谷川平蔵であった すまねえすまねえいやあもう全くまあ ちゃんにはすまねえことをししまった よと相の彦中が涙さえ浮かべて平蔵に かきいれ いる平蔵は晩小屋の鍵から川向こうの茶店 を注視しつつひこよお前のしたことは 間違っちゃいないのだよ優しく慰めた どうにもおら何度も危ねえところを助けて もらったお前さんに染めなかったんでござ んすよ長谷川様よ分かったわかっ たその代わり麻雀を裏切っちまった よよし よして てんいきなりひこ充が平蔵若き日の名を 呼び平蔵の胸をつまぬばかりのとなってさ 長谷川様よことの成行きがどうなろうと 今度はまちゃんの顔を立ててくれねえじゃ この俺が収まりませんぜと言い放っ た長谷川平蔵は彦中の老眼を濡らしている 涙を手ぬいで吹いてやり苦マに行こう行っ たひこ よ昔昔の本性の鉄の頃からこの俺のする ことに お前1度でも愛そが尽きたことがあったか いどう だその夜ふけに原始の茶店では昼間の疲れ でぐっすりと眠り込んでいるさを奥の部屋 に置き2代目友五郎と原始とおまさが今度 は店のどの腰かけに額を集めていた 3人の声は支え声よりも 低い今3人が語り合っていることは偽の キビ一味が江戸で反抗を重ねようとする つもりならその根拠師となるべき盗っ宿が どこにあるのだろうかそのことであっ たお重さは盗賊改め方の密偵であることを 忘れきったかのように2代目と原のへ 溶け込んでしまって いるおまさが茶碗の冷酒を進めるとしし 飲んだ2代目友五郎 が親父が亡くなった時お前さんは足を洗っ て一時は敦賀の国へ帰りそれからここへ来 て住みついたわけだがその通りでござすよ 2代 目その時にだ竹森の僧も先代の遺言で確か 江戸へ行ったね作用 で瀬戸川の原が仙台の右腕なら竹森の彦蔵 は左腕と言われた男で当時35歳であっ た息を引き取る時に先代のキビ友五郎が 彦蔵を江戸へやり何かの用事をさせたこと を2代目は思い出したらしい あれはね2代目仙台が江戸へ遊びにおいで になさる時骨休めをしていなすった家を 始末しに行ったのですよそうだったのかい えじゃあご存知ではだってたったも知って の通りあれからすぐに仙台は息を引き取っ てしまったもの な ふそそれじゃあ江戸から帰った竹森の彦蔵 は家を売った金を2体目渡さなかったので もらってはいねえあの男ま言ってどうした の だろうそのことはさておき弟の分岐地が俺 から離れていった時彦蔵も一緒に えそれじゃさっき聞きました がもし や言い刺した2代目頷いた原始が膝を打ち ちげえねと言っ た仙台に頼まれて江戸の隠れがを始末に 行った彦蔵はその家を売ぬままに温存して おきいずれは分岐地が独立する時の盗っ宿 に使う計画を早くも立てていたのやもしれ んとそこへ気づいた2代目であり原始で あった おまさもすぐに2人の言とするところを 飲み込めたので ある原一突さんは仙台について何度も江戸 へきているもしやその家をええもう知って いるだじゃあ ねえ言って原始がちらと重さを見たのも すぐに2代目がおさも知っていたのかええ 昔のことですけれど どこだ2代目その家 は菅田村の木星の近くでござんす よ俺はどうも江戸は不安内だとっさは片に なったんだから手伝ってもらうわけには くめ が何のことと次第によってはお力になり ましょうがところで偽の2代目いや文吉 さんを見つけなすったらどうなさるお つもりなの で言い聞かせで今日へ連れ戻し今度は俺が じっくりと真の務めを弟の体へ叩き込んで やるつもり だもしももしも文吉さんが2代目の言う ことを聞かねえ時 は一瞬の沈黙の後に2代目友五郎がごくり と生葉を飲み 殺すと答え たどこかでカエルが泣いてい た翌朝になって瀬戸川の原始が簡単な旅姿 で中川を渡り江戸へ向かっ た二の私の少し紙の方の足のしみの影に 小さなトの中で相模の彦中と小さの端が これを冒険して ひこさん今出ていったのが原始だね うん1人だ2代目もおさんも茶見から出て こねえどう するまあ原始さんはいいだろうほっといて もそれよりこっちが肝心だよくさんいざと いう時に1人じゃ手が回りきらねえものな うん何しろ今度は長川様からの言いつけで どこまでも2人きりでということだから それもこれもてさんが俺とまちゃんの顔を 立てておくんなすったからよそれだけに とざんヘマはできねえぜら命がけのつもり だ瀬戸の原地は夜遅くに帰ってきたこの間 茶はお久が1人で切りしていた らしいおまさも奥の方で立ち働いていたに 違い ないこの日原子地は江戸へ出て市ヶ谷の 山田を見に行きその近くの堀端に出ている 茶店などへ休んではたに聞き込みをしてき たの だ原始地は反抗東野の状況を2代目に語っ た後ふとおえお前さんは江戸にいてあれ だけの騒ぎを聞いていなかったのかいだっ て原始さ私だって危ないところを逃げ隠れ していたのだもの耳へ入るものじゃない そりはまあそうだがところで2代目あの 畜生ばだきにはきっと浪人崩れが入ってい ますぜそうでなけりゃとてもあれだけの 人数を先号へ1つ立てさせずに1人残らず 殺し切るわけにはいかねえ文吉が なあもしやするとこいつは竹森の彦蔵が偽 の2代目になっているのじゃあござすまい か彦蔵は若い頃仙台様の中原部屋にいた ことのあるや ですすると文吉地は彦蔵の手下になって いるかまたは殺された かとにかくこしてはいられねえ明日は3人 で出かけ ましょう原始の老眼に血が登ってい たまもなく原始はお久のそばでぐっすりと 寝入ってしまっ た1日中歩きもり疲れきっているので あろう今すぐにとこおさは2台目に言い 中二階のひりの狭い部屋へ上がって床を 伸べ始めた 床を述べながらおさは2代目が上へ上がっ てくる気配を知り知りながら逃げなかっ た おまさ2代目友五郎がおまさを後ろから 抱きしめ会いたかっ た行けませんよ2代目行けませ ん仙台はもういねえの だユの熱い唇をうじへ押し付けられた時 もうもおまさはどうにでもなれと思ったあ 2代 目か変わらねお前はちっとも変わっちゃい ねえでもこんなじゃいやあ汗を吹いてから 吹いてからにしてお前の汗のどこがいけ ねえああ もう固く引き締まった友五郎の筋肉の中へ おまさの体が巻きしめられていっ た2代目もう女将さんがいるものかいる はず ね本当 に お前なってくれるか女房 に答えはなかっ たその代わりおまさは我から諸に渾身の力 を込め友五郎の背を抱きしめていったのだ その頃中川の足の影に浮かぶトへ岸辺から 声がかかったくは彦中あ長谷川様彦中を 寝かせまだ起きていた小さのクハがこんな に遅く大変なことでございます ね俺も今からその船の中へ入るぞもっと こっちへ寄せてくれわざわざお出れで ございますか2人では手も足りなかろう こいつはどうも3人で やろどうやらこっちへ目をつけている方が 1番近道らしいその後の手がりはさっぱり とねえ よがらり伝法な口調に変わって長谷川平蔵 がさこの三重を先へ取ってくんなここへる 道今戸の島屋で仕入れてきたのよ中は晩の 付け焼きにナスの学その他色々減ってる 彦中じじを叩き起して一緒にやろうじゃ ねえかさこいつも取れいいのが減ってるぜ と言っ たバリ山木星は大川が荒川と瀬川に別れん とする住田包の元にある古い寺である兄弟 には孤児に長い梅若丸の使があり当時大川 を西に望むありの警官は現代のすだく包み 通りなどというゴミ臭いそれとはおよそ 程遠いものであっ た木星兄弟の周りは松の小と竹林のつりと 住田や寺島の村村の高田が広々と展開し 田園の風守が大川の流れに溶け合い 行きかう船の先導が美しい景色にたまり かね美星を振り絞っての船歌もおから 出ようと いう綾瀬川から大川へ入ってきた玉舟が1 つ木星に近い岸辺の足の中に密かに隠れん だのは次の日の昼下がりで あるこの玉舟は平蔵たちが乗っているもの でない 瀬戸川の原始が仕立てた玉舟であって中に は2代目友五郎とお原始の3人が潜んでい た原地は新宿の知人に茶見とおを頼んでき て いる続いて平蔵たちを乗せた友が大川へ 入ってきて一旦は荒川の方へ遡っていき やがて下ってき たそして士たちの船が隠れりを見れる一の 岸のこれも足の間に滑り込んでいっ た木星の 北方つまり綾瀬川に面した岸辺に風雅な 笑屋の別荘風の家があり高い板に囲われて いるこれこそ仙台キの友五郎が江戸へ来る たびめかけのおしと暮らした隠れがであっ た以前にはあんな板はありませんでしたよ と玉舟の中から原始地が2台目に行った この辺りにあんな不粋な板を建てるやつも ねえもんだこいつはきっと家の中を見られ ては困ることがあるにち ねえ友五郎は頷き無言のままに鋭い目を 彼方の伊部へ向けてい たすぐに原始が騎士へ上がっていった 近くを回って聞き込みをするつもり らしい板にくぐり戸が1つ 見えるそこから大川の騎士や歩み板が伸び ていい小さな船場のような形になっている のを友五郎にも重さにも見え たこの日も朝から晴れ上がってい たその強い日差しがようやく傾きかけた頃 原始が船へ戻ってきた たこの辺りには人家も少ねえのでよく わからないのだが何でもあの家に住んで いるのは金持ちの老人だと言いますぜ ええ立派な風景の四十絡みの老人だとかで 下男のようなのが2人と278の女中も いると かその女中というのはもしや引き込みの 汚染では かもしれませんよ時に誰も出てきませんか 2代目出てこ ないこうなったら仕方がねえ何日かかって もここで網を張るより他に道はねえそうだ な足しも明日1杯はここにいますその子は 1度新宿へ戻れにゃならねえがすぐに戻っ てきますからね 夕暮れとなったそして夜の闇が王家を覆っ た2つの玉舟はじっと動か ん小さの端が酒を買いに騎士へ上がった後 で相模の彦中が平蔵へいやどうも思いがけ ねえ場所へ来たもの でまくなと長谷川平蔵がほろにがく笑って あの板に囲まれた家は仙台の狐火がおしと 住んでいたものだ彦や俺だってちゃんと 覚えていら [笑い] な妙な笑い方をする な20年も前になりやす ねそう さ長谷川様は仙台キの見かけのおさんと できしまった それをまだ12か13の重さがお娘の 焼きもちを焼いて ねえそんなことがあったのかとけちゃいけ ません やあの頃の重さはまだ子供 よ女の12さんは体はともかく気持ちは もう一端の女でござす よ仙台キの郎のめかけは深川の平井神殿の 近くに住んでいた漁師金兵の1人娘であっ たが母親が亡くなった後父親の金兵も病い がちとなりその胃薬と暮らしの金を得る ため世話する人があって芝の二子神社門前 の水蛇や伊豆の巧み女となっ たこうした水茶屋の女は単に着味をする だけではない連れ出し量を払えばどこへで も連れ出せるし女の肌身を買うことも できる押しが伊豆へ出るようになってから 半年ほど経った頃江戸建物に来ていた狐火 の友五郎がおまさの父立金の千助や相模の 彦中を連れて伊豆へ現れ一目でおしが気に 入ってしまっ たこれが20年前のことだ おい中さん頼むよ1つと先代の友五郎に 言われ中助が中へ入り相応の支度金を伊へ 渡しおしを引き取り木星近くの家を買った 仙台の元へ連れて行っ た押は無口だが誠実な女でまだ商売の水に 馴染んでいないところが先代の気に入った ので あるそうした若いえ仙台の狐火はわざと 地味な衣装を着せてみたりそうかと思うと だるま返しのような崩れた髪形をさせたり して楽しんでいたもので ある押しはいいこんなに大人しい女を見た ことはねえと仙台は大喜びで舐めるように して可愛がった当時の彼は456歳であっ たろう か盗きも油が乗り切ったところで大仕事の 後の骨休めには思いきり金を使って遊ん だその頃の立金の中や相模の彦中と長谷川 平蔵とは切っても切れぬ間柄であったから 当然仙台の狐火にも引き合わせれ面白いお 人だ肌ものご次南坊でも若いうちは色々な ことをしておきなさるのは薬でございます よ 暴れ放題に暴れていた若い平蔵を隠れがへ 呼び酒を飲ませたり止まらせたりほれ遊ん できなせえポンと小番を何枚もくれて 起こしたりし たさあそこで平蔵と静ができてしまったの で ある仙台が田原にいるめかけの地と太郎の 元へ出かけている間に2人はならぬ間柄に なってしまったのだ手を出したのは平蔵の 方 だ何しろ母にいじめ抜かれて屋敷へも 寄りつかず自暴時期の放らへりこんでいた 平蔵は二十歳を超えたばかりの若さでや もうあの頃のことを思うと日が出ると今も 西上のえによく言うので ある当時のえの実家は平蔵の父の屋敷と 隣り合わせであったから平蔵の父が実家の 父のとろへ来て鉄三郎にもほとほと困り 申したとこぼし抜いている姿を何度も見て いるその頃の被災はまさかに平蔵の妻に なろうとは夢にも考えていなかったの だ さて小田原から江戸へ戻ってきたキビの 友五郎は立ちまちに平蔵とずのことを 感づいてしま た友五郎は平蔵を 呼びお前さんは武方のお子だ人の持ち物を 取っちゃいけ ねえぬすっとの俺がこんなことを言うのは おかしいようなものだがお前さんだから 言うの さ人の持ち物でも金ならまだ許せるだが ね女はけません よ厳しく決めつけられては一言も返す言葉 がなかったと いうそれから仙台は押を平蔵に合わせず 江戸から京都へ連れ去った仁坊がいる家で はなく別のとろへおしを囲ったもの らしい2年後にフラリと江戸へ現れた時 仙台の友五郎は相模の彦中へおしが可愛い 女の子を産んでくれてね目を細めで語った というその女の子が今原始と暮らしている お久ということに なるその時平蔵は正式に家督が許され警護 もなくなったことだし木も晴ればれとして 徳川10代将軍伊春にハエが叶い彦中や中 たを会うこともなくなっていい従って 友五郎を見ることもなかったのである なるほど 20年になるのかバカみてえなことだと 玉舟の中で長谷川平蔵が人の一生なという ものは誠にたいのないもの よこう言った時小さの組はが長谷川様誰か 出てきましてございますさいた見ると板の くぐり戸が開きちが1つ道へ流れ出てきた 男が1人九段の家から現れ包の下の道を南 へ 行く気づいたのは平蔵たちばかりではない 原始や2代目を乗せた玉舟も静かに足の中 から大川へ現れたつけろと平蔵へいと小さ の端が炉へ捕まっ た2つの玉舟が前後して大を南へ下って いくそれとも知らずに包み下の道を行く男 が諏訪明人の前に差しかかった時2代目ユ を乗せた友は下足先に諏訪明人前の船場へ ついていたので あるここで待っていろ2代目友五郎が船 から包へ駆け上がり向こうからやってくる 男を待ち構えていたのだああという間も なかっ た音もなく矢のように包を走り下った 友五郎が男へ襲いかかっ た男は崩れるように道へ倒れたこれを 担ぎ上げて友五郎が玉舟へ戻り川の真中へ 出してくれとざんと言っ た友五郎に腹を打たれ気を失った男は先代 キビの配下だった岡の与平という盗賊で あった川水を顔にかけられ気がついた与平 は2代目友五郎と原始おの3人が自分を 見つめているのに業転した洋兵てめえが あの家から出てきたからには弟の分岐士も あそこにいるのだなに2代目ほら何も知ら ねえ知りませんよ知らねえ ユロの手に相口が光ったあな何をなさるん で慌てた洋平の右腕がつまれ指2本が切断 された うわあ悲鳴を上げるヨフの口を原子が しっかりと抑え静かにしろさ2代目さんに 何もかも申し上げる いえ岩ねと両腕ともお前の体についちゃい ねえぜと ゆふ言います言い ます血のついた相口を与平の喉元へ 突きつけ2代目があの家に分岐地はいるの だなえへい うつ縮小働きをしたのは文吉だなし知ら ねえこの野郎またしても3本目の指が 切り落とされたあ 文吉が偽の2代目を名乗っているのだなえ へい よし頷いた友五郎がおまさ傷の手当てをし てやれそれからゆっくりヨに聞くことが ある はい玉舟が大川の真中でぐりと回り元の 木星近くの足の間へ戻っていった蔵たの船 も巧に跡をつけ元の場所へ戻っ たあやであった夏の闇がおしく垂れ込めて いる小さのクハは船から岸へ上がり2台目 たちが乗っている玉舟へ接近した闇の中 だけに離れた玉舟からは見張り切れなく なったから だしばらくして橋が駆ってきた長谷川様今 男が1人騎士へ上がりました男電子かいえ 別の若い方の で相模のひじは2台目の顔を知らぬよし ひこはここにいろう俺とくはが行ってみる くれぐれもまちゃんのことを頼みましたぜ くどいじじだ の船から上がったは2代目友五郎であった 原始と重さはトの中で与兵を見張っている どうしてもついていくと言って聞かなかっ たおまさを友五郎は厳しく叱りつけ船へ 残したの だ友五郎は猫のように板を超え中へ 吸い込まれ たやがて友五郎はこの隠れがの奥の下間の 外廊へのように佇んで いる音なく少女を開け部屋の中へ忍び入っ た友五郎がそこに眠り込んでいる男女の 枕元へしゃがみ込ん だ男の顔が友五郎によく似てい た弟の文吉士であった似てはいても文士の 顔には陰3な限りが青黒く浮いて出て いる縮小働きをした盗賊の顔はみんなこう なるのでで ある女は引き込みのお染であった2代目 友五郎とおの関係が先代の耳へ入ったのは このお染が告げ口をしたから だお染は2代目へ言いより羽られたことが あるその2代目がおまさを愛したお染の 愛情がゾに変わった仙台に告げ口をしたの も文吉をそそのかして2台目の元を離れた のもこれがためだったので ある2人の寝顔を見つめていた友五郎の腕 が眠りこけているお染の喉へ伸びたううと 妙な声を出したのがお染の最後であった 友五郎の強い指の力がお染の喉を一瞬の間 に締め落としたのだ あ文吉が慌てて飛びを起きるのへ騒ぐな俺 だユロ だみんな聞いたぜ岡の洋兵から なな何 文吉何も言わねえ俺と一緒に今へ 帰れふざけるねと文吉士が何が死のお務め だ2年も3年も押し込み先へ引き込みを 入れておいたり何枚も絵面をこらえたり 金村や土蔵の上前を老型に取っ たりそんな手間暇をかけるから稼いだもの も残らねえのだ人を殺傷しねえがためには それだけの支度がいるのだ向こう様が朝に なって気がついた時にはいただくものを ちゃんといただきこっちは煙のように消え ていなくちゃならねそれがお勤めのゲと いうものだ兄貴今の世の中はセコマシンだ ゲもへもありゃしねそれが証拠に俺と一緒 にお前のところを飛び出した竹森の彦蔵は な俺を殺して2代目の狐になろうとたみ やがったひこはだから帰りうちよ去年殺し た文吉たて一緒に帰るのだ兄貴お前が今 しめしたお染の始末はどうするつもり だお前はまだ目かばの俺が2代目になった ことを根に持っているのか2代目は俺 だそれならなぜ真のお務めをして見せねえ のだうるせえ世の中が変わったんだらな 2万両も溜め込んだらきれに足を洗い贅沢 ざまに暮らすつもりよそれまでに何人殺す つもりだ文吉は答えないそばに横たわった お染の死顔を凝視して いる文吉真のお務めをしねえ奴は畳の上で は死なないのだぞお前が殺した人たちの 音量が今によなよな出てくるだろうう うるせえうるせえな本来なら起手を破った お前を生かしてはおけねだがだが文吉 小さい頃の俺とお前とはな分かっている はずだ口喧嘩1つしたこともね仲のいい 兄弟だったなそうだろうだから殺せねえだ から一緒に今へ帰ろうというの だ 兄貴お前ボケたのじゃねえかなんだ とこのままにここから出ていけると思うの かむささびのように文吉士の体が飛んだ中 に一回転した分岐は体ごとに襖を叩きあり 次の前へ転げこんでいる間髪を入れずに2 台目ユグも畳みを蹴って次の前物音が 起こったのはこの時初めてと言って良い ほどそれまでの兄弟の会話の声は低かった のである曲がりくねった廊下の彼の部屋で ざ行が起こったおからの間だ 急げ目覚めた浪人崩れが4人刀をつんで 駆けつけてきたいつの間にかそれと分から ぬほどの暁月の光が闇の濃度を薄めてきて いるダダーンと激しい音がした雨戸を 蹴破るた兄弟が裏庭へ踊り出たのだ回れ 裏庭だ文吉の間の雨を蹴破り老人たちが庭 へ飛び降りたその4人の老人の前へぬっと 立ちはかった神が1つあ誰 だ盗賊改め長谷川 平蔵名乗った平蔵が腰を沈めるや淡口苦な 22寸区の愛刀を抜くても見せずにむ右の 浪人を切って倒した切って飛び去った平蔵 の正面から打ち込んできた老人の一等は下 からこれを吸い上げた平蔵の国に 跳ね飛ばされうわ慌てて腰を引き差しその 脇差しへ手をかけようとした老人だが寝床 から飛び起き大東を掴み取って駆けつけた だけに差しはなかったししまった斜め横に 走に抜けた平蔵の国に腹から胸を存分に 切り上げられたこやが凄まじい絶叫を発し て夏草の中へのめり込んだいか逃げろ和め て1人が刀を引いて屋内へ逃げ込むとした 文吉地の沼間の縁先へ飛び上がりかけた こやつを待ちかまえていたのが小さのクハ であったクハはこの家へ忍び込む前に拾っ たコボを構えそこにかみんでいたのである ふはの金棒が唸りを生じて老人のスを打撃 したぎと腰がこけた老人の脳天へくはの 金棒が決定的な一を与えたくあの2人をと 平蔵の声が聞こえた早く行け逃すなへいく はは駆け出した平蔵の前には1人残った 老人が逃げようともせず堂々と立ちを 振りかぶっているさきも綺麗に沿っている し四重がみのたましい顔立ちをしている この老人が近辺ではこの家のアジと見なさ れていたもので あろう貴様が今評判の鬼の平蔵かこいつ 面白い老人がほざいたわしは飲酒浪人かい 殿内平蔵は鋭い舌打ちを持って答えに変え だこうした川殿内の態度が追い詰められた 彼の最後の巨tellであることを平蔵は 見抜いている武術に優れた腕を持ちながら 観の望みも消え果て悪の道へ足を踏み入れ ていく老人がこの頃の江戸では激増して いるのだいざ来い川井が振りかぶった大東 を発想に構えなした瞬間平蔵の刀はすりと さやへ収まっていたはっと川井が目を 見張った戦わぬつもりなのかだがすぐに 嫌いだと感じた川井がそう感じた時早くも 平蔵は舞いを2件に詰めてきているえい のっぴきなぬままにが頭上へ回した一刀は 風を切って平蔵へ打ち込まれたそれよりも 早く平蔵の国綱もさばしっているん ぶつかり合うようにもつれあった2人の体 がくりと入れ替わった時平蔵の刀はまたし てもさやへ収められていた恩師高杉銀平 直伝の嫌いで川井殿内の銅を払った平蔵だ が川も相当な手だれの持ち主であったから 十分な打撃を与えてはいないうん振り向き 様に傷ついた川井が猛然と血を蹴って平蔵 へ切りつけたパッまたも体が入れ替わった 電光のごとくに川井殿内を切って落とした 国の名はつりと共に平蔵の腰へ収められて いた川井が口木を倒すように転倒し たどこかで小さの端の声がしている平蔵は 庭の西側のへ駆けつけていったそこに橋が 立って いる2代目友五郎が首うれて座っていた そのそばに友五郎の弟文吉が仰向けに倒れ ていいその胸に深深と友五郎の相口が突き たっていたので ある汗が平蔵様でございますかいかに も2代目キビのユでござい ますそや は弟文吉目にござり ます文吉は2代目キビを名乗ってお江戸で 畜生働きをいたしましたやはりなそこで兄 のお前が生馬いたしたのかいえ時節で 連れ戻すつもりでおりましたなれど弟が 手向いをいたしましたゆや なくうん これでメドの仙台も安心をしたろうよ えその時兵のくぐり戸の辺りで重さの声が 起こった乱闘の物音を聞いて瀬戸川の原質 と共にたまりかねて駆け込んできたので ある あ長谷川様は私の親めをご存知なのでわは おまさに聞けえ うさを連れて今へ戻れあになって共に 暮らせも まさか仙台に免じて許してやろうその 代わり2度と盗みはせぬとの証文を置いて いけ 正文これだ蔵の国がまたもひらめい た あ2代目郎は左腕を肘のから切断され草の 中へ顔を埋め たおまさ介護して やれ長谷川 様2度と俺が元へ顔を見せる な捨ててくはを従えた長谷川平蔵が兵の くぐり戸を出る時にそこにうずくまって いる原始へ瀬戸川の原始出しでいかいと声 をかけた 暗闇の中で原始の越が聞こえ た翌朝から日付盗賊改め方の同心と密偵 たちがこの隠れがへ網を張り次から次へと 現れる文吉地一味の盗賊を合わせて斜め 残らずめしとった文基地たち2のキ一は3 日後に浅草諏訪町のどや伊勢や全米方へ 押し込む手はずになっていたと いうその時も引き込みのお染が女純礼の 行き倒れになって入り込むつもりでいた ものかどうかそれは死んだ分岐地とお染の 腹の中にあったということ だ瀬戸川の原始は新宿の茶へ戻りお久と共 に以前と少しも変わらぬ暮らしを続け た夏も過ぎようとするとであったが長谷川 平蔵がただ1人原石の茶を訪れたことが あるよくここがお分かりにと驚く原始へ相 も彦中から聞いてなへへえ彦中も俺が元で 働いておるのだちちとも存じませること でさすがの平蔵も茶を運んで現れたおさを 見て愕然とし たお久が去った後平蔵が夢から覚めたよう に 原始そっくり だはいおしが産んだ作用 で まかまさか俺が子ではあるまいないえいえ 小心照明の先代の子でございますよ長川様 翌年の4月生になって2度と顔を見せるな と釘をさされたおまさが旅姿で清水門外の 役宅へ現れ た今の庭先へ回ってきたおまさに長谷川 平蔵がおまさ顔を見せぬ約束だ ぞ長谷川様ん2代目キビの友五郎は今日の や今や太郎として一月前に見まかりまして ござい ます死んだと はいもしよもしよ俺が切り落とした腕の傷 が元になってではないの かいえではどうし て流行り病にかかりまし てそういえばこの春先に京都では疫病が結 を極めたことを平蔵も聞き呼んで いるそうであったの かあっけなことでございまし た木の毒に のですがおまさに取りましてはこの1年 足らずの月日が10年にも100年にも 思え ます2代目いえ仏具や又太郎の女房として 暮らせたのですから 嬉しかったかそれほどに はい おまさ はいお前も男運のない女だ のおまさは崎へ両膝をついたままで寂しく 美称し た さてここへ戻って参っては行けませんで ございましたでしょうか さて なおまさはまた犬になりとござい ます俺を捨てて2代目友五郎のそばへ行っ たくせ ににやりと笑って見せる平蔵へおさが しどろもどろになりまあそ そんな冗談だ まあその代わりお前を裏切った相の彦中を 俺に免じて許してくれる か許すも許さぬもとんでもないことで ござい ますあれから私はひこおじさんに手を 合わせておりまし たでは好きにいたせ俺も 心強い嬉しいござい ます1度勝鹿へ瀬戸川の原始を訪ねてやれ おおそうだあのおさという娘はこの春新宿 のふりへ嫁入ったそう なさ様でございましたか原始だけは仙台の 名を恥ずかしめなかったようだ な午後の陽光を浴びて役宅の庭の新緑が むせかえるような匂いを放って いる今の軒下に巣を作っているつばが1話 矢のように重さの頭上をかめて青空へ 舞い上がった [音楽] [音楽] T [音楽]
★期間限定配信 2024年5月31日～2025年5月30日★
池波正太郎作「鬼平犯科帳」より「狐火」
朗読＊荒木重治
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