【朗読】「剣豪小説 短編」政敵を、闇討ちするために利用された男。秘剣が使者を捕らえ、刃は家老へと向かう！【時代小説・歴史小説／藤沢周平】

【朗読】「剣豪小説 短編」政敵を、闇討ちするために利用された男。秘剣が使者を捕らえ、刃は家老へと向かう！【時代小説・歴史小説／藤沢周平】

[音楽] 今回は藤沢周平の見合小説の短編を朗読し ます 過労屋敷の奥野まで男が2人話してい た1人は屋敷のあま神西門で真崎は3人 いる過労の中で定石を閉めている もう1人は客で晩頭の遠藤くじだっ た過労が自分の家で話すのに遠慮もいら ないようなものだが遠藤との話し声が 小さいのは2人が人の耳をはかる密談に ふけっているせいだっ た遠藤が来てから一時2時間近く経って いるが2人の間には空になった茶碗が置か れているだけだっ たそれで上村はいつ 来る4月の始め桜の花が終わった頃で ございましょう殿のご帰国に先んじてと いうことでございまし た うーん弱った の真崎は腕組みをして額のシを深くし た遠藤は木々と口をつんだまま過労の顔を 見守って いる真崎は顔を上げてひょいと遠藤の目を 覗き込ん だしばらくニめっこするように目を合わせ てからパタリと膝を打っ たやむをえんの上村の大就任を阻む手は ない わありませんか ない蚊がバカなことをやりよったから こっちには打つ手がない山内の手のうは 見えているが眺めておるしかない わ当分押されます な当分どころではない奴は我が歯を 根こそぎ知りとけるつもりでかかってきた ぞ上村八郎の青め人がその手始め じゃ馬崎は遠藤から目を離して廊下の生子 の方に目をやっ た山内というのは去年の秋に組頭から中老 に進んだ山内たす金具のことで ある12年前真崎は当時史跡がろだった 山内の父を激しく批判しついに失政の座 から追い落とした その後の12年は真崎と真崎にくみすもの の天下だった思う通りに反省を動かし空町 の馬崎の屋敷は土産物を携えて訪れる家中 上下の負傷領内の能で賑わったまは映画を 極めた思いをし たしかし山内のせれたす金はその間に じっくりと派閥を養い2年ほど前から ついに2人の過労平塚五田遊大子機内を 抱き込んで巻き返しに転じてきたので あるたすは自HEADの取りまとめでは父 の山内一郎左門を上回る主家だと噂されて

い たたは胡の頃は無論父の塔を襲って組頭に 就任してからもあかも反省などには興味が ないもののように振る舞っ た染川町の料理茶屋にも圧し顔を出し一は 優当寺という評判を取ったことも あるだが真崎はそういう評判を聞いても 決して油断しなかっ たハデは過労3人中老2人をおいて反省を 執行させるこの5名の姿勢に重要な議事が あればさらに補佐する組頭若干名を加えて 協議させ形は合議の形式を踏むが中身は そうではなかっ た古くから家中には当選並び立たずという 言い方があった空町にある家と泉町に広大 な屋敷を持つ山内をさすことは言うまでも ないその言い方は反早々の初めから今日 まで両家のどちらかが反省の主導権を握っ てきたことを指していたがより正確には 両家がわして共に反省に参画したという ことが絶えてなく時には一方が栄えている 時期に一方は平門父といった処分のもに侵 したという家高層の長い歴史を指してい た他にも過労中はいてそれぞれに家柄六高 ともに崎山内に見劣りしない家から出て いるにもかわらずその中からかつて両家の 間に割って入って反省を左右するほどの料 を示した人物は出なかっ た彼らはのどちらかにつくのが常だった そうしたことも両家の時には激しい時には 密かな対立を犯内に温存したままにしてき た原因の1つだと 言えるいつかは出てくるぞとまは山内の せれを見てきたのである油断はしてい なかったつもりだが昨年派はの兵が不正を 取り調べに行った先で党の調べられる側の 人間と茶屋に上がって有するという不祥を 起こし たハデは城下からじの海岸にある鳥の港町 に人屋を置い た人屋は昔からの敷たりで中老の1人の 支配に置かれていたが担当の中が陣に行く のは年に 務は常駐の大に委ねられているのが実情 だっ た不正は大館のはっと相米が地元の負傷数 からワイルを受けて反古に繰り入れられる べき能金の額をみに加減したというもの だっ たハデはこの不正を重く見て青めの蚊と 感情型の人間1名を取に派遣したのである しかし蚊は数日とみに滞在して気場した ものの取り調べたところ不正の事実は 見当たらなかったという報告を提出し たなんぞ知らん実情は取り調べにあたった

党の蚊と感情型のものがはっとと負傷たち の教王を受け女を抱かされて真相を覆った 報告を出したのであった この事実は秋になって判明し加賀と大館の はりは食を止められて謹慎の処分を受けた 続いて担当の中老が隕石辞職しその空席に 山内たが滑り込んできたので ある山内を中老にという平塚大両過労の 妖精を魔は知りとけることができなかった 真崎は財布の反に伺いを立て自分で手続き して山内を中老に据えるしかなかったので ある蚊の不正を後期に山内多が姿勢の座に 乗り込んできたのだということは主席がろ としてそういう一連の人事を進める間に 十分に気づいていたことで あるそれははっきり山内の側に着いたと 分かる平塚大勢の態度からも分かったが 空席のままだった大の職に上村八郎をと 山内が提案してきた時にいよいよはっきり したようだっ た上村はふ以来上布勤めの反で国元とは 関わり合いの薄い人間であるしかし江戸 判定では若年ながら役として働き優れた再 は国元にも聞こえてい た上村の上司は江戸ヶの末孫兵衛である その末が昔山内一郎門に目をかけられて 江戸ヶに転じた人物だったことを崎は 久しく忘れていた山内が客した時末は遠に いたために生き残ったがその後国元に呼び かされて失政に加わるという機会もなかっ た被な過労だったので崎は末をどことなく 島長にでもした人物のように意識の外に 放置してき たしかも今上村という人物が目の前に現れ てくると川町あたりに没しながら山内のれ は一方でなく江戸の末とも連絡を取ってい たことが読めてくるようだっ た当千並び 立塚上村八郎は32だという頭が切れる だけでなく無外の奥義を極めた剣の達者だ ということはたった今遠藤から聞いたこと で ある上村ののめ人を持ち出してきた山内た は35である2人とも 若い真崎は自分がはっきり守勢に回った ことを感じないでいられなかっ た10年あまりも反省を異のままに動かし てくるとその間に赤が溜まるようだっ た加賀権兵衛の一見はたまたまその一部が 露呈したに過ぎず 崎自身にも似たような失策がなかったとは 言えない権力の座にいるものの意識しない おりがもたらした失策だっ たワロも取ったし明軍の海地で竿を 打ち直した時には自主側に有利に計っ

た山内はいずれ崎のそういう古い作にも 調べを入れてくるかもしれなか 国元に引っかかりを持たない上村をめけに 押してきたのも思い切ったシワをふわせる のが狙いだと考えられなくも ない蚊の失策は真崎の泣き所だっ た上村に対抗して自他の誰かを押すという わけにはいかない山内は正確にその弱みを ついてきていた 中老に就任してまだ半年しか経っていない 男のやや冷たい感じがする横顔をほの ぐらい生子のありに思い描いた後でまは目 を遠藤に戻し たそれが癖でまたパタリと両手で膝を打っ たま連中の出方を見るしかあるましかし上 がになったらまず我らも無傷では住むまい そなたも覚悟しておく方がいい ぞ存外に弱なことを申さ れる遠藤くじは苦笑したそしてその笑いを 引っ込めるとしばらく考え込む表情になっ たがやがて声を潜めるだけでは足りないと いう風に茶碗を押しのけると膝前にに進ん だ遠藤は囁い たしかし上村の青め就任は我が派の命取り になります ぞだから苦慮して おる防ぐ手がないわけではあります まい密かに片付けてはいかがです か 片付けるこれ です遠藤は片手で物を切る仕をした遠藤は そろそろ四十に手が届く年配だが若い頃に 上下の不流を至難する堀川道場に学び伊坂 懸命を知られた時期が ある遠藤の顔には久しぶりにそういう昔を 思い出したというような殺伐な表情が現れ ていたがその提案は真崎には気に入ら なかった苦い顔をし たバカを申せそんなことをやれば山内の 思う壺にはまるぞ我からボケを掘るような もの だいや我が歯の人間にやらせるわけでは ありませんと言って山内の側のものを使う こともできませんがと遠藤は言って笑いし たうかい肖像という男をご存知ですかいや ご存知ないでしょう な知らんな昔おり業にうか原論という男が いたがその家のものか のよくご存知で肖像はその馬界の血縁に あたりますただいまは7刻で組に務めて がに聞こえた者でござり ます思い出したとまは言ったうかい原論も 屈な男であった四十上役といなかなか役に つけなかったがおり業になると今度はりに といさ2年ほど勤めて隠居したはず

じゃ変necessはか一族の病でござり ますか な遠藤は傷したそして自分の高笑いに びっくりした風にまた声を潜め たうかい肖像はそれがしには道場の後輩に 当たりますこの男ににうまく持ちかければ あるいは江戸物を片付けてくれるかもしれ ませ ん軽々というが上村は無外流の使い出だと 申したではない か確かにそのように聞いておりますしかし 肖像も変necessものゆえ誰も相手に しませぬが知る人ぞ知る不電流の名主で ござります その上先日師匠の堀川に会った時に笑って おりましたが肖像は5年かかってついに 引きの下という危険を習得したよしに ござり ますなんじゃ引きのしというの はさてそれがしにも中身は文明でござり ませんが堀川の話ではいつからか流派の奥 の中に数えられてきた剣だが堀川自身も 伝授を受けたことがなく試してみたところ うまく使えなんだということでござりまし た座ったまま人を切るそう です [音楽] うん真崎は妙な顔をし た変物には似合いの件じゃ な堀川もそう申しており そういう男なら上村にぶつけてみるのも 面白いかもしれん の真崎はしばし沈黙して考え込んだが やがて腕組を解くと決心したようにパタリ と膝を打っ たよし任せるただし我らが仕掛けたことだ と先方に悟られてはならんぞそれができる ならやってみてもよろしいがくれぐれも 隠密に なうまくいくかどうかは保証いたしかね ますやってみろと言われて遠藤はかって 慎重になったようだった行く分控えめな 口調で行っ たしかし何もやらんでミスミ山内のナスが ままになるよりは ましでござりましょう かうい肖像の家に行くと肖像はまだ戻って おらず西上が出てきて今日は稽古尾で遅く なりますと言っ た遠藤くじはそれですぐに肖像の家を出て 初音町裏にある堀川道場に向かっ たかして5年ぐらいかいくらか見栄えが するようになったか な遠藤は久しぶりに顔を合わせた肖像の妻 の顔を頭に描きながらそう思っ

た最上はおけを務めている樋口平の娘で 遠藤はやはり道場の童門という関わり合い から樋口とは意にして いる元というの肖像の除のことも156の 頃から知ってい た元は一口に行ってしこめだった下ぶくれ の顔で鼻は指先でつまめるほどに低く口が 熱い肌の色が白ければそれはそれで愛嬌に もなる顔だろうが元は浅黒い顔をして いる口にには娘が2人い た姉の友は周りでも評判の美人で妹の元と 比べるとこれが同じ腹から出た姉妹かと 思うほどの娘だったが内実は友は母親に似 妹の方は夫婦にも父親に似たというに過ぎ なかっ たうかい肖像のぶりがくに知られたのは元 の縁組がまとまった時だったかもしれ ないその頃のある日肖像は樋口家を訪ねた 人を返して樋口家との縁組が進んでいて 樋口が気を聞かせて肖像を屋敷に呼んだの で あれ樋口は酒を出して肖像をもてなし た夫妻はパっとしないが堀川道場の春斎と 呼ばれている若者を樋口は気に入ってい た樋口自身が先代の堀川八門に剣を学んだ という親しみもあっ た頃合いを見て樋口は2人の娘を主席に 呼んでいっ た娘は2人いるがどっちでも気に入った方 やる ぞ無女だった娘2人もその冗談を聞いて クスクスと笑ったが樋口も娘たちも当然 肖像が姉の友をもらうつもりで来ていると 思っていたので あるところが肖像は娘たちが下がった後で それでは元のちだつまりますと言った口の 方がし たこっちに座った未良い方が姉の友の こっちにいたのが元でわしそっくりの顔を した娘だ ぞそれでいいのかと樋口はいくらか慌て 気味に念したが肖像は無論そのつもりでお 願いしておりますと言っ た肖像の家と口の縁というのはまだ2人の 娘のうちどちらかをといった程度のもので しかなかったので肖像のその言葉で縁組は そのまま進み元が馬の人になったので ある人が右といえば左といううかい肖像の 性癖に人々が思い当たるようになったのは その頃からだっだろうと遠藤は思っている 姉の友はその後すぐに120国の瀬川と いう家に片付き子供も生まれて幸せに 暮らしているところを見れば肖像が格別に 要望は悪いが心ばえを見込んで元を取った ということでもなさそうだっ

た要するにその時肖像は樋口の上口の中に シコの妹の方を取るわけはないという 口ぶりがあるのに反発して妹に決めて しまっただけのことだったろうと今なら 遠藤にも納得できるので ある肖像のそういう性癖は白都の間にも また道場でもだんだんにはっきりしてきて 今ではどこに行っても変人扱いされていた めにいたのがオナ組についで不審組に出さ れ今は上中で最も暇な部署とされる旗組に いるのも務めの先々で肖像のその性癖が 上役にも同僚にも意味嫌われたせいで ある引きの下などという師匠もよく使わ ない剣を絵面を頼りにもにしたというのも いかにもうかい肖像らしいと遠藤は思って いるたがれてきた堀川道場の門を遠藤は くぐっ た小屋の方には向かわず直に道場に入る 入口に行くとちょうどそこから2人の若者 が出てきたのにあっ た2人は突然に現れた人間が番頭の遠藤だ と見て慌てて道を開け頭を下げ た遠藤は道場で稽古することはもう なくなったが道場の先輩閣で紅白試合の時 に祝い酒を自賛したりするので門人たちに は顔を知られて いる中にまだ人がいるのかと遠藤は聞い たうか殿がお1人と若者の1人が答え たそなたらもよくせが出るのと遠藤はせじ いた言葉を投げて道場に入っ た道場の入り口に立つと床の真ん中ありで 木刀を振っているうかい肖像の姿が見え た遠藤の方にちらと目を流したようである だが肖像はそれで手を休めるということも なく黙々と木刀を振って いる見ていると肖像がある打ち込みを想定 し体を開いて受け流した後瞬時に反撃に 転じる肩を反復しているのが分かった反撃 する時下段から木刀を回して差ながら縁を 描くようにして肩を打つのは生卵という剣 で ある肖像の無性の動きにはすごみがあった 薄暗い道場の中で肖像は音もなく体を転じ 目にも止まらぬ早業で見えない敵を切る 所作を続けて いるうま かい遠藤が声をかけると肖像はようやく 木刀の手を休めて遠藤の方をじっと見 たこっちへ来い話が ある促されて肖像はようやく遠藤のそばに 来 た強い汗の匂いが遠藤の顔にかぶさってき た肖像は顔面に汗をしらせていた汗は おそらく全身に吹き出しているに違い なかっ

たさがら真剣で敵と切り合いた後のように 肖像は息をついて いる頬がこけた貧相な顔し体も痩せて 見えるが肖像は鋭い目をしそばでよく見る と熱く引き締まった胸を持ってい た失礼しまし たふっと目の光を消して肖像が言っ たお久しぶり です体を洗ってこい話はみ見ながらに しようと遠藤は言っ たこういうわけで我が母は今窮地に立たさ れて いる遠藤は言いながら酒を継ごうとしたが 肖像は手を振って断っ たあまり酒を飲まなかっ た遠藤たちが注目していた上村郎が国元に 来てに就任してから2月近く立って いるその間に上村が早くも鳥の人屋と明軍 の増川村ほ参加村つまり5年前の新座を 打ち直しの時に勝が暴発しかけた村村に火 を派遣したことをま派では掴んで いる派が受け身に立っているそういうを 遠藤はありのままに肖像に話していた肖像 は分迷惑そうな顔をして聞いていたが遠藤 が一通り話し終わると顔を上げてぽつりと 言っ たそれがしはどちらの歯にも組しており ませ んそれは無論わかっおる何機構に向かって こっちに組して上村を同行しろなどという つもりはもとないただ今日は童門のよみで ちょっと愚痴を聞いてもらおうかとなふっ と思いついて道場に立ち寄ってみただけの 話 よただ我々が下せの輪だ山内が代々上布で いわばよそ者の上村をめけという住職に 招いたことだな上村は祖父が江戸判定に 雇われたのが初めで半とは言いながら国元 とは血のつながりが何もないそういうやは 冷酷なことをやるぞいずれ犯に人騒動を 起きることは目に見えているが今度はこれ までのようには行く ま死んだ親父どどに聞いているかどうか 知らんが真崎殿が山内の親父を過労の座 から追い落としたのは本当のことだ山内派 に落ち度があったからだがその処分といえ ば食を止め1年の謹慎だけだった無論組頭 の家柄はそのままだ だから真崎殿がその後を襲って主席がろに なったと言っても半という立場から見れば いわば前場といったものでな血の雨もフら んし誰が腹切ったわけでもないだがよそ者 の上村にはこの程よい加減が分かるとは 思えん今にひどいことが 起こる

いや政治向きの話はこれぐらいにするか 退屈し たろう遠藤は笑って肖像の逆月に酒を 継ごうとしたが気がついて手弱女逆月を 満たし たところで上村八郎が無外流の達人だと いう話を知っておるか の いえ肖像は俯いていた顔をあげたむっつり した顔に初めて興味あることを聞いたと いう表情が動い たいやそのことは以前から耳にしていたの だがわしは話半分に聞いておった世の中に はよく自称の達人というのがおるからの ところがこれがま らしい つい10日ほど前のことだが上村は美町に 行って稽古というか試合というかあそこの 連中と手合わせをしたというの だ三町というのは五見川の岸にある一等流 の神部道場のことで ある不流の堀川道場と浄化を二分する 大きな道場だっ たその始末を聞きたい か遠藤はただの剣山好きという顔になって 酔いに赤くなった顔を笑わせながら肖像を 覗き込ん だ滝先発郎は負けた3本勝負で2本 立て続けに取られて市内を投げたそう だ富士野勝也は初め1本入れたがあと2本 を取られてやはり負けた おれはしたがじて分けたのが1人いる誰だ と思う な井谷中それとも今泉治郎です か今泉だ井はその日道場を休んだという ことだっ た肖像は黙って頷いた酒を飲まなかったの にかかに目がうるんでいるのはの中に同が あるからで あるうかい肖像が上村の剣に強い興味を そられているのは確かなようだっ たその心の揺れに手を添えて人しするよう に遠藤は言っ た秋の三義町との高齢試合で馬飼は確か 今泉と分けたと申しておった なはあ 上村という男はすると気候とほぼ互角の剣 を使うということ 可能頭が切れて腕が立つ恐るべき男が我々 の敵に回ったことに なるわしの恥を話して聞かせよう か遠藤は酒好きを飲み干すとつるりと額を 撫で たを申すとな上村がこちらに来て半月 ぐらいも経った頃かな数日分に上村の様子

を探ったことが あるちょっと待てと言って遠藤は立って いくと襖を分けて廊下を覗い た2人がいるのは染川町の料理者や小鼻の 離れ座敷で あるや藤たがい部屋でさっき女に人払いを 命じたから誰も来るはずはないのだが遠藤 はこれからする話にもたをつけたのであっ た上村は大官町に屋敷をもらってそこでシ しておるが毎晩泉町の山内の家に 行く戻ってきて座り直しと遠藤は声を潜め てそう言った 毎晩だぞ連中の意気込みがそれで分かった わしはこれはいかんと思ったな真崎どのは まあやりたいようにやらせておけと応用に 構えておられるがそんなことでは住まいと 思ったのはその時よわしはよし好きやらば 切ってくれようかという気になっ たところがそのつもりで付け回してみると どうして上村という男は好きのない人間で なわしは何もしないで諦めてしまったと いう次第だそれも通り今度の美義町の試合 の模様を聞くとわしに切れるような相手で はなかったらしい わ 番頭肖像が顔を上げた目の光が座っている つまり それがしにやれというお話ですかおいおい 遠藤は老廃したように手を振った勘違いし ては困るぞうかい愚痴だと初めから断って おるきこが政治向きのことには疎い人間だ と分かっているから気楽に話したことでな 変に気を回したりするのは やめろあの男を切ろうかと思ったというの はあくまで内緒話よ切れば切ったでまた 騒動が起きる誰も機構に上村を切れなどと 頼んだりはせんつまらんことを考えずに いっぱいやれさっきから少しも飲んでおら んではない かしかしうかい肖像はやはり飲まずに間も なく先に帰った 女を呼んで飲み直す か遠藤は渡り廊下を遠ざかって小屋の方に 消える肖像を見送ってから暗い庭に目を 投げてそう思っ た手を開くとじっとりと焦んでい た遠藤は酔ってはいなかっ たうかい肖像の耳に吹き込んだ色々話が 果たして上村八郎の暗殺につがるかどうか は分からなかった肖像がその気になら なければそれまでの話で あるだが肖像は変質もであるどんなにこと 分けて話して聞かせたところでだからやれ などと言えば速歩を向く男であるだが今夜 はこ分けて話した上でやってはならんと

言ったの だうまくいけば引っかかってくるかもしれ なかっ た最もそれは肖像が俺がした話にどれだけ 興味を持ち中でも上村八郎という人物に どういう印象を抱いたかにかかっていると 遠藤は思っ た女を呼ぼうかと思った気持ちをひとまず 置いて遠藤は明りのそばに戻っ たそして皿に残っていた鯛の刺身を指で つまむと醤油をつけて口の中に放り込ん だ1人の男を罠にかけた後足はよくなかっ た遠藤は肖像の最上の顔を思い出して いる仕込めだとばかり思っていたが顔の 造作はともかく元は肌にしっとりと油が 乗り人妻らしく生いて見え た子供がないと聞いていたが肖像との中は うまくいっているの だろうもし肖像が話に乗って上村を切る ようなことになれば1人の平凡な女に不の 嘆きを見せることになるかもしれないなと 遠藤は思っ たしかしうかい肖像ほど者に敵した人間は いないとも思うの だ剣だけのことを言えばフスの堀川道場に 肖像より義量は上とされている人間がまだ 2人 いる正木俊之助と飯塚ジゴ郎である遠藤は この2人ともを好意にして いるだが正にしろ飯塚にしろいわゆる世間 並の分別を備えた大人だった仮に2人を 暗殺に同意させようとすれば伏せてその 分別を捨てさせる難しさがある だろうその点うかい肖像は常に世間的な 分別に逆らい平気で踏みにってきた男で あるそれに切れと命じたわけでは ない遠藤は今度のを肖像に持ちかける気に なったその時からずっと心の底に隠してき た活と呼ばれても仕方ないこの考えをふっ と思い浮かべすぐにもみ消し た上村を切るとすれば肖像は誰に命ぜられ たのでもない自分の意で切るので ある仮にことが現れて問を受けるような ことになも肖像はそう述べるしか なかろう崎も遠藤も暗殺を進めたわけでは ないのだ仮に山内が乗り出しても救命は そこで行き詰まる だろううかい肖像ほど暗殺者に適した男が またとあろう かやましい気持ちがないわけではなかった だがまもそして遠藤も追い詰められてい たそのやしさに耐えるように遠藤はもう 一度刺身を口に放り込み冷えた酒を乱暴に 喉に流し込ん だうかい肖像は中老屋敷の門内に消えた

上村を見送るとそのまま道の反対側にある 地文の下に入ってうまっ た寺は連戦寺という相当集の寺院で半から 刻の刻印上を受けている古い寺で あるモンピのうは静まり返って軒下の闇に うまった肖像をとめるものはいなかっ た今夜で未晩肖像は上村郎をつけ回してい ただがるとを決めたわけでは ない気持ちがまだそこまでは踏み込んでい なかっ た遠藤から話を聞いて遠道が組している真 派が新しい青めの出現に傷している事情は 分かったが肖像は俺には関わりがないこと だと思ってい た悪いことそうしているから慌てている わけだろうと思うだけで ある遠藤くじにも味方して人を切るほどの 義理があるわけでは ない上中で役を持つと例外なく道場から足 が遠のくものだが遠藤はその中で珍しく 時々顔を見せ先輩顔でこまめに世話を焼い ていく2年ほど前道場を立てしたにも遠藤 は古い門人の間に包を回して寄付を募って くれたそんなことで顔を見知っていると いうにすぎ ないだが遠藤が料理茶屋の小鼻でした話の 中にはいくつか肖像の気持ちをそるものが あっ た例えば上村が神部道場を訪ねて今泉と 引き分けたということであるかなり剣に 自信がある男らしいなと肖像は 思う上村の無外流の剣に興味をそら れるまた遠藤が仕切りに口にしたよそ者と いう言葉にも肖像は気持ちが引っかかっ た遠藤の話を聞いてから肖像は途上して くる上村を注意深く待ち受けためは毎日 途上するということもなく上の時刻も一定 ではないだがそのつもりで見張っていたの で1度だけ場内で間近に上村を見ることが できた1度見ただけで十分だっ たなるほどよそ者だ のうかい肖像が抱いた感想はそういうもの だった上村郎は殺そとしてい た白石のそれだけでも目立つ男だったが 上村にはもっとはっきり家中のものとは 異質の水際だった印象があっ た服装にも異言があるがやや取りした感じ の顔にも殺そとした歩きぶりにも隙という ものがなかっ たこれが江戸風というものかと肖像は納得 し た家中にも夫妻の立派な男はいるが上村と 並べたらやはり見劣りするに違いなかっ たしかしそれで上村に行為を持ったわけで はないその男が肖像の気持ちの中に残した

のはむしろ淡い反感だっ たこれで剣が強いときては叶わんわけ だ肖像は取り調べられてはまずいことが あるらしく慌てている真崎かや番頭に道場 し た上村に対する反感は起用した中老の山内 に対する反感も呼び起こすようだっ た肖像には興味がないことだが遠藤の話を 聞いた限りでは山内は崎につがる一派を 反省から締め出して自で反の実験を握り たいと考えているらしかっ た兵を一掃して精神な反省をしこうという 意気込みだろうがそれも一時の話よと肖像 は 思う年つき減ればその山内も汚れてくる 同じことの繰り返しでどっちに転おうと それで我が家の淵が1票でも増えるわけで は ない政治に対するそのありが肖像に上村を つけ回しことを思いつかせたようだっ た勘道場はまずいことをしたものだと肖像 は思ってい た今泉治郎は上村八郎を打ちのめして国元 にも人がいることを示すべきだったのだ そうすればあの立派すぎて鼻持ちならない 男が上中人も投げに肩で風切って歩くこと もなかったろう に今泉ができなかったのなら俺がやっても いいと肖像は思っているだが切ることは なかろう切れば遠藤の思う壺に はまる遠藤は上村を切らせたくてうずうず していたが言えば俺が歩を向くから言い かねたの だうかい肖像は呪文の軒下にうまったまま 声を出さずに笑ったそして立ち上がると手 を上げて伸びおしついでに疲れた足を屈伸 し た1度奴が肝を潰すようなことを仕掛けて やろうそれとも上村の剣は俺が歯も立た ないようなものなのか 肖像の関心は最後にはそこに 落ち着く上村の無外流の剣を見たかっ たこちらが歯も立たないような見学なら木 な男だがのさばらしておくしかない遠藤も 真崎太郎も気の毒だが諦めるしかないと いうもの だ山内の屋敷に明りの色が動い た肖像は軒下にいる体を縮めて明りの動き を追っ た明りの色は小陰にでも入ったらしく一旦 薄れたが今度は門のくぐり戸が開いてちち を下げた男が道に出てきた上村だっ た上村は外に出ると後ろも見ずに足早に 歩き出した よほど腕に自信があるらしく上村はいつも

1人だっ たその黒い背を見送り中老屋敷のくぐり戸 がきる音を立ててしまったのを見極めて からうかい肖像も道に出 た肖像は実験ほど先を行く上村の後木々と つけていったもう4つ午後10時を回った はずで町は人通りもなく暗かったただ 星明かりで足元はわずかに 白い遠くに小さく明りの色が見えてきた 大観町の手前にある3の狂入り口の木戸の 明かりらしかっ た肖像は少しずつ前を行く上村との感覚を 詰めていっ た突然上村が立ち止まった振り向くとちを 掲げ足を止めた肖像の顔を確かめるように 見 た真崎の資格 かと上村が言った穏やかな声だったが目は 鋭く肖像を注視して いるいや 違うと肖像は言った上村は低い声を漏らし た違うとしかしきこわしの跡をつつけるの は確か今夜で未満になるだろう がそうだが資格では ないおかしなことを言う男 だ上村は目の前にいるのが上中に聞こえた 変もだということを知らなかっ た不意にあける笑い声を立て た見えしいた言い逃れはやめろ資格でも ないものが深夜になんでわしの跡を つつけるか見ればレキとした家中のようだ まさか物取りというわけではある まいわしは真崎の資格など恐れてはおらん いつでも受けて立つ ぞ然としただっ た肖像は胸の中にいつもの馴染み深いもの が動くのを感じ た動くものは肖像の胸の中をゆっくり移っ ていって普段の割り場所とは違うしかし 元来はそこにあるのが本当ではないかと 思われる居心地のいい場所にしっくりと 収まっ た履き物を脱ぎ捨てては言ったこういう時 肖像の声は滑らかに口を 出るではお言葉通り資格ということにして いただこう か ふん上村は肖像の足りにじっと目を止めた それから不に驚愕した表情で肖像の顔を 見直したが すぐに自分も履き物を脱ぎ明りを消して ちちを捨て たほとんど同時に2人は刀を抜い たしばらく動かなかったがやがて星明かり におぼろに浮かぶ相手を確かめるように

2人は少しずつにじり寄っていっ た雑片方を探しても見つからず置いてきた が家に帰り着くまで人には合わなかっ た上村の剣はさすがに鋭くあちこちに手傷 を追ったが元に手当てさせて医者は呼ばず に済ませ た城にも休まずに行っ た旗は爪書にじっと座っていれば よい昼過ぎになって熱が出たがには風だと 偽った熱は一夜で下がっ たひょっとしたら現れずに住むかもしれ ないとうかい肖像は思ったので あるだが期待をかけた青めを暗殺された 山内派の調べは必要で厳しかっ た十郎の山内は自の物頭三宅貫十郎をめけ に押し強引に真崎以下の過労たちの承諾を 取り付けるとめけ町武行の両役職を動かし て上村八郎暗殺の一見を洗い始め た上村は無外流の剣士でもあった山内は その上村を暗殺するほどの腕を持つ家中の 使命を残らず書き出したらしく肖像も一度 め屋敷に呼ばれて調べを受け たその時の調べで山内が城下の一社薬手屋 に残らず手を回しまた残っていた造り片足 を持たせて履き物屋を回らせていることが 分かったが肖像はそういう調べが自分に 及んでくることはあるまいと思ってい た吐物は普段は下駄履きである雑は2年 ほど前に元が外から買ってきたものだが庭 の草花を手入れする時などに使い古くなっ てい ただが調べは意外な方角から来た2月ほど 経った頃像はもう一度青めの屋敷に呼ばれ た呼びいれられた部屋に年若い小坊主がい たよく見ろこの男かと青めの三宅は小坊主 に行っ た肖像は小坊主の顔を見返したそしてある ことを思い出して少し顔色が変わっ た上村を切った夜ではなくその前の夜肖像 はやはり連戦寺の地文の下にうまって上村 が中老屋敷から出てくるのを待ってい たその時突然に路上を明りが近づいてくる のに気づいて肖像は地文の一番深いところ くぐり戸のそばにへばりつくように体を 寄せ た寺の門は通りから2件ほど奥に引っ込ん でいて浅い石段で道より高くなって いる道を通りすぎる人間をそこで やり過ごそうとしたのだが明りは急に 曲がって呪文に入ってき たちの明りに照らされて肖像は避ける間も なく明りを持った人間と顔を合わせたそれ が今青めのそばにいる小坊主だったの だその時肖像はさりげなく門を離れて道に 出たのだが小坊主は肖像の顔をを覚えてい

たらしかっ た顔色が変わった肖像を見ながら小坊主は 少し怯えた表情でこの人に間違いありませ んと言っ た三宅は小坊主を部屋の外に出し代わりに ハカのものを2人部屋に呼びいれ た屈強な体つきの背か2人は逃亡を防ぐ ように肖像の後ろに回って座った 万事急したと肖像は思っ た貴様にやられる前の晩にだ上村殿は屋敷 に戻ると家の方に今夜も四角につきまとわ れたと話したそう だしかしなんだなわしは上村殿の傷を改め たのだが馬界の不電流は大したものだ の 三宅は関心したように言ったがすぐに顔色 を改め たさて少し問いたださねばならんぞその 資格というやつだが誰に頼まれ た三宅貫十郎の尋問は順列を極めたが肖像 は自分の一存でやったと答えるしかなかっ た事実誰に頼まれたわけででもなかったの だ三宅は厳しく問い詰めてきたがしいて 肖像と魔派を結びつけるようなことはし なかっ た肖像は一旦家に戻され即日追って沙が あるまで平門という処分を受け た屋敷の周りには半の手で洗いが巡らされ た食い物を求めるために妻のだけが見張り に断って外に出ることを許されたが外との 繋がりはそれだけで夏が終わろうとする 日々を夫婦は鶏のように竹あいに隠された 家の中で暮らし たある日元が声を潜めていっ た私から申し上げるのは差し控えてまり ました が様のお助けはにはなりませのです かそれは当てにでき んなぜでござい ます元は膝頭がくっつくほど夫に詰め寄っ た上村というお人のことは崎様と山内様の お争いから起きたことだとこの辺りでは もっぱらの噂でした私はお前様が様にした ものとばかり思っていましたが違います か世間ではそう申すが実情は違うわし1人 でやったこと よなぜそのよう なと言ったが元はそこで絶句した考えて みれば夫はこれまでずっと理屈に合わない ことばかりやってきたのである 金重組オなんどと場内の勤めが続いていた のに周りと合わずついに外勤の多い不審組 に回された時上役が哀れんで肖像を役に つけようとし た小頭になれば手当てが

つくだが肖像は家に戻ってその話をし 哀れみは受けぬと断ったと特々と話したの を覚えている 平庭高原が見事だと近所のものが褒めたと 言ったら肖像は夜の間に残らず花を むしり取って捨て たそもそもが美しい姉をめとらずに自分の ように厨房の女を選んだ夫であるその夫が 今度だけは理屈に叶ったことをやったと 考えた自分の方が おかしい元はそう思いながら髭が伸びて 物乞いのようにやれている夫の顔をじっと 見つめ た追って沙汰するといった城中からのさが もたらされたのは秋も半ばに差しかかった 9月中旬の夜だっ た死者は勝ちの田原門と組の奥富の2人 だっ た田原は一刀流を納めて若い頃名を知られ た人物で奥富は城下で巨水流を至難する 小さな道場で市販台を務めて いるまだ22の若者ながら精妙な剣を使う 剣士として知られているこの2人を死者に 向けてきたところにうかい肖像に対する 城側の用意が現れていた 田原は四十を過ぎている温厚な半である髪 を束ね口をすぎ衣服を改めて2人の前に出 た肖像に田原はさが遅れたのは肖像の一見 と犯罪の派閥争いの間に関わりがないか どうかを救命するのに手まったためだが その事実はない胸判明したと言った淡々と 調だっ た田原が話している間奥富は無言のまま 肖像を凝視してい た刀は左脇に置かれているいつでも抜ける 支度をしておると肖像は思っ た田原はやがて形を改めると懐からさしを 取り出して肖像に示し たよりがだった受けたまわ れ田原は世間話をするようだったさっきの 口調とは小も変わって厳しくそう言うと さしを開いて読み上げ た門を解き説服を命じるという申し訳だっ たあいわかったな解釈は奥富が務める潔 よく受けたまわれ いやと肖像は言った肖像は頭を上げると尻 をわずかに動かして足の指を内側に曲げ た手をつえたままだったので肖像の姿は引 がはいつくばっているように 見えるその前に今一度お取り調べを願い たい上村殿を切った一見 はに関わりがござるそれがしを今一度青め の前に引き出していただきたい申し上げる ことが ある何を申すか田原は鋭い目を肖像に注い

だそのことは先ほど申し聞かせた通り 関わりなしと判明しておる先に行われた 青めの調べに貴様も同様に答弁しておるで はない か見苦しい真似をいたすでないぞうかいお 神の誤沙汰じゃ神妙に受けたまわれいや このままは受けたまわら ぬ受けたまれ うかい田原は知たすると同時に片を後ろに 跳ねただが肖像に切りかかったのは奥富初 城の方が早かっ たは上位と一言告げると片膝を立てて 抜き打ちに肖像に切りかかっ た座ったまま肖像はよじるように状態を 傾けて奥富の早い剣をかわしたそして かわされて前に傾いた奥富の胸を目にも 止まらぬ小頭の動きで刺していた引は死ん で動かない虫は食さないという 肖像も奥富初城が動きを起こすのを待って いたので ある肖像の剣はさがらどじな引が一戦の下 先で飛ぶ虫を捉えたのに似てい た奥富の体が音立てて前にのめった次の 瞬間肖像と田原は弾かれたように立って剣 を構えていた 元は台所に座ったまま座敷の方から夫と城 から来た死者が交渉に争う声を聞いた受け たまわれ受けたわらぬと言ったようである 続いて何事か激しい物音が続きその間に 玄関から座敷まで人が駆け抜けていった 足音も耳にした そしてやがて静寂が訪れ たそのしさは元の心を凍らせ た元は震える足を励まして立ち上がると 台所を出て座敷に行っ たアドの光の中に血刀を下げた夫が立って い た死体が3つ部屋の中と廊下の板敷きに 転がってい た2人はさっき城から来た死者で1人は いつも門前にいる見張りの男だっ た立ち込めている血の匂いに元は体が震え たすると夫が振り向いて元に行っ たわしを罠にかけたやがおるこれ からしに 行く夢見るような表情を浮かべていた夫の 顔にそういった時これまでついぞ見たこと がなかった悲しげな色が浮かんだのを元は 見 た元は黙って頷い た頷くことぐらいしか夫にしてやることが ないのを感じてい た夫は部屋を出ようとしたが戻ってくると 元の肩にそっと手を置い たそなたを嫁にもらったのもわしの変屈の

せいだというものがいたがあれは違う ぞわしはそなたが気に入って目々になった の だ達者で過ごせと言うとうかは足早に部屋 を出ていっ た元は座敷の明りを消して台所に戻っ たほのくらい台所の板敷に座ると止めども なく涙が溢れてき た 今回の朗読はいかがでしたかそれではまた 次回お楽しみ [音楽] に [音楽] さ

💬人が右といえば左を向く偏屈者の馬飼庄蔵。
だが、剣はめっぽう出来る。
家中の争いのために、重臣たちはこの庄蔵を利用しようと企む―。

ラストで見せる、真実の告白が胸を打つ。

「二冊（剣豪シリーズ）合わせてたったの十七篇。
十七篇の短編に、人生で起き得る全ての心模様が描かれている。
全ての秘剣に真実があり運命があり、愛があり憎悪があり忠誠があり裏切りがある。」
こんな風に書かれたら、そりゃあ読んじゃうよね。
宮部みゆきは、藤沢周平の大ファンだった！

🔷今回は、藤沢周平 の『📍剣豪小説 短編（仮）』を朗読します！🔷

【主な登場人物】
飯塚甚五郎 －－－－－ 不伝流 堀川道場の剣士。
猪谷忠八 －－－－－－ 一刀流 神部道場の剣士。
今泉藤次郎 －－－－－ 一刀流 神部道場の剣士。
植村弥吉郎 －－－－－ 大目付。
馬飼源六 －－－－－－ 御槍奉行。
馬飼庄蔵 －－－－－－ 主人公。御旗組 不伝流名手。
遠藤久米次 －－－－－ 番頭。
大世古喜内 －－－－－ 家老。
奥富初之丞 －－－－－ 馬廻組。
加賀権平 －－－－－－ 大目付。
末次孫兵衛 －－－－－ 江戸家老。
滝井千八郎 －－－－－ 一刀流 神部道場の剣士。
田原勝右エ門 －－－－ 徒目付。
友野 －－－－－－－－ 素世の姉。
服部惣兵衛 －－－－－ 代官。
樋口茂兵衛 －－－－－ 御供目付。
平塚五太夫 －－－－－ 家老。
藤野勝弥 －－－－－－ 一刀流 神部道場の剣士。
堀川弥次右エ門 －－－ 不伝流 道場主。
正木駿之助 －－－－－ 不伝流 堀川道場の剣士。
間崎新左エ門 －－－－ 上席家老。
三宅勘十郎 －－－－－ 物頭。
素世 －－－－－－－－ 樋口茂兵衛の娘で馬飼庄蔵の妻。
山内市郎左エ門 －－－ 山内糺兼次の父。
山内糺兼次 －－－－－ 中老。

📌目次
00:00:00『オープニング』
00:00:29『しおり１』
00:16:07『しおり２』
00:30:21『しおり３』
00:44:36『しおり４』
00:58:11『しおり５』
01:11:48『エンディング』

👦🏻藤沢周平（ふじさわ しゅうへい, 1927年 – 1997年）
山形県生れ。山形師範学校（現在の山形大学）卒。
中学の教員、業界紙の記者を経て、作家デビュー。

1971年「溟い海」でオール讀物新人賞。
1973年「○○の年輪」で直木賞。
1986年「白き瓶」で吉川英治文学賞。
1989年 作家生活全体の功績に対して菊池寛賞。
1990年「市塵」で芸術選奨文部大臣賞。
1994年 朝日賞、東京都文化賞を受賞。
1995年 紫綬褒章を受章。
1997年 山形県県民栄誉賞を受賞、鶴岡市から「顕彰の記」が贈られた。
2010年「鶴岡市立藤沢周平記念館」が開館。

【関連ワード】
フィクション, ノンフィクション, 歴史小説, 時代小説, 推理小説, ミステリー, サスペンス, ドラマ, ファンタジー, サイエンスフィクション, SF, ロマンス, 恋愛, 自伝, 伝記, アドベンチャー, 冒険小説, ハードボイルド, エッセイ, 文芸作品, 絵本, ラジオドラマ

【関連動画】
【朗読】「剣豪小説 短編」秘剣術を知るがゆえに藩の策略に巻き込まれた男たちが、凄まじいまでの決闘に挑む！【時代小説・歴史小説／藤沢周平】
👉https://youtu.be/RAYQV3tIctM

【関連リスト】
🖊️藤沢周平
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🎵【朗読】藤沢周平 短編集【ポッドキャスト】
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