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Announcer 女子アナ美人

これを聞けば「源氏物語」がわかります。吉井勇訳、紫式部、「源氏物語」総集編:上【桐壺~野分】元放送局アナウンサーの朗読、2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」作業時間、睡眠導入、テスト対策にも。



これを聞けば「源氏物語」がわかります。吉井勇訳、紫式部、「源氏物語」総集編:上【桐壺~野分】元放送局アナウンサーの朗読、2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」作業時間、睡眠導入、テスト対策にも。

[音楽] 吉井イ 役現地 物語 [音楽] 切遠い昔の恋物語で あるいつの世かは知らないが尿語行為の 多くある中で三門のごちいを一心に集めた キツという1人の美しい女があっ たそれほどの家柄に生まれたのでもなかっ たので多くの女たちの嫉妬はひきは 激しく彼女はいつも悲しい時ばかりを 過ごしていたがとうとうこのために病気に なってしまった そうなると三門の方ではいよいよ いじらしく哀れに思いになって今では人目 もはからず彼女ばかりをお愛しになった から女もますます御門のお情けにほだされ て2人の恋は日々に深くなって行くばかり であっ たそのうち月 とでも言うのであろうか三門と彼女との間 に1人の美しい巫女が生まれ た三門にはその時もう1人の巫女があって これは宇大人の娘で女護になっている小 機殿の腹であったからすへ東宮に立たれる ことは誰も疑うものがなかったしかし今度 お生まれになった巫女はまるで玉のように 美しかったので三門も一際お愛しになった から女子は我が子の身の上をようやく やからず思い始め たキツはますます多くの女たちから恨まれ なければならなかっ たキツから三門の座しの星電へ行くのには 多くの女護皇位たちの住んでいる御殿の前 を通らなければなら ないいたずらは多くこの縁側や廊下で行わ れ たある時などは多くの女たちが示し合わせ て通り道の廊下のとを締め切って彼女を 困らせたことなどもあっ た巫女が5歳の時に墓の儀式が行われたが それは第一の巫女の時のように盛大を極め たものであっ たこれもまた多くの人々の嫉妬を招いた けれどもそういう中でもこの世のものとは 思われないような巫女の美しさは見る人の 目を驚かし たその年の夏のことであったキツはまた 病気になったので下がって情をしたいと 申し上げたけれども三門は別れを惜しみに なってなかなかそれをお許しになら ないそのうち彼女の病気はだんだん重く なっていったので母親はもう打ち捨てて おくわけに行かずなくなく門に許しを願っ

ていよいよ娘を連れて中を下がることに なっ た三門はそばをお話になりたくはないのだ けれど今はそうも言っていられないしかし 別れに望んで重い病にやれた美しい顔を ご覧になるとまた悲しさが胸に湧いて涙は 止めどなく頬に流れた 色々のことを泣きながらおっしゃった けれども女はもう聞こえないのか返事もし ずにただその美しい目でうっとりと三門の 方を見つめているばかりであっ た行きたいという言葉がしばらくすると 彼女の唇を漏れたそしてなお何か言いた ような様子であったがそれはもう言うこと ができなかっ た彼女は三門が特にお許しになった連写に 乗って名残りおしげに下がっていっ た三門はその世は一睡もなさらずにその後 の女の容態を聞きにやった使いの返事を 待っておいでになったがそれはその世の すぎに亡くなられたという悲しい知らせを 持って帰ってき た母の中には中にいられないという霊に なっているので巫女は母の実家で元中を 過ごし た三門は我が子を見ることができなくなっ たのをお悲しみになって常に様子を見せに 如かたちをおわしになった がのの服秋の夕暮れなどにはことに我が子 の身の上が気遣われたある時は使いのもの に何かおっしゃっておいでになるうちに涙 で言葉が聞き取れなくなることもあっ た三門の嘆きは冷ましに深くなっていく ばかりであっ た最愛の恋人を失われた御門は夜ふけて 45人の女房たちと様々なお物語をなさる のにも亭子員に描かせて木のつゆに歌を 読ませた長言家の絵をご覧になりながら 口癖のように別の悲しみをお話になるのが 常であっ た人目をお思いになってご心所にはお入り になるけれどもなんでお眠りになることが できようお食事などもほんの形ばかりで 祭りごともだんだんおりがちにおりになっ た以前はキツを陽気日のように思って天下 の乱れるのを恐れた人たちも今ではその キツの死んだために三門のおの上を気遣わ なければならなかっ た1人この中にあって喜んだものは小伝で 月をなどには当て付けがましい還元学の根 が三門の物思いに沈んでおいでになるご 座所の辺りまでも聞こえてき た藻が終わって巫女が九州へ帰ったのは かなり月日が経てからのことであっ た翌年の春にやはり殿の腹の第1の巫女が

宮に決まっ た三門のお心では第2の巫女を立てになり たかったのだが世をはかり人をばかって 顔色にもお出しにならなかったのであっ たお学問始めは巫女が7歳の時であっ た学問ばかりでなく何をさせてもそう明で あったから三門はいよいよおいがりになっ たこの頃では小機殿へも連れて行かれた今 ではもう九中では誰1人としてこの小さな 巫女を愛しないものはなく小機殿の尿語 さえ憎むことはできなかっ たその自分こから来行した一行の中に優れ た草人があるということをお聞きになって 巫女を進化の子ようにして彼らのいる路感 にわしになったそうすると草人は巫女を見 て驚いて幾度か首を傾けていたがやがて口 を開い て王者のそうであるけれどもそうすると国 が乱れるであろう天下の祭り事を取る人に なるかと思うと それとも違うというのであった三門はこの 人の言葉をお聞きになっていよいよ巫女を 進化の列に加えて現時の性を与えようとお 思いになりそれからはますます学問に力を 入れさせになっ た御方はこういう間でもキツのことはお 忘れになることができなかった 少しは慰みにもなろうかと思って新しい 女子や行為をお召しになるが1人として 三門の沖にいるような女がなかっ たその時先の身から仕えている内助が先の 大4工女が亡くなったキツによく似ている と申し上げたので門はお心を動かされての ことをその母の記載の宮にご相談になっ た母の記載の宮は小機殿の女護を恐れて はかばかしいご返事もしなかったがその うちに記載の宮は亡くなられたので兄の 兵部教神脳などの進めでいよいよ受台して 藤壺にお住になることになっ たいかにも内の言った通り霧ツによく似て いたので三門は泣き人をお忘れになると いうわけではないがだんだんお心はこの方 の方へ移っていっ た巫女はいつも三門のおそばを去らずに ついているので近頃しげしげとお通いに なる藤壺へは毎日のように連れて行かれた 巫女は内の助から 藤壺の宮様はあなたのお母様に生き写しで ございますと言われてから急にフツが 懐かしくなった巫女は母に3歳の時に別れ たのだからそのおかも覚えていないが今 そう言われてみるとせめてフツを通して 泣き母のおかを見たいと思う心が耐えがき までに起こるのであっ た三門どもある時はたれに2人ともよく似

ているから親子と言ってもいいくらいだ などとおっしゃることもあって2人の美し さは九中で並びないものにされ た巫女のことをヒカルの君と呼び藤壺の ことを輝く木宮と呼んだのも2人が美しい からであっ た巫女は12になったので元服をされたが その時の儀式の盛大なことは東宮の時にも 劣らなかったあげまきに言った巫女の髪を 削ぐのをご覧になっていた三門は美しい姿 を変えるのも惜しくも思いになりまたこれ を泣き母に見せたならとも思いになって心 のうでは涙を流しておいでになったそして この日から巫女は進化の列に入って現地の せを名乗ることになっ た義が住んでから束を改めて主演の席へ出 ても新王たちの座の次に座らなければなら なかっ たこの儀式で冠をえる役を務めた謝大臣は 三門の恩妹を妻にしていてそれには1人の 娘があったのをこの元服の世から現地の君 に目合わますことになっていた三門がその ことをお伝えになると謝大臣は喜んで長橋 を降りて待った現地の君はその世謝大臣の 屋敷へ行った 女は現時の君よりも年が4つも上だったの でなんだか決まりが悪いような様子であっ たその後も三門は現地の君をおそばからお 話にならないのでゆっくり謝大臣の屋敷に 行くこともできなかったそれに現時の君は 心の中で謝大臣の娘は美しいけれどもそれ も藤の宮のような女を恋人にしたいと思っ ていてそれはいつの間にか誠の恋になって いっ たしかしもう元服してからは藤壺でもミス のうちに入れられないのでただ外で 懐かしい声を聞いているよりほ仕方が なかっ た現時の君の屋敷の二常員はの手で美しく 修理をされたけれども現地の君はここにい てももしここに恋しい人と一緒に住んでい たならなどと言って嘆いてい [音楽] た 母現地の君が中将の自分であった ずっと引き続いて九中にばかり住んでいた ので稀に遭う謝大臣の娘の青いの上からは 他に恋人でもあるように疑われていた しかし現時の君はそれほど多生な男では なく人をこうることがあってもいつも こっちで苦しい思いをするような場合が 多かっ たれの振り続く頃のある夜のことであっ た中では物が続いたので現時の君はいつも よりも一層久しく蒼いの上のところへも

ゆかれなかっ た蒼いの上は男の白場を恨みながらも兄弟 の人たちをやって中の現時の君の雑子の 世話などをさせた この夜は現地の君のといどには蒼いの上の 兄の塔の中将がいるばかりで中の良い2人 は灯し近く寄って書物などを読みふけって い たそのうちそれにも飽きた塔の中将は手紙 などを乗せた土棚へ近寄ってその手紙を 見せることをの君に迫ったもちろん大事な 手紙はこんなところに置いてないので現地 の君も党の中将が引き出して読むに任せた 手紙の主を当てるのに中にはとんでもない 検討違いなものもあっ た話は手紙のことからだんだん女の品定め に移っていったそうすると塔の中将は何 から何まで揃っているという女はなかなか えがいものだということをようやくこの頃 知りましたよそれに人づてに聞いた女と 親しく会ってみた女とは随分違っている ものですからねと言ってなぜだか悲しそう にため息をつい た当の中将は言葉を ついで本当に面白い女は中流のものに多い と言ったが現時の君には上流とか中流とか いうことを何で分けるかが分からなかった それを聞こうとしているところへ様何がし と四の城藤原の何がしとが入ってきたので 党の中将はすぐにその説明をこの2人の ものに譲った2人は長い恋の模であっ た様の神が得意になって聞きにくいこと などを話すのを現時の君は横になって聞い ていたが真っ白な着物の上に紐を結ばず ふわりと脳死だけを引っかけた姿はほかで 見るとまるで女のように美しかった 話はいつまで経っても尽きなかった様の神 の饒舌はいつ止むとも思われないほど とめどなく女のことばかり話した彼はまた 白場で外に女を作った男を嫉妬するのは 馬鹿げていますよ夫は心を移しても馴染め の時を思って辛抱すればいいじゃありませ んか 万事穏やかに恨み事も遠回しに言わなけれ ばなりませんそうすれば夫もまた いじらしく思うようになります夫の心も妻 次第でどうでもなりますがサリとて あんまり嫉妬しないのも夫が増長していけ ませんと言ってから中将あなたはどうお 思いですと聞いた その時党の中将は自分の妹がこの言葉に 当てはまると思っていたので頷きながら 現地の君の方をちらりと見たが現地の君は すやすやとそこにうたをしていて何も知ら ない様子であっ

たそれからしばらく経ってから様が調子に 乗って1つ私の経験をお話申しましょうと 言い出した時現地の君は初めて目を覚まし た党の中将は法をついてまだ熱心に様の話 を聞いてい たそれは1人はある嫉妬深い女の話であっ た彼がこの嫉妬をこらそとしているうちに 女はあんまり彼のために心を痛め とうとう病気になって死んでしまっ たもう1人はある多生な女の話であった これは気の聞いた面白い女であったが彼に 隠れて天井人と通じてしまっ た様の神はこの話をして からあなた方もこんな女にはお気をつけに なったがようございますと言ったが現時の 君は今の話の女にはどっちにも心を惹かれ なかっ た党の中将は霊のごとく頷きながら関心し て聞いていた が私も1つ話しましょうと言って自分の 経験を話し始め たそれは馴染みが重なって行くうちに捨て られなくなるような寂しい境遇にいるで あった2人の間には1人の女の子もあった し行末の硬い約束もしてあったのでふと気 を許してしばの間行かないでいるうちに女 はどこかへ姿を隠してしまったそして後で それは妻が女のとへ脅かすようなことを 言ってやったからだということがわかった その後女からなでしこの花を封じて手紙を よしたがそれにはただこの花に似た忘れ ないでくださいと書いてあるだけであった その女の子がかわいそうですからどうかし て見つけたいと思いますが未だに行方が 知れません女も毎日苦しい思いをしている でしょう最後に党の中将はこうしんみりし た調子で言った 塔の中将に促されて式部城も話しだした それはある博士の娘で手紙まで勘文で書く ような女であった言葉もいつも看護を使っ たというので彼は真面目な顔付きでその女 の口真似をしたみんな面白がって笑った けれどもそんな女はないというところから とうとうこの話は嘘だということにされて しまっ た女の品定めも取り止めのない話のうちに 世が開けたが現時の君は話を聞きながらも この世にただ1人欠点のない女のあること を思わないではいられなかったそれは藤壺 の宮のことであっ た翌日は天気が変わって久しぶりの晴天で あった こうやってあんまり長く合わないのも蒼い の上が愛しいと思って現時の君は中を出て 謝大臣の屋敷を尋ねた蒼いの上に会って

みると姿形も上品ではあるがただなんと なく打ち解け にくい仕方なしに次女たちなどにたれて いるところへ謝大臣も出てきて貴重を隔て て物語などをしていたがそのうちにいつか その日も夕べとなっ たそうすると今夜はここは中上の通り道に なるというのでどこか他へ行って止まら なければならなくなっ た二上員も同じ法学だからそこにも止まる ことができなかった現時の君はとうとう その晩木の神の中川の家へほに行くことに なって友も45人連れたばかりでそっと謝 大臣の屋敷を出ていっ た中川の家に来てみると神殿の東向この 座敷に現地の君の席が設けてあって田舎家 のような芝かきも洗剤の様子も面白かっ た風が涼しく通ってきて虫の声もさかに 聞こえ闇にはホタルが飛んでいた友の者が 水に望んだ廊下のところで酒を飲んでいる のがここからも見え た現地の君は木の神の妹のうせが気量自慢 の女だということを以前から聞いていたの で見たいものだと思っているとこの神殿の 西の方の皇子を隔ててずれの音や若い女の 声が聞こえ たそっとそこから覗いてみたが正直に明り の影が写っているばかりで何も見えない 漏れ聞こえる女たちのひそひそ話を聞いて いるとなんだか我が身の上を噂している ように思われたのでそのまま聞き捨てて座 に帰ったキの神は出てきてにをした友の ものはみんな酒によって縁側に寝てしまっ た現時の君は寝ようと思って寝つかれない でいると北の方の生子の向こうに人の気配 がして誰かそこにいるらしい耳を済まして 聞いているとその1人はうみで早く女房の 中将がそばへ寝てくれないと 心細いなどと言っている声が聞こえ たやがて話し声も止んだのでそっと戸に手 をかけてみると掛け金がかけてないので すぐに開い た貴重にさえぎられて暗いほかに空ビの ようなものが見える中を通っていくとそこ には果たして1人の女が小さくなって寝て い た現時の君は女のそばへ近寄って声をかけ た女はうされるようにあっと声を立てた けれど口はよぎで覆われていたので外へは 声が聞こえなかっ た現時の君は物柔らかに かきいれして浅い恋ではなく久しい前から 思っていたということをいく度も繰り返し て女に言った 女はもう声を立てることもできないでそれ

は人違いでしょうというのがやっとであっ た人違いじゃありませんとにかくお話がし たいのだ からこう言って現時の君は女を抱いて自分 の心所の方へ行こうとしたがそこを出ると ぱったり女房の中将に出会っ たは物の香りが顔にかかるように匂うので 闇の中でもそれと知ったが相手の男が現時 の君なのでどうすることもできなかっ たおいと言ってから現時の君はぱったり襖 を締め切って明け方に迎えに来いと言っ た女はあんまり現時の君の無体なのを恨ん でその世は酔って泣いていた現時の君は 心苦しくは思いながらももし会わなかっ たらどんなに名残り惜しいだろうと思うと 会えたのせめてもの幸いとしなければなら なかっ たそのうち暁月になって人々が起き始め たぐっすり寝てしまったさあを引き出して おこうなどという友のもの声なども聞こえ た女は夕べの思いかけない出来事を思うと 現時の君の優しい情などは忘れていつも何 とも思っていない夫の伊之助のことが思わ れて夢にでも夕べの有り様を見やしまいか と恐ろしかっ た現の君は女を襖のところまで送っていっ て別れたこの後どうしてフをやろうと そんなことなどを考えながら帰りがちに この家を出て謝大臣の屋敷に帰っ た現地の君はその後キの神を呼んでうせの 弟の小気味を自分のそばへ使えさせた そして姉のとこへ持って行く手紙の使いを させたが女からは1度も返事をよさなかっ たある時は小気味にこてし てあんな手紙は見る人がございませんなど と言わせたしかし現時の君はどうしても この女のことを忘れることができなかっ た恋にはさすがに現のの君の心も乱れた どうかしてもう一度会いたいと思う心から 包の日を待ちかねていた現地の君はその日 が来ると九中からすぐに中川の家へ向かっ た現時の君は小には今夜行くことを昼間の うちから話してあったうせのとへもその ことは不に書いてやあっ た女は現時の君を懐かしく思うにつけても 今の境遇が悲しかっ たそこでこの世は女房の中将の部屋に隠れ ていてどうしても合うまいと心を決めた 現時の君はとうとうその世は女に会うこと ができなかっ た現時の君はいよいよ女を恋しく思った その世は小をそばへ寝かせてお前だけでも 捨ててくれるなという声もなんとなく哀れ に聞こえ [音楽]

た うつせみその世から現地の君から女への消 が旗と耐えたこれは女にとってどんなに 寂しく悲しいことだか知れなかっ た人妻の身として深く恋しわれるのは 苦しいけれども自分の思う人に恨まれるの はそれよりも一層苦しかっ た現時の君も女を恨みながらもどうしても 忘れることができないで悩ましい時ばかり をを送ってい た小は現地の君からもう一度合わせてくれ と頼まれているのを子供心にも哀れと思っ たのかひたすらその時の来るのを待ってい たがそのうち木の神は人国に下ってその家 は女ばかりとなっ たそこである日の夕方に小は自分の車に 現時の君を一緒に乗せて門を閉ざさない うちにというので車を急がせてそっと人の 見ていないところから連れ込ん だ現地の君をつどのところに立たせておい て自分は南の隅の間の皇子を開けさせて 入っていっ た現時の君はつどの影に隠れていながらも 小君と女房との話の様子で早くも今夜は 伊之助の繊細の娘ののきばの荻がここに来 ていてうせと5を打っているということを 知っ た良い檻だからすき身をしてやろうと思っ てつどの影を出てすだれの間からそっと 覗い た小君の入っていった光子度はまだ閉めて ないのでその間から西の方を見ると中の 模様がすっかり見えた暑いので平部も半分 畳んであり貴重も切れをまくってあるので 奥の方まで見通せれたまず目についたのは 明りを近く置いて柱に寄りかかっている 恋しい人の姿であっ た小紫のあの人へを重ねいが上の着物は なんだかよく見えずに隠すようにしている 手の痛々しいほど痩せているのが目立っ たもう1人の女は東向きに座っているので すっかり見えた白い薄着の上に二合の内木 のようなものをだらしなく着て胸がよく 合っていないので赤い袴の紐の結び目の 辺りまで 白く太った肌が見えた愛嬌のある派手な 顔立ちで髪も長くはないが豊かであった とにかく美人と呼ばれるべき女であった けれども品もなければ落ち着きもなかっ た後はちょうど終わったところと見えて娘 はテキパキとダメを埋めていたが相手の うみが物静かに自だとかこうだとか言って 注意するのも耳に入らない様子で今度は私 が負けましたと言いながら隅々の目を数え てい

た現時の君は想像しい女だとは思いながら もこれまでこうした女に会ったことがない のでなんだか自分のものにしてみたいよう な気がしないでもなかっ た夜がけて家のものはみんな寝しまって しまっ た涼しい風が来ると言って生口に空寝入り をしていた小君はそっと起きて現時の君を 姉の根へと連れていっ た貴重のとばりを引き上げて中へ入る時 柔らかなキれの音がかって怪しい響きを 立て た女はは現時の君からの消息が絶えたこと を災いの恋から逃れたように思いながらも なおいつぞやの夜のことが忘れられず この頃では昼も夜も物思いに沈んでいる時 が多かっ たこの夜も泊まることになって枕を並べて いるのきの小のよく寝入っているそばで 寝りがちに現の君のことを思っていると ふと柔らかなキれの音が耳に入っ たこを書き込めた着物の匂いで早くもそれ と悟った女は涼しの人へを1枚着たままで そっと寝床から抜け出してしまっ た現時の君は女が1人でいるのを嬉しく 思って近寄ったがなんだかこの前あった時 よりも大柄なように思われたのでよく見る とそれはうせではなくさっき5相手をして いた娘であっ たこの女ならば人違いでも構わないと思う とさっきほかで見た自だらくな姿までが なんとなく生めかしく目に浮かん だ女は目を覚まして驚いた顔つきであった が現の君は度々この家にほけに来たことも 今夜ここにしんできたこともみんなあなた に会いたいためだと言って聞かせ た世の中のことをまだよく知らないこの娘 はすぐに現地の君の言葉を本当にして しまった現地の君はなおどこかへ隠れた うみのことを思いながらも口の先ではこの に忍ぶ恋が一番情が深いと言うからこれ からもやはり忍んであおうと言ったりした 別れ際に現時の君が誰にも言ってはいけ ないと言うと女は素直に恥ずかしいござい ますものなんで申しましょうと言った原の 君はうせの脱ぎ捨てていった薄を取り上げ てそこを出 た外は暁月近い月代であった小君も車に 一緒に乗せて二常院へ帰ってきた現地の君 は私は伊之助よりも劣っていると見えると かこちながら持って帰ってきた小内を下に 敷いて寝たけれど目が冴えてどうしても 寝つかれなかっ たてすりを取り寄せて髪に手習いのように 歌を描いたそれはうせを恨んだ歌であっ

たうせは小君が訪ねてきた時その歌の書い てある髪を持っているのを見て自分もその 端に歌を描いてままならぬ身の上を嘆い た木場の鬼も現地の君からの消息がないの で知れず心を痛めてい た小気味に手紙を持たしてやろうといった 現時の君の言葉が時々悲しく思い出され [音楽] た 夕顔現の君が条のやどのへ通っていた頃の ことであっ た中を出てそこへ行く途中メノの大が大病 をして雨になっていると聞いたので五条の その家へ立ち寄ってみ た車の入る方の門が閉めてあったのでメノ の息子のこみを呼びに友のものをやった 間現地の君は王子に止めた車の中からその の町の様子を眺めてい た目のの家の隣に新しい日をめぐらした家 があったがはとを45件ばかり釣り上げた すだれの影から大勢の女が変わるがる こっちを覗いているのが見え た友のもの数も少なく車の飾りもわざと 粗末にしてあるので分かるはずがないと 思ってで安心して現時の君はその家の様子 をなおじっと車の中から見ていたそうする とその時ふと目についたのはその家の柿に 生いかかったつる草に咲いた白い花であっ たあの花は何だろうと現時の君がつぶやく のを聞きつけた水信はあれは夕顔でござい ますこの辺りにはたくさん咲いております と言ったがそう言われてみるとこの辺りの 倒れかかった古家ののきなどには夢のよう にこの白い花が咲いているのが見え た現時の君はなんとなくこの花を哀れだと 思っ た取ってこいと言われたので随身が日の中 に入って折ろうとするとその家の戸口から 黄色いすの人間をつけた美しい女の子が出 てきてこれへ乗せておあげなさいと言い ながら甲の匂いの染み込んだ白い扇を 差し出したそこへちょうどこ道が門を開け て出てきたので白い花も白い扇もその手で 現地の君へ取りれ た門が開いたので現時の君の車はすぐ中 引き入れられ たこみの兄のありも向この三河の神もその 他の娘たちもみんなこの家に集まっていて 現時の君が見舞いに来てくだすったことを 喜んでい た病人の目のとも起き上がって嬉し泣きに 泣いた現の君もこの目のに抱かれていた 自分のことを思い出して涙をこぼし た現時の君は帰ろうとして四則を持ってこ させて奥義を見ると誰が持ちなれたものか

まるで抱きしめたように移りかがしてそれ にはかなりな主席で歌が書いてあっ た現時の君は懐かしく思ってこれみに隣の 家の様子を尋ねたしかしこみは知らなかっ た 知っていそうなものに尋ねたが主人が今 田舎へ下っていることと女主人が若くて 派手好きであることとその人には見いをし ている姉妹があって時々ここに泊まりに 来ることとこれだけしかわからなかっ た現時の君はそれを聞いてこの奥の主と いうのはその女主人の姉妹だろうと思っ た松明を前にして車は忍びに門を出た現時 の君は隣の家の前を通る時車の上から覗い てみるともう恥とは下ろしてあってほか ばかりがほのかに外へ漏れてい た6畳に行ってからはもうそんなことも 忘れていたが翌朝帰りにその家の前を通る と現時の君はまたあの奥のことを思い出し たこれまでも四十通っていた王子だがこれ からは行木の旅ごとにこの家が心にかかる ようになっ たある日久しぶりでこみが訪ねてきたが やがてそっと現時の君のそばへ寄ってその 後の隣の家の様子を知らせたその中では5 月頃から来ている人があるがうちのものに も身分を隠してあるということと昨日夕日 の差し込んでいるうの中で手紙を書いてい た女が美しかったということとが現時の君 の耳に止まっ た現時の君はますますそこに心が惹かれ たそのうちにうせの夫の伊之助が人国から 登ってきた原地の君は旅のやれで日に明け た伊之助の顔を見るとなんだか胸が押さ れるような苦しみを覚えたしかし今度うせ を連れて人国へ下るという話を聞くともう その苦しみなどは忘れてしまってもう一度 どうかして会いたいと思う心が起こって 耐えられ ないそのうちに秋になった蒼いの上は現時 の君が絶えて姿を見せないのを恨んでいた また6条のみやどこも物のよく分かった方 だけれども自分が8つも年が上なのでやや もすれば現時の君が疎くなりがちなのを これも知れず恨んでい た現時の君はこの中にあって1人で苦しい 思いをしてい たこみはまた隣の家の話をしに来たまだ誰 とも分からないけれどもある日当の中将の 車が通るとみんな走って行って覗いてみて その水深たちの名を言っていたというので あった 現時の君はその女たちの大騒ぎをした車の 主が確かに党の中将であったかどうか知り たかっ

たもしかするとそれは行方が知れなくなっ たという当の中将の恋人ではあるまいかと いう疑いもあっ た現時の君がその女のとへ通うようになっ たのはみんなこ道の計いであった女は誰と も問わなかったし現時の君もまた何とも 聞かなかったそしてからに姿をやしてキれ で顔を包んで夜ふけてから価値で通っ た友には夕顔の名を教えてくれた水深と もう1人顔を見知らぬ笑わを連れ た現の君は分でも不思議なほどこの女が 恋しくてたまらなかっ たわずか1日の昼だけ別れているのが とても耐えられないほど苦しかっ たいくら押さえつけようとしてもくるしい 思いは日に募ってゆくばかりであっ た女は仮の実であるからいつどこへ行って しまうかわからないその時には それまでの縁だと思って諦めてしまわ なければならないのだろう か現時の君はそんなことを考えると二常院 へ連れてこようかと思うこともあっ た人目をはかって通って行かない夜の寂し さを思うといつも自分のそばに女を置いて いたかっ たこれまで人を恋したことはあっても こんなにに切ない思いをしたことがなかっ たと思って自分で自分の心が怪しまれ たどこかへ一緒に行きましょうと現地の君 が言う と名前も何も隠していらっしゃるんです ものなんだか変で怖いような気がいたし ますと娘らしい調子で女は答え た現時の君はこの言葉を聞いて通りだと 思ったから冗談のようにどっちが狐だか ばかされてみたらどうですと言って笑っ たそれは8月の15日の夜もう赤月に近い 自分であった明るい月の光が屋根から 差し込んでいるので家の中の隅々までが 現時の君にはも珍しく見され た夜明け近くになって近所の人たちも起き 始めたと見えて話し声が聞こえ枕元では カウを踏む音がし始めたがそれは現時の君 にも何の音だかわからなかっ たそのうちにキタの音がおちこちに聞こえ て狩の泣く声がするようになると空は次第 にでっ た女はこういうところを男に見られるのを 別段恥ずかしいと思う様子もなかっ た現時の君は槍を開けて梅雨の置いた前菜 を見ながらも心は白い合わせに薄紫の上着 を重ねた夕顔の姿の方に引かれていた そして今朝こそもっとこの女と打ち解けて 話したいと思っ たこの近所に私の知ったところがあるから

そこへ行って話し ましょう現時の君は女を誘った女は あんまり急なので驚いていたがそれでも嫌 だとは言わなかっ た現時の君はすぐに車の支度をさせて女房 のうこを一緒に乗せてそこを出 た近所ではた をしている老人の気の声が聞こえてい た赤月の風は冷たく車のすだれを吹い た原地の君が車をけさせたところは近くに ある河のイであった荒れた門にはしのぶ草 がしっていてそれから落ちた梅雨のしくで 現時の君の袖は濡れ た門から車を入れさせて西の方に席を設け させたりしているうちにうには現時の君だ ということが分かっ たうこはこの時ふと塔の中将が夕顔のとろ へ通ってきた自分のことを思い出し たもう昼に近い頃現地の君は起きて自分で 子をあげた庭はすっかり荒れはてて小も なんとな ものすごく池もいつか埋まってしまって その辺りには草がぼぼと追いしげってい たみんな別の家に住んでいるのでここいら には人の影も見え ない君の悪いところだしかし鬼も俺は 見逃してくれる だろう女が心細がっているだろうと思って 現時の君はわざとこう傷よくついたそして これほどの仲になって顔を見せないのは ただ女を苦しませるようなものだと思って 顔を包んでいたキれを取っ たあなたの思っていたような顔ですかと 現時の君が女に聞くと女は横目でそっと見 ながらいいえと言っ た現時の君にはそれがまたそう可愛く思わ れるのであったしかし現時の君はまだ女の 名を知ることができないその名を聞くと いつも女は天の子ですものなんぞありませ んと言って答えなかっ たいつかその日も夕べとなった女は奥の方 の暗いのを怖がっているようなので端近 すだれのそばに寝ることにし たすれをあげるとくれよく空がたえようも ないほど静かであっ た女は自分が今こうやっていることを我れ ながら不思議に思いながらも悲しいこと なぞは忘れてしまってだんだん打ち解けた 心持ちになっていっ た現時の君はまた女が離れまいとするよう にじっとに寄り添っているのがたまらなく 愛しく思われるのであっ た現時の君は女が闇を怖がるだろうと思っ て早く皇子を下ろして明りをつけさせた そして自分の行方を中では今頃探してお

いでになるだろう6条のみやどこもさぞ 心配しているだろうなどと思っているうち にいつ間にか寝ってしまっ たしばらくうとうと眠ったと思うと枕上の とに美しい女がい て私はこんなにあなたを思っているのに つまらない女をここへ連れてきてお愛しに なるとは 恨めしいと言いながらそばに寝ている女を ひっようとし たうなされるような持ちがして目を開ける と明りがふっと消えて闇になった現時の君 は君が悪くなって立を抜いてそに置いて ウコンを起こし た渡殿にいる殿の人たちを起こして則を 持ってすぐ来いと言えと言ってもうこは どういたしまして真っ暗で参られやいたし ませんと言って行こうとしない 現時の君はなんだ子供のようなことを言う と笑いながら自分で手を叩くとこだまの音 がものすごく響いたが渡殿までは聞こえ ないと見えて誰も来ない女はどうしたら いいかわからないで恐ろしさにただ わなわなと震えていたよし俺が言って 起こしてこよう現の君は開けて出てみる 綿の方の明りも消えていたよく寝っている 殿のもを起こして則を持ってくるように 命じているとその中に滝口の武士があって 譲を鳴らしながら日の用人日の用人と叫ん だ風が少し吹き出してきた現の君は元のと に帰ってみると女はまだ以前のまの姿で寝 ているがどうやら気を失っているようなの で触ってみるともう息が通ってい ないちょうどそこへ四則を持ってきたので 近寄って様子を見ようとすると夢で見た女 がそこに現れてすぐにまたふっと消えて しまっ た女の体はもう冷たくなってい た現時の君は悲しいよりも恐ろしかった殿 のものをこみの迎いにやったがなかなか来 ない現時の君はおいている羽根をそばに 引き寄せて死神殿に出たという鬼の話など を考えながら世の開けるのを待っていたが その長いことはまるで千年も過ぎるような 心持ちがしたまだ夜中と思われて空吹く 松風の音が寂しく聞こえどこかで不労の声 がしてい たこみはやっと世の明けにやってきた現時 の君はこみの顔を見ると初めて悲しみを 覚えたものか涙はとめどなく頬に流れた これみも原地の顔を見て泣い たみんな年の若いものばかりでこの始末を どうすればいいかわか たこのままにはしておけないし昨日まで女 のいた家にもやれないとするとこの泣きが

をどうしたらいいだろうと色々考えた果て がこみの知っている女の雨になって住んで いる寺が東山にあるのでそこへ送ることに なっ た赤月の闇に紛れて上にくんだ夕顔の泣き は車に乗せて運ばれた泣きは小さくて 美しかったすだれの間から黒髪の橋が こぼれ出しているのも悲しかっ たしまいまで見届けたいと言って聞かない 現時の君をこみは無理に自分の馬に乗せて 二常院へ返し た現時の君は二常院へ帰ってからも夕顔の ことを思うと胸が張り裂けるような心持ち がし た中から三門のお使いが来たけれども汚に 触れたと言って出資をしずに誰が来ても 病気だと言って会わないで人間に 閉じこもって悲しんでい た夜に入ってからこみが来た2人が ひそひそと話して嘆いているのを女房たち の中にはしく思ったものもあっ た今夜泣きを焼くという晩現時の君はもう 一度顔を見たいと思って忍びのために近頃 作ったカギを着て闇に紛れて山へ行っ た東山まではかなり遠く河原へ出ると17 日の月が空にあって全区の人々の松の日が 風に 女は別に変わった様子もなく2人が寝る時 かけていた赤い人へを泣きがになってまで もかけていた現時の君はそれを見ると にわかに悲しさが込み上げてきて思わず声 を放って泣い たこみに促されてアデラを出たのはもう その夜も赤月に近かった 現時の君の目からはどうしてもあの赤い人 へが離れないでみみそのことばかり思い 続けていたがカの包みまで来るととうとう 耐えられないで馬から落ち たこの日から現時の君は枕も上がらぬよう な病気になっ た9月の末になって現の君の病気は しかしなお物思いがちの様子で時には声を 立てて泣くこともあったみんなはそれを 生霊か思量の祟りであろうなどと噂をして い たうこはその後二常院に引き取られていた がある日の夕暮れ現地の君からせがまれる ままにこれまで隠していた夕顔の崇を話し た 女は三味中将の娘であっ た父はどうにかして娘を世に出したいと 思っているうちに没してしまっ た党の中将がまだ少々であった頃縁があっ て通い始めてそれから3年ばかりの間2人 の中は続いていたが去年の秋本西から

脅かされてそれを怖がって西教の目の家へ 逃げて行ったそしてしばらくほよに来てい たのがあの五条の家なのであっ た現時の君はうこの話を聞いてから女を 一層哀れに思った悲しい片身としてあの 女の子を育てようかと思ったが自分の名の 出るのが気遣われた 夕空に漂っている雲を見ても泣き人の泣き がを焼いた煙ではないかと疑われ た夕顔の49日の法事が永山の歩道で隠れ てではあったけれどかなり盛大に営まれ たその時現時の君の書いた元文は世にも 悲しいものであっ たの君はその欲夢の中で泣き人にあった 2人がいたのはやはりあの荒れはてた河の イであっ たその年の10月伊之助はその妻を連れて 人国へ下っ た現時の君は出発の前にいつか持って帰っ た小内に歌を添えてうの 送り返し [音楽] た 若村現地の君は怒りを病んでいかに気筒を しても治らなかっ た北山に右の層があって去年の夏この病が 流行った時も大勢の人を癒したとうことを 聞いて現時の君はある日の朝また霊の忍び の姿で45人の友を連れて出かけたその層 のいる寺はかなり山の奥にあっ た3月の末のことであるから今日では盛り が過ぎているがこの辺りはまだ花の 真っ盛りで山にはもことして霞が流れてい た 身をやしているけれども美しい要望で現地 の君ということを知ってそうは驚いてすぐ に家事気に取りかかっ た初めてこんな山の中に来たので待って いる間現時の君は珍しい山の景色を眺めて いるとふとこの寺の下の方にあたって 腰ばきをめぐらし勝者な家があるのが目に 止まっ た誰の住んでいる家だろうと聞くと友の 1人はあれは何がしの索子が2年前から 住んでいる家でございますと答えた現時の 君はその索子ならば知っていると思った そのうち友の物の中にあの家には女がある というものが出てきた現時の君はまさか 何がしの索子が女と一緒に住んではいまい と思ったが気をつけて見ていると時々 美しい目の笑わが出てきて赤を組んだり花 を折ったりしているのが伺われた中には わざわざ山を降りて覗きに行くものなども あっ た諸国の景色の話が出たりしているうちに

その日もようやくくれかかってきたいつも 夕方になると怒る怒りも今日は別に何とも なかった現時の君が帰ろうとするのを何か の祟りもあるご様子だから今夜はもう一晩 おかじをしてそれからお帰りになったら よろしいでしょうと言ってそうはとめた現 の君は引き止められまに人をこの寺で 過ごすことになっ た夕闇に紛れて現時の君はこみ1人を連れ てさっきの家を垣間みに行った腰ばきの間 から覗いてみるとその庭に向かった座敷に は地物を添えて監禁をしている雨があった 勇しある人の果て らしい四十くらいの美しい痩せ形の女で 上品な切り紙姿がかって髪の長いよりも縁 であっ た見ているとちょうどそこへ行末の美しさ が思いやられるような実際ばかりの女の子 が泣いたと見えて顔を赤くして駆け込んで きた女の子は山吹色の着物を着て髪を扇の ようにびかせていたまた喧嘩でも推しなの かいそう言って見上げた天の顔がこの 女の子の顔によく似ていたので親子だろう と現時の君は思った犬がスズメの子を逃し てしまいましたのせっかく伏せに入れて おきましたのにと悲しそうに言う女の子の 顔を見ていると現時の君はなぜか魂が 消えるような心持ちがするのでつくづく 考えてみるとこの子の顔は寝ても冷めても 忘れたことのない藤壺の宮に似ているので あっ た天は女の子の髪を撫でながら涙を流して 可愛くってならないように見え た私がこの世にいなくなったらお前はどう するだろうそれを思うと死ぬにも死なれ ないという声が悲しく柿の外まで聞こえて きたそこへ索子が来て現時の君が今日怒り の家事をさせにこの山に来ているという ことを話したのでみんなはこんな姿を見 られるのも恥ずかしいと言ってすぐに すだれを下ろしてしまっ たの君は哀れな人の姿を見たものだと思っ て垣まみの甲があったことを喜びながら上 の寺に帰っ たまもなく索子のとろから弟子が来て自分 の家にも来ていただきたいとこみを通して 言ってきた現時の君は時に行くという返事 をさせてからそうにあったらあの美しい 女の子のを聞いてみようもしできるなら あの女の子を藤壺の宮の代わりに自分の 手元に置きたいと思っ た月のない自分であったから索子の家では 庭の槍水にかがり火を炊き灯ろにも明りを 入れて現時の君の来るのを待った現時の君 は来てみると思ったこともなんだかあ様に

は言い出しにくいので夢でこの家にいる人 を見たがと言ってその人が誰であるかを 聞い た索子はこの突然の夢物語を聞いて笑い ながら話し た天はずっと以前にこの世去ったア大 ナゴンの妻であるが索子には妹にあたるの でそれで今からここに来て病を養っている のであっ たダイナゴンには娘が1人あって兵部教の 宮が通われていたが北の方の嫉妬のために 忘れがみの女の子を1人残して死んで しまっ た女の子の名は紫の上と言っ たそれがあの美しい女の子だなと現の君は 心のうちで思った兵部教の宮は藤壺の宮の 兄であるから紫の上は藤壺の宮のメに あたっ たそこにはやはり似なければならないよう なエニの糸がつがってい た現時の君は思い切って紫の上をもらい たいということを天に通じてくれと索子に 頼んだ索子はともかくも承知をして仏前の 勤めをするために立っていっ た現地の君は後に1人物思いにふけってい た夜もよほど吹けたと見えて山風が冷たく 吹いて滝の音も激しく雨さへ少し振り出し てきた現時の君は時々雨にあって頼んで みようと思って間に立てた平部を少し 引き明けて奥を鳴らして人を呼んだそして 天に会って頼んだけれども天は女がまだ年 葉も行かないものであると言って現時の君 の言葉を信じなかっ た山の夜はほがらかに開け始めた3枚の 先方の声も山おろしの風に吹かれて聞こえ てき た現地の君は美しい山の景色を眺めている と胸の痛みも忘れられ たそのうち今日から迎えの人たちが来た 直子も来れば謝大臣の息子たちも来た みんなは滝のほりで酒を飲ん だを吹くものもあればサバを歌うものも あった現時の君は金を鳴らし た紫の上は女房たちに混じってその様子を 垣間みていたが子供心にも現時の君を 美しく思ったので あろうお父様よりお立派だわねと言って それからは人形にもも現の君という名を つけて大事にし た現地の君は今日へ帰るとすぐに散大した 三門は現地の君の痩せたのをご覧になって 色々優しいお言葉があっ た藤壺の宮はこの頃病気で九中から三条の 宮に移っていたこのことを聞いた現地の君 はこういう時ででもなければ会えないと

いうので夜昼心を痛めていたそしてやっと 大名部の手引きでしんで行くことができた がそれはほとんど夢のようにはな王であっ たこのまま消えてしまい たい現時の君はこう言って身世の早く 開けるのを嘆い たそのうち藤の宮のただならぬことが知れ たみになると聞いて明部は密かに 思い当たることがあった涙がちの日を送っ ておいでになるのを見ると自分の罪の 一通りでないことが帰り見られ た秋ももう終わりに近いある夜のことで あった現の君はあんまり月が良いので6畳 のみやどのとこへ行こうと思って出かける と途中から急にしが振り出してきたどう しようと思っているとこみがそばの大きな 荒れた家を指さしてそれがアダイナゴンの 家で天は今病気だということを知らせた それでは尋ねてみようというので現の君は すぐこの家へ行って案内を壊せたしかし天 は病気だからと言って遠慮して会わなかっ たそしてくれぐれも紫の上のことを頼むと いうことを女房から繰り返して現時の君に 言わせ た紫の上の可愛い声も奥の方で聞こえてい た天は間もなくまた北山の索子の家へ行っ てそこで死ん だ天の意が開けて女たちが今日の家へ帰っ たと聞いて現時の君は訪ねていっ た人手が少ないので家は荒れて紫の上の 寂しさが思いやられ た現時の君は女房の少な言から泣き後の ことを聞いたこの時紫の上は泣き雨をしっ て泣きながら寝ていたが脳死を着た方が 見えたという声を聞いて起き上がって こっちへ出てきた現時の君と顔を見合わせ た時紫の上は子供心にもはっと思っ たその夜はあれが降って風が激しい晩だっ たので寂しいだろうというので現のは しばらく紫の上のそばで添い寝をして夜が 開けてから下を踏んで帰っ た紫の上がいよいよ明日は父の兵部教の宮 のところへ引き取られるということを聞い て現時の君はどうしたら良いだろうかと 色々思い悩んだ末一盗み出して二常院に 連れてくることに心を決めたまだ夜の開け ないうちに現時の君の車は謝大臣の屋敷を 出た友としてはこれ31人馬に乗って後 から続い た目指す家に着いた時はまだ表は暗かった 門を叩くとすぐに開けたので車を中に 引き入れさせた現時の君は貴重の中に入っ て 宮様から迎いに来ましたと言いながらまだ 寝ぼけている紫の上を急いで抱き上げて車

の上に乗せてしまった女房たちはみんな ただ呆れているばかりであっ た二常院は近かったので夜の開ける前に 着い た西の隊に車を寄せて現時の君は紫の上を 軽々と抱きおろし た怯えて泣いていた紫の上も一緒について きたがどうなることかと涙に暮れていた 女房の少な言もそのうちだんだん心が紛れ てきた現時の君は紫の上の遊び相手として 大勢のわを呼び寄せて自分もたまにはその 遊びの中に混じっ た現のは23日中にも出ないで西のつに ばかりこもっていた手本に出もと思って絵 や字を色々書いて見せると紫の上は 恥ずかしそうに隠しながら歌などを書い た兵部教の宮の方では紫の上の行方が知れ ないのはママ母の手にかけるのが かわいそうだというので女房の少なごが どこかへ隠したものとばかり思ってい [音楽] た据え積む 花現地の君は夕顔のことがいつまで立って も忘れられなかった蒼いの上でも6畳の みやどこでもなんとなく打ち解けないで 奥底のあるものが足りない どうかしてもう一度夕顔のような女に会い たいとなお懲りずに女の噂に耳を傾けて いるけれどもさてこれはと思う女もなかっ たある時大育の明部と言って中に使えて いる女房で昔現地の君の目のとだったもの がふとした話のついでに子日の宮の末の娘 の末つむ花が今不幸な境遇にいるという ことを話した明部は他に頼るところがない ので中を出るといつもこの家に来てい たいつもことばかり引いて慰めて いらっしゃるんですよといった明部の言葉 に現地の君は心を惹かれた自分の今求めて いるのはそういう女ではないかと思っ たおぼろ月の晩であった現時の君は とうとうこらえかねて明部を尋ねた明部は よそながらことの根を聞かせてくれたが それはあんまり上手ではなかっ た現時の君はありの荒れて寂しいのを見て なんだか昔の物語にでもあるような家だと 思っ た外へ出てからよそながら女の様子を 見ようと思って水害の少し折れ残った ところに近寄ると誰だか立っている男が あっ た見つかる前として隠れようとするとその 男は現時の君の方へ近寄ってきて独りがけ はひどござんすよと声をかけ たれ 塔の中条であっ

た塔の中将は現地の君と一緒に中を出たが なんだか現時の君が様子あげに別れたので どこへ行くのだろうと思って自分の行く べき女のところへも行かずに後をつけてき たのであっ たその後現地の君は据え積む花のとろへ いく度も消息をしたけれども返事がない そのうち春も過ぎ夏も過ぎて秋となった キタの音を聞くと現時の君には夕顔と一緒 に聞いた夜のことが思い出され たその人の代わりだと思うと据え積む花の とろへも数多くのフを描い た明部も現時の君からあまり責められるの でとうとう女に合わせる約束をし た8月も末に近く月の遅い夜であった明部 は現時の君を案内して襖越しに女に合わせ たこの匂いも 奥ゆかしく人に言われてすり寄る気配など を聞いていると現時の君はなんとなく心の ときめくのを覚え そして女がいつまで立っても返事をしない のがもどかしかっ た現時の君はとうとう耐えかねて襖を開け て女のいる部屋へ入っ た夜ふけてから帰って行った現地の君の顔 には失望の色がありありと見え た紫の上が2常院に来てからは6畳のどの とへもこれまでのように通わなくなった 据え積む花のとへもあんまり足が向か なかったがそれでも明部の顔を見ると 気の毒になってたまには通ったそれにいつ も恥ずかしがって隠す顔を見たいと思う 望みもあっ たある夜現地の君はそこで夜を明かした 風の激しく吹く晩で明りが消えてもつける ものがない現時の君は河のいの夜の 恐ろしかったことを思い出して今夜はそれ にも劣らないと思っ た夜が開けたので甲子を開けて外を見ると 庭には雪が積もっていて女たちはみんな 雪見に出てき た女たちにられてえむ花も出てきたので 現時の君は外の景色を見ているようなふり をしながらそっと横目で女の方を見ると まず竹の高いのに驚かされた次に目につい たのはその花で像のように長い上に先の方 が下へ垂れて 赤い顔の色は青白く出いで長でそして痩せ ていることは肩の辺りなど着物の上から見 ても痛々しいくらいであった着物も昔の ものと見えて紫の色の冷めた下着の上に黒 の無事の内を重ねなおその上に黒い天の毛 を着てい た現時の君はしばらく呆れてもも言えない なんだ気のような気がして急いで出たが車

の通るもんがまだ開いていないので鍵を 預かっているものを探すとひどく年の寄っ た老人が出てきた見にくい顔を見てから 現時の君は一層据え積む花を不がっていつ までも世話をしてやろうと思ってその後も やはりたまには通っていっ た年の暮れに原地の君が九州のとい所に いるとそこへ霊の明部がやってきて少し 戸惑したような顔つきで据え積む花から 頼まれたフと贈り物と渡し た贈り物の箱の中にはとても着ることが できないほど時代遅れな濃い勾配色の脳死 が1枚入れてあっ た [音楽] もみの がスザ院へ行高の日はいよいよ11月の 10日過ぎと決まっ たそこでは色々面白い催しがあるけれども 理のことで見られないのを尿語行為の人 たちは残念がっ た三門も藤壺の宮に見せられないのを物 たらずに思いになってある日中で支援をお させになった現時の君は派を待っ たちょうど夕日が差し込んで現時の君の顔 を美しく照らした学の調べが高まって舞い ながら歌をえいずるところになると見て いるもはみんな甲骨として勘に耐えかねて 涙を流し た相手はこれも美しいと言われている党の 中将だったがとても現地の君には及ぶべく もなかった小機殿の女子がネたまげに 神隠しにでも会うがいいとつぶやく声が 聞こえ たその夜門は藤のと今日の支援のお話が あって現時の君の派をどう思ったかと お尋ねになっ た結構でございまし た藤壺の宮はやっと一言これだけ言ったが 胸はにわかに波立つのを覚えた現時の君 からもその翌朝自分はあんなに苦しかった ことはないという手紙が来 た行光には百間こぞって三門の音をした その日もみの影で待った現地の君の姿は また中で見たのとは違った美しさであっ た中には原地の君の冠にさしたもみの色が 汗ているのを見てわざわざ魚苑に咲いて いる菊の花を 差し替えるものなぞもあっ た学人を乗せた種の船は絶えず額をそうし ながら池の中をこぎってい た良行の日が過ぎると藤壺の宮はまた三条 の家に下っ たある日現地の君がよそながら女の様子を 見たいと思って行くとちょうどそこ兵教の

宮が来られ た現地の君はずずん奥へ入って行くことの できるこの兄の宮が羨ましかっ た昔は自分もあのようにそばにゆかれたの にと思うと急に胸がいっぱいになって いたまれずにそこを出 た現時の君はしみじみはかない恋だと思っ た 藤壺の宮は12月におさがあるということ だったがそんな様子も見えないうちにその 年は暮れて1月ももう過ぎてしまった九中 の人はみんな何かの祟りだろうと噂し合っ ていたがその中にあって藤壺の宮だけは 1人心を苦しめ胸を痛めていたいよいよ 死時が来たのではないかと思うと今更の ように過ぎ越し方が帰り見られ たしかし2月の10日過ぎに無事に巫女の 誕生があった現時の君はどうかしてその 巫女を見たいと思ったが藤壺の宮の方では あんまり現地の君に似ているので心がとめ て見せられなかっ たたくそれは誰が見ても怪しまずにはい られないほど現時の君に生き写しであっ た4月になって藤壺の宮は巫女と一緒に九 中に帰った三門は何にもご存知がなく 美しいものは誰でも似ていると思って別に 怪しむご様子がないごちいの深いのを見る につけても藤壺の宮の心の休まる時は なかっ たある日現地の君が関元に召されて九中に 行っているとそこへ三門は巫女を抱いて お出ましになっ たそして現時の君に向かっ て私には大勢子供があるがこんな小さいう から見ているのはお前だけだったそう思う とこの子もなんだかお前に似ているような 気がすると言われた現時の君は顔の色が さっと変わるのを覚えた空恐ろしいような 片づけないような嬉しいような悲しいよう な様々な心持ちに胸が塞がって涙がこぼれ そうになるのをやっと耐えた現の君は乱れ て中を下がった二常院へ帰ってからも やるせない心持ちがしてたまらないので 洗剤に咲いていた撫でしの花を封じて藤壺 の宮のとへ送っ たそれには珍しく返事が来た現時の君が この頃二常院に女を迎えたということは 大分人の噂に上がってのお耳にも入ってい た三門は青いの上が気に入らないから だろうと察してかわいそうだとも思ってお いでになったがまたある時は冗談のように なぜお前はそんな人から恨まれるような ことをするのだと言われることもあった この間には塔の中将と2人で現のないしと いう年置いた女を持てあんだことなども

あったが現時の君は事実この頃では紫の上 のそばでばかり日を送っていた紫の上は もうすっかり現の君になつい たその年の7月に藤壺の宮の木崎に立つ式 が行われ た現地の君はその夜のグの1人であったが 腰の中の藤壺の宮のことを思うと今はもう 呼びもつかぬものになったのを嘆かずには いられなかっ [音楽] た花の 円2月の20いく日かに四神殿に漢王の 魚苑があったいつもは自分よりも暗いの 高い藤壺の宮と並ぶのを避ける小機殿の 女子もこの日は出てきて宴につっていた空 が晴れてうらな日であった最初はみんな 寄って陰を探って死を作ったが現地の君に は春という字が当たっ た現地の君はこの道にも優れていたので行 になって師がその作を読み上げた時には 置いた博士までが勘に耐えた様子であっ たそのうち夕方になって春王店という舞が 始まった東軍はもみのがの時のことを 思い出して冠にさす花を下すてから現時の 君にも前と言われた現の君はは断りかねて 一緒に待ったがちょっと人差し待っただけ で他のもの影が薄くなるように見えた塔の 中将はその後で龍華園という舞を待っ た夜が吹けてから宴が果てた現時の君は 少し酔ってひょっとしたら会うことが できるかもしれないと思いながら藤壺の 辺りをてみたがもうどこの戸口も閉まって い たこのままでは帰れないような気がして なおコ殿の方へ歩いて行くと開いている 戸口があったので中に入った女子は今夜は 西涼電の三門のところへ行ったと見えて そこいらには人の気配もしないそれがまた 宴の後なのでひどくび そうするとこの時若い女の声でおぼろ月よ にしくもぞなきとコを歌いながらこっちに やってくるものがあった現時の君は 人恋しいところだったので突然その女の袖 を捉えた女は驚いて声を立てたが現の君は 私も好きが好きですと言いながら通しめて しまった女はその声で現地の君だという ことを知った現時の君は女に名を聞く けれどもどうしても言わないそのうち夜が 開けて辺りが騒がしくなり始めたので後の 印に奥を取り替えて別れ た雑子には使えている女たが大勢いたが みんな心の中でお忍びにごせが出ることだ と思いながら空音をしてい た現時の君は雑子に帰ってからも咲夜の女 のことが忘れられない小機殿の女子の妹

らしいがそうとすればどの妹であろう6番 目の妹は東宮にあげるという噂のある人だ がもしやそれではないかと思っ た翌日は後の宴があるからその次の朝家に 帰るだろうと思ってこみなどに言いつけて 中から出る女の乗った車の見張りをさせた 今北の正門から美しい女ばかり乗った3台 の車が出たがそれが殿の女子の妹たらしい という知らせを聞いた時は現時の君の胸は 常ならず騒いだ取り替えた奥を出してみる と薄よを三栄にして両面を包んだ日扇で その色の濃い方には霞んだ月が描いてあっ たやいの20日過ぎにう大人の家に弓の貝 があってその後で藤の花の縁が張られた 現時の君も招かれてはいたがどうしようか と思って迷っているところへ息子の少々が 迎えに来たちょうどその時九州にいたので 御門ども行くことをおすめになった現時の 君はわざと桜のからあの脳死にエ thoseの下重という清掃で出かけ た夜が少し吹けた頃現地の君は酔って 苦しいような様子をしてそっと立ち上がっ た神殿にはこの家の娘たちもいならんで見 ていたのですだれの下からこぼれ出た袖口 が美しく見えた藤の花もその近くにあった 現地の君はそこに来て酔って苦しいから しばらくここに置いてくだ と言いながらすだれのそばに近寄っ た中では生めかしい絹ずれの音がして 焚き物の香りがむせぶばかりに匂ってきた おぼろ月よの君もこの中にいるに違いない と思ったから現地の君はサバのの文句 を作り替えて大を取られてから目を見ると 歌ってみたそうするとすだれの中でほっと ため息をつく声が聞こえたので現時の君は 貴重越しにその人の手を握っ たなぜもっと早く尋ねてきてくださら なかったのですと言って演ずる声は まさしくあの晩に聞いた声であっ た 蒼い三門が暗いをお譲りになってから 世の中の有様はすっかり変わった現時の君 もこれまでのように華やかな時ばかりを 送ってもいられなくなっ たあちらこちらの女のところへも自然と足 が遠くなったのでどの女からも恨まれてい たその報いでこっちの思う藤壺の宮が自分 に釣れないのであろうと現時の君は思っ た美が変わると伊勢の最も変わらなければ ならなかったので六条のみやどが生んだ 泣き咲の宮の姫君が新たに選ばれて行く ことになった 6条のみやどは兼ねてから現地の君の頼み にならぬのを知っていたので姫君の幼いの に囲つけて一緒に異性下ろうかと思っ

た蒼いの上は浮気がちの現地の君の心を 恨んではいるが別に隠そうともなさらない ので言っても仕方がないと思って諦めてい た そのうちカソの病だと思っていたのが海人 だということが分かっ たちょうどその時加の産院も改まってこれ には選定の第3の内心脳がおりになった みぎの日の儀式はことに立派で定まった 役目を持った人の他に美しい人はみんな 選ばれてぐした現地の君もまた特に三門 からのせでその中に混じっ た蒼いの上はただならぬ体ではあるし あんまり心も進まなかったがみんなから 進められて急に行気になってにわかに車の 支度をさせて出かけた行列の通る王子は まるで牛のような人手で 車ももうぎっしりと立ち続いていた蒼いの 上の友のもは謝大臣の家のものだというの を傘に来て雑人のいない女たちの車なぞは みんな脇へのけさせながら進んでいった そうするとそこに少し古くなったアの車が 2台あっていだしギが車に似合わず美しい ので 誰かが身をやしての見物だということが 知れ たのけさせようとするとその車の共のもの はこれはそんな車ではないと言って手を つけさせないそのうち両方とも酔っている ので喧嘩を始め たとうとうこのアの車は家事を乗せる台の 指示を折られた上行列の見えない奥の方へ 押しやられてしまっ たこの車は6畳の見すどこが忍びの車で あったが青いの上の友のもの中にはそれと しってののしるものなぞもあっ た6畳のみやどは思わず恥ずかしめを受け たのが悔しくってすぐに帰ろうとした けれどももぐがぎっしり詰まっているので 動くこともできない そのうち見物の人たちは口口に行列が来た 行列が来たと言って騒ぎ始めた現時の君は その行列の中にあっても眩しく思われる ほど際立って美しかっ た現時の君は見ぬふりをしながらも見覚え のある車の前は微笑みながら通っていっ た6条のやどは遠くからその様子を見て なぜこんなところへ来たろうと思うと涙が こぼれた行列は静かに過ぎていった現時の 君を見ようと思って出てきた見物の人たち の中には一目に両妻をはった旅姿の女やよ 捨てたはずのすみをした天なども混じって い た青い祭りの日には現地の君は紫の上と 一緒に車に乗って見物に行ったその日も

また帯びただしいもみ車で一条のこのエフ のババのところまで来ると車はもう前にも 後ろにも動けなくなってしまっ た現時の君が車のすだれもあげないのを見 て同者の女は誰だろうと思いながらみんな その女を羨ましがった紫の上はもうこの時 重視であっ た蒼井の上はそれから間もなく生霊に疲れ て病気になったいくら図法を行ってもどう しても蒼いの上の体から離れない生霊が1 つあった誰の生霊とも分からなかったが それがののものではないということは現在 でなくても誰にも分かった現時の君の通う 女の誰彼を占わせてみたがそれでも知れ ないみんなは1日泣いてばかりいる蒼いの 上をいしいと思っ た6条のみやどもこの頃心地が優れなかっ た現の君も見舞いに行ったががいつもと 違って気の弱いことなどを言うのを哀れに 思っ た女も朝になって帰って行く現時の君の 美しい姿を見て異性下るのはやめにしよう かと思っ た蒼いの上の悩みはひごに激しくなって いったどうしても1つ離れないのは六条の 見どこの生霊だと噂をするもがあったが6 条の見どもこれを聞いて自分にもそう疑わ れることがあったううとまろむかと思うと 自分はその人かと思われる美しい人のそば へ行っていて荒々しく打ち着をしている ことなぞが度々あっ た6条の見所はこんなことで悪名を残すか と思うとながら悲しく浅ましかっ たある日蒼いの上は苦しい息の下から現時 の君にお話ししたいことがあると言った しかしそれは蒼いの上の声ではなく現在の 祈り伏せられた生霊の声であるがまだ誰も 気がつかない現の君が貴の中に入って言っ てみると青いの上は白い着物を着て顔は熱 で赤くなってうるさいほど長い髪を何かで 結んで寝ていた現時の君が涙をこぼすのを 見て青いの上も涙をこぼした家事の層の補 教を読む声までがなんとなく 悲しい現地の君がやっと慰めの言葉を言う と青いのの様子は急に変わっていいえ私は そんなことであなたを呼んだのではあり ませんあんまり苦しいから気をやめて いただきたいと思ったのですと言ったが その声は6条の見どそのままであっ た人の噂が本当であったことをまざまざと 目の前に見せられて現時の君は思わず年の 恐ろしさに震え たまもなく蒼いの上は男の子を産んだそれ からしばらくの間は今まで暗かった謝大臣 の家も急に明るくなったような有り様で

世事に盛んな教王が続い た6条のみやどはこの噂を聞いて妬ましく 思った夢のように覚えていることを思うと 着物にも髪にもごまに炊く消しの匂いが するのに気がついた着物を着替えても髪を 洗ってもどうしてもこの匂いは消えなかっ た6畳のみやどは妬ましく思うと同時に人 知れず苦しい思いをし た蒼いの上の悩みはこの後少し薄いだよう に見えた現時の君は今度生まれた子が今 遠宮になっている自分と藤壺の宮との間に できた子に似ているのを見るとまた宮中が 恋しくなって久しぶりで散大し たその前に蒼いの上のところへ行ってみる と病に衰えて悩ましげに寝ているが枕に かかった黒髪も乱れていず弱々しいところ にまた帰って付勢があっ た蒼いの上は美しく着飾った現地の君の束 姿をいつもよりも懐かしそうにしげしげと 見つめてい たこの日は九中では司飯のある日であった ので謝大臣の一家はこぞって3大した屋敷 の中が静かになると青いの上のが急に 変わった知らせに驚いて現地の君を始め 一家のもが急いではけてきた時はもう蒼い の上の息が耐えた後であっ た青いの上の葬儀が住んでからも現地の君 はなお謝大臣の屋敷にいた生前に連れ なくしたことばかり思い出されて開国の涙 に結びながら なぜ自分が先に死んでしまわなかったろう と思っ た6条のみやどこからも菊の花のすがれた のを結びつけた見舞いの手紙が来たが現時 の君はそれを見るのさえ浅ましい生霊を見 た時のことが思い出されて悲しかっ た現人の君はこの返事に執念の恐ろしい ことを書いて送った 当の中将は時々原地の君を慰めに来たが 寂しそうに後に法をして下がれの庭に しぐれの降るのを眺めている姿を見ると 思わず哀れになって涙ぐまれたある時は 現地の君は庭の枯草の下に先のった林道や 撫での花なを見つけて忘れがの我が子に 見せた何にも知らない我が子の笑顔を見て も涙がこぼれ た木が開けてから現地の君は二常院へ帰っ たがそれまでにもこっていた部屋には かき捨てた泣き人を思う死や歌が貴重の そばに散らばったまま残っていた無門の 上着に色の下 を着て冠の縁を巻いた現の君の服の姿は かっていつもよりも美しく見えた久しぶり で帰った二上院の華やかな有様がこれまで の寂しかったことを思い出させて現時の君

は耐えられなかったしかししばらく見 なかった間に紫の上がもう大分きて だんだんフツに似てきたのを見ると現地の 君の心は少し慰められ たことに夜のほかで見る横顔はその人に そっくりそのままであった現地の君はそれ を見るとただ子供としてばかり可いがって いることができなくなっ たある朝現地の君は起きたけれども紫の上 はいつになく起きないことがあったみんな は病気ではないかと心配した誰か何か貴重 の中に入れていったようなので紫の上が そっと頭を上げてみると枕元には結んだ髪 が置いてあってそれには現地の君の歌が 書いてあった昼頃になって現地の君が言っ て言葉をかけた 紫の上はますますヤグを深くかぶって しまって返事もしない無理にヤグをまくる と汗をぐっしょりかいて額神までも濡れて いたそれから紫の上の様子はすっかり 変わっ [音楽] た 坂木サグが異性へ下る日も近づいてきた6 条のみやどは心細を思ったけれども現時の 君の心が蒼いの上の泣き跡になっても ますます自分から離れていくのを見て いよいよ思い切って異性下ることに決め た現時の君はそれを聞くと哀れに思って 消息だけは度々情けを込めて帰っ たその頃6条のみやどは野宮に移っていた ので一度異性下る前に名残りを押しみたい と思ってある日現地の君はそこへ行った 現地の君は今日を離れて佐野へ出ると急に 寂しさが身に染むのを覚えた脳遠分って 行くと秋草の花は裏がれて草村の中に泣い ている虫の根も絶え絶えに聞こえ た野宮に近づくと風がかすかにことの音や ビの調べを吹き送ってき た現地の君が何と言っても最初は会おうと しなかった6畳のやどもしには て素子のそばまで出てきた現地の君は すだれの下から手にしていたさきの枝を 差し入れてこの歯のように今も心が変わら ないという歌を読ん だ女が異性下ってしまってからの寂しさを 思うとこれまでなぜもっと会っておか なかったのだろうという心も起こってのは 涙を流し たすだれの中からは女のすすりなく声が 漏れ た月は野の果てに静かに沈んでいっ たそれから6条の見やすどこが異性立つ まで現時の君はどこへも出ずに寂しい顔を して家にばかりこもってい

た異性行く女の車が二常院の前を通ったの はまだ夜明け前の王子も暗い自分であった 現時の君ははるかに遠い旅の空を思いやっ たその年の10月先手のご病気が急に重く なってご防御になっ た4日までは尿や行為もその五所にこもっ ていたがれが過ぎるとみんな散り散りに 別れていった年が改まって春になった けれども世の中はなんとなく寂しかっ たその中でも現時の君の寂しさはまた人で 地目の日が来てもその門を訪れるものが なかっ た月男はその年の2月に内助になって日電 から古殿に移っ た三門のごちいも深かったので華やかな時 は送っているものの現時の君のことが忘れ られないで今でもはな恋を手紙のやり取り で続けてい たある夜現地の君は初めて女にあった廊下 のそばの部屋でおぼろ月よにあった 今が盛りと思われるほど美しい姿が現地の 君の目に生めかしく移っ た間もなく夜明けになったと見えて都の このの人たちの交代する声が聞こえ始めた 現地の君は暁月の霧に紛れて機殿を出る ところを藤壺の御殿のはとの影に立って 今の当の中将で殿の兄である人に見つけ られたのを知らなかっ た藤壺の宮は九州へ行って遠宮にお会いに なることも思うようにならないので今では ただ現地の君ばかりを力にしているのだ けれどたみに思うその人がややともすれば 昔のようなそぶりを見せるのが心苦しかっ た三門が何にも知らずにお隠れになったの も空恐ろしい上に今もしそんなことが知れ たならば東宮の身の上はどうなるであろう 藤壺の宮は気筒までさせて現地の君が 思い切るように念じ た女がそうまで思っているとも知らずにの 君はある夜藤壺の宮のとろへ忍んでいった 藤壺の宮は驚いて夢かと思った色々書きい たけれども女は耳にも入れなかっ たそのうち世が開けて女房たちがこっちへ 来る気配がしたので現時の君は我知らず 押入れの中に隠れ たの君は1日そこに隠れていてその欲また 女に向かってその無常を恨んだ固く女の 着物を掴んだ男の手には黒髪が乱れて 絡まっていた藤壺の宮はいよいよ世を捨て て天になろうと思い定めたこの恐ろしい恋 から逃れるにはそうするより他に道が なかっ た現地の君は藤壺の宮に思い知らせようと 思って会たいのを耐えて日を送っていたが ある日つれづれのあり落海の秋の景色を

見ようと思って紫ののウリ院へ行っ た母方の叔父のそうになっている自重の寺 に23日止まっていると秋のを覚えること も多かっ た紫の上のところへ手紙を出すと 可愛らしい字で返事が来た去年の秋野宮へ 行ったことなども思い出され たいつかまた冬が来てしぐれの降る頃と なった変わった世の中がうくなってどこへ も消息を怠っていた現の君ののとこへなん と思ったか内助から手紙をよしてそれには 小の音を聞いても君の訪れかと思い そろうなどという文句があった短い手紙で はあったけれども人目をしんで書いたと 思うと憎くはなかった現時の君は使いの ものを待たせておいて図司の中から投資を 選び出して返事を書い た誰のとこへやる手紙だろうなどと囁く女 たちの声が聞こえ た11月の1日の先の1周期には雪が ひどく降ったそしてその翌月の10日過ぎ から藤壺の宮の補教の発光があった父のの ためと母のきのためと先のためと3日の養 が住んで最後の日に藤壺の宮は初めて自分 が今日から統制するということをみんなに 知らせた叔父にあたる横川の索子が近く 寄って長い黒髪を切った時にはそこにいた 人たちはみんな泣い たの君はこの情けない有様を見て息も 止まるような心持ちがしてしばらくの間は 口を聞くこともできなかっ た庭には雪が残っていて風の激しく吹く 月夜であっ た春になって中ではとかの宴などがある けれども3条の藤壺の宮の屋敷ではただ 哀れな時がくばかりであった家の中の有様 もすっかり変わってすだれの淵も貴重の とばりもみんな青色になりその間から口 なし色の袖口が見え た池の薄氷の溶けるのと岸の柳の恵のとで やっと春が来たということが知れ た今では小伝型の宇大人の一家が世に ときめいていて藤壺の宮に縁のあるものに は地目の日が来ても何の沙汰もないものが 多かった謝大臣も変わったよう嘆いて知子 の表を立てまつった同じ思いの原地の君や 塔の中将は集まって自分の甲などをして心 をらしてい たもうその自分は夏になっていて木橋の下 のバに雨の降る夕べなどもあっ た小月よはその頃怒りを病んで実家の宇 大臣の家に帰っていたちょうど小機殿の 女子も一緒にいる自分だったので恐ろしい ような心持ちもしたが現時の君の思いは かってそれがために募って毎晩のように

通っていっ たある夜の暁月のことであったにわかに雨 が激しく降りだして雷名の音が凄まじかっ たので女たちは怖がってみんな貴重のそば へ集まってきて現時の君は出るにも出られ なくなってしまっ た夜が開けると宇大人も娘の身を暗示て 見舞いに来たがのぼせたような顔をして出 てきた内心の神の袖には薄紫色の男の帯が 絡まってい た貴重のそばに落ちている歌の書いてある 多神を拾おうとして中を覗くと美しい男の 寝姿が見え た多神に描いた歌は間もない現地の君の字 だったので宇大人はそれを持って古殿の ところへ行って話した古殿も右大臣もそれ からますます現地の君を憎ん [音楽] だ 花里人知れぬ恋の悩みは現の君の胸から 耐えたことはなかった上にこの頃ではよう 厭う心さえ起こったしかしさすがにこれ までのことを忘れかねてその妹が恋人で あるので日頃から力になっている霊殿の 女護を尋ねていったのはその年のさだの頃 のことであっ た中川のそばまで来ると立木などの柿の ある小さな家があってそこからは琴とあご の雑草の音が聞こえてきた車から体を出し て覗いてみるとそこには大きな桂の木が あって青い祭りの頃が思い出され たただ1度止まったことのある家だと思い ながら女はどうしているだろと考えている と折柄ほが原地の君の車の上を泣いて通っ た現時の君は車を返してからこみに自分の 訪れてきたことを言わせ た女子と昔話にふけっている間にいつの間 にか夜が吹けて20日の月の弟子となっ た近く咲いた立花の香りが懐かしくここ までも匂ってき たほギスが再び空を泣いて過ぎ た現時の君が自分の恋人の女子の妹花散里 がいる西の座敷にしんでいったのはそれ から間もなくのことであっ [音楽] た 須現地の君のよ厭う心はいよいよ深くなっ ていったそれにこのままでいるとどのよう な浮きに合わなければならないか分から ないような境遇になっていたのでいよいよ 都を去ってどこかへ引退しようと思い立っ たそしてその環HOの場所に須を選んだ そう心を決めると今更のように悲しく思わ れることも多く紫の上がそのことを聞いて 身も世もあられず泣いているのも哀れで

あっ たやいの20日過ぎに都を離れることに 決めたがその23日前に現時の君は謝大臣 の家へいいに行ったフルボ車のミスに隠れ てそっと訪ねてきた現地の君にはただ昔の ことが夢のように思われるばかりであっ た全区航空の大勢の人々を連れて都王子を 歩いた日はいつの夢になってしまったので あろうそれを思うと現時の君の心は 寂しかっ た佐大臣はこんな悲しいことを見ないでよ 去った娘の実を幸福だと思っ た命を長えていたのが恨めしいと言って 探測をし た物語はなかなか尽きなかった青いの上の 忘れがみの自分の子を膝の上に抱いて現時 の君は悲しみを隠しきれないように見えた そのうち塔の中将も来た酒を飲みながら 話しているうちに世も吹けたので現地の君 はその晩はそこに泊まって帰った現時の君 は道すがら赤月の空にある月を眺めて女の 泣きがを鳥辺山で焼いた夜を思い延べの煙 に似た模を焼く煙を見るために自分は妻へ 行くのではなかろうかと思っ た二常院へ帰ってみると女たちも夕べは寝 なかったと見えてみんな悲しそうな顔つき をしていて家の中もなんとなく寂しかっ た西のタの紫の上のところへ行ってみると 行子も閉めないでよ明かしたと見えて素子 に寝ている笑わなどもあった紫の上が悲し そうに別れてから後のことなどを訴えるの を現時の君はなめながらもいじらしく思っ た2人は別れを惜しみながら昼頃まで寝た 起きて髪を撫でようと思って鏡に向かうと 現時の君はひどく痩せた自分の顔がその表 に移るのを見た影のように痩せてしまった という過ち事を聞いて女は目にいっぱい涙 を浮かべながら鏡に影だけでも残っている ものならば鏡を見てでも慰めることができ ますのにと言って嘆い た現時の君は花散里のとへも糸まいに行っ たおぼろ月よのところへも消息を書い たその日がいよいよ迫ってきたので現時の 君はその支度に忙しかっ た物々しい強度の類いは1つも持って行か ないで書物を入れた箱の他には一面のこと だけを携えていくことにし た留守中の家のことは万事シナ言に任せた 召使いのものをみんな呼び集めて主持の 品物をことごとくそれらの人たちに分けて やっ たいよいよ明日立つという日の夕方に原地 の君は北山にある父の御門の三にお別れに 行って途中雨になった藤壺の宮の家に糸 乞いによって親しくミスのそばで言葉を

かわし た現時の君は今更のように自分の罪が帰り 見られて開国の涙は人に流れ たみぎへのこてを聞いたけれども天は何と も言われない現時の君は月の出を待って ここをじして北山に向かっ た友のもは56人ばかり悲しそうな顔つき をしながらみんな馬で後から続い た下鴨の社のそばへ来ると祭りの日の盛ん だった有様を思い出して中には声をあげて 泣くものもあっ たみささぎへ通う道は草がしって分けて 行くと膝の辺まで梅雨に濡れ たぎをいると現の君の目にはア日の父の幻 がまざまざと見えた月が隠れて辺りは急に 暗くなっ た現時の君はその夜の赤月に帰ってきた そしてその日は1日紫の上と一緒に暮らし て夜ふけてからいよいよ須に向かって今日 を立っ た仮犬に身をやした旅姿の現地の君は月も 出たようだから見送ってくださいと言って 女を誘ったすだれをあげて泣く泣くいり 出した女の姿はいつまでも現時の君の目に 残ってい た日の長い自分だった上に風もちょうど 追い手だったので船はある日の夕方妻に ついた振り返ってみてはるばると来たこと を思うと貝のしさへ涙ではないかと怪しま れ た現時の君の環HOの家は昔雪平の住んで いた家のそばにあった海から少し離れた山 に寄ったところにあるかき屋根の家がそれ であっ たのは池を掘らせたり木を植えたりして そこに住んだが話し相手のないのがまず 何よりも寂しかっ たそのうちに長雨の頃となった今日のこと など絶えがく思い出されるので現時の君は 使いをやってここかしこへフを送った みんなそれぞれ返事のあった中にもの宮の よした歌はことに悲しかっ た紫の上からは無間の人の切る模様のない 脳死差しのきが届い た小月きの手紙は短かったけれども嘆いて いることがすぐに知れ た6畳のみやども伊勢からわざわざ使いを よした花散里の手紙にはこごまとその後の 様子が認めてあっ た小月は罪を許されて再び中に入った三門 は昔に変わらず内助をごちいになってある 時は還元をお聞きになり ながらこんな時に現時のいないのが寂しい と言われることもあったまた内のが涙を こぼすのを見て誰のために流す涙だろう

などと言われることもあっ た須の海には空風が吹き始めた海からは 遠いと言っても夜になると波の響きは枕に 近く聞こえて現時の君の夢は幾度となく 破れた1人目を覚まして風の音を聞いて いると涙は我れ知らず流れ落ちた起きて ことを引いてみたが我れながらものまじく 思われてやめ た自分の心を察してケのものが忍びに泣い ているのを聞いて哀れに思った現時の君は それからは勤めて涙を見せまいと思った 現時の君はそれからは冗談を言って気を 紛らし字を描いたり絵を書いたりして慰め ていたことに平部に書いた絵は優れていて 東台の上手と言われる血やつのりに採食さ せても恥ずかしかららぬ出来栄えであっ た今はみんな世の物思いなどは忘れている ように見え 洗剤に草が咲き乱れている夕暮れに海の 見える廊下に出て教を読んでいる現地の君 の姿はこの世のものとは思われないほど 美しかっ た濃いシオンの色の脳を着て帯はしけなく 乱れていた舟歌の声を聞いても狩の泣く声 を聞いてもこぼれる涙を現時の君は黒い 年中をかけた手で押しにっ た都では月日が過ぎるに従って現時の君を 思う人が多かっ た初めの間はみんなからの消息が絶え なかったがそのうちにコ機殿の怒りに 触れるのを恐れてだんだん訪れをしなく なっ た妻には冬が来て雪が吹き荒れる頃となっ た後ろの山から芝を抱く煙が立ちのぼるの を原地の君は悲しく眺め た須の冬は現地の君が来たために一層寂し さが増したように見え た暁月の空に泣く地どりの声も哀れに 聞こえ た証はそこからすぐ近くにあってそこには 何がしという入道が住んでいた入道には 1人の娘があったので現地の君が妻に来て いると聞いてその娘を是非さし上げたいと 思っ た入道はサコの中将までもなった人だった のでこの娘も美しくはなかったけれど上品 でとはおさおさ都の女に劣らなかっ た娘は自分の身の上を知っているのでもし 自分の思うような人を夫に持つことができ ないと決まれば一層雨になるか死ぬかして しまおうと思っていたそして身の幸せを 祈るために年に2度ずつ住吉へ申出 たそのうち須にも春が来た現時の君は去年 来た時庭に植えた作の咲たのを見ると園に 思い出されることも多く涙ぐまれ

た死神殿の桜も今はちょうど盛りであろう と思うとぞの漢王の疑の時の有様が目に 浮かんだそれに引き換えて今年はなんと いう寂しい春であろうと現時の君は思っ た2月の末に思いがけなく塔の中将が わざわざ須に現地の君を尋ねてきた久し ぶりであったので2人は目を見合わせて涙 をこぼした党の中将は今は参議になってい たがそれでも世の中が面白くなくの君が 懐かしかったので後のとめも忘れてきたの であっ た彼の目には家の作りが遠がめえて 面白かっ た2人は積もる話をして泣いたり笑ったり しながら夜を明かした別れ際に2人は声を 合わせて酔って悲しみの涙を注ぐ春の逆月 のうちと歌って酒を組ん だ主人は客に黒馬を送り客は主人に一巻の 笛を残した2人はいつまでも別れたくない ように見え たやいの1日は身の日にあたったこの日に みぎをすると良いことがあるというので 現地の君は海辺へ出て音名をを呼んで払い をさせた船に片しを乗せて流すのを見て 現時の君は我が身を見るようで悲しかっ た原地の君が我が身の縁を訴える歌を読む と風がにわかに吹き出して空は一時に暗く なった今にも落ちるように雷が鳴って海が 白く光り稲妻がひらめき始めた 波にさらわれそうになる中を現地の君は やっと我が家にたどり着いたみんなが驚き 騒ぐ中にあって現地の君の教を読む声が 静かに聞こえ た赤月形になって現地の君がしばらくの間 うとうと眠ると不思議な姿の人が来てなど 宮よりお召しあるには参りたまわぬと 繰り返して言いながら歩き回る夢を見た はっと思って目を覚ました現地の君は竜王 に見いられたのではあるまいかと思って 恐ろしかっ [音楽] た 明暴風雨と雷名とは数の間続いていつ止む とも思われなかっ たそっと都へ帰ろうかとも思ったけれども 許しが出ないのにそんなことをしては恥を 重ねるようなものだと思い返して辞めたが そのうちに暴風雨はますます激しくなって いくばかりであっ たその中を濡れねになってついた今日の紫 のからの使いのものから都もひどい暴風雨 で祭りごとも耐えていると聞いてその方の ことも現地の君の心にかかっ た現地の君は今はもうこの世の終わりで あろうと思った一心に住吉の神に癌を立て

ていると突然の凄まじい音がして家続きの 屋根に雷が 廊下はその日のために焼けてしまっ た急いで現地の君を大殿に移してその世は みんなここに集まって祈っ た夜に入ると風が止んで空には星が見え 始めたすだれが吹きしらされたのでなお 名残りの波の高い潮の満て来るのが月の光 でここからも見えた 日頃の疲れが出たと見えて何かに 寄りかかったままうとうととまろむと現時 の君は図らずも父の御門をまざまざと目の 前に見 たどうしてお前はこんなところにいるのだ 住吉の神が案内してくれるから早くここを 去ったが いい自分はこれから今へ行くという声は まさしく父の三門のお声だったので現時の 君は自分も一緒に行きたいと思って目を 上げるともうそこにはお姿が見えなくって ただ月の前を通りすぎる雲が心ありげに 動いているばかりであっ た現地の君はもう一度お姿だけでも見たい と思って目を閉じたがどうしても眠ること ができなかった 夜明け前に長に一層の小舟がついて23人 の人がこっちへ近寄ってくるのが見えた誰 だとケに聞かせるとそれは明の入道からの 使いで1日の身の日に夢のお告げがあって 13日には船の支度をして須へ迎えに行け と言われたので自身がかけてきて船に待っ ているということであっ た現時の君はどうしようかと思いまった末 夢で見た父の御門の言葉もあると思って すぐに証に移ることに決め た人目につかないように世の開けないうち に船に乗った船は不思議なような追い手に 吹かれてまたたくに証についた 入道の家は都にも劣らないほどの結構で あった入道が念仏ざまにこの世を送って いる銅などもあって重きのあるその住まは 山の方と海の方と2つに分かれてい た現時の君はその浜の館に住むことになっ た入道の喜びは例えようもないほどであっ た現地の君の美しい顔を見ると月と人を 一時に得たような心持ちがして幾度か手を 合わせて住吉の神を拝んだ現時の君はそこ に落ち着くと今日から来た使いを呼んで都 の人たちへの消息を託し た紫の上への返事の中には夢の仲なる心地 にて筆をとるだにおぼつかなく 相老などという文句があっ た空はすっかり晴れて海には漁船の影が 見えた現時の君は須よりも晴れやかな海の 景色につれづれを慰められることが多かっ

た入道はどうかして娘を差し上げたいと いう心を現の君に知らせたいと思って もどかしがっていたがどうも言い出す檻が なかった娘は現地の君を垣間みて世の中に はこんな美しい人もいるのかと思っ た4月のある月代のことであった現時の君 は淡路島が夢のように浮かんでいる静かな 海を眺めていると住み慣れた二常員の池水 が思い出されて園に今日が恋しかっ た久しく手を触れなかった金を袋から 取り出してはなくかき鳴らす現時の君の姿 をみんなは悲しそうな顔つきで見てい た涼さんという秘曲を心を込めて引いた時 には聞く人はみんな心が動かれた入道も 念仏を辞めて急いできてその調べを聞いて 涙をこぼした美和やことを取り寄せて自分 は美和を引き現時の君にはことを進め た現時の君はことを少し引いてからこれは 女が引くのが良いと言った入道はちょうど 良いだと思って自分の娘がことを引くこと を現時の君に言っ た私よりは上手に引きます一度お聞かせ 申しとござい ますという入道の声は震えていたニドは それから自分でことを引いた現時の君は 手拍子を打ったその世が吹けて辺りが静か になってから初めて入道は自分の心を 打ち明けて泣く泣く娘のことを現地の君に 頼ん だその翌日の昼頃現地の君はコマのくるみ の髪に手紙を描いて娘のところへ送った娘 が恥ずかしがってどうしても返事を書か ないので入道が書い た道のくの古ぼけたのも面白かっ た2度目の手紙の返事は娘が自身で書いた と見えてこを抱きしめた紫色の紙に筆の跡 がただならず乱れてい たその年は今日でもも騒がしいことばかり 続いた3月の13日の暴風雨の晩三門は父 の三門の夢をご覧になった四神殿の木橋の とに立って恐ろしい顔で睨みながら現時の 君のことを大世になった言葉がいつまでも 三門の耳に残っていた三門はそれから目を 病んで悩みは事に思っていくばかりであっ た夢のことが気になるので現の君を呼び かそうとなすったけれども母の呼機殿は どうしてもそれをお許しにならなかっ たそのうち証にはまた空風が吹く頃となっ た現時の君は入道に娘をここへ呼べと言っ たが娘はどうしてもそれを炎寺ないで とてもこの世ではおにかかれないと思って いた現の君をかまみることができたのさえ 見にることだと思ってただはな諦めの中に その日その日を送っていたしかしその諦め はそう長くは続かなかった現時の君はそれ

から間もなくこの女のとへ通っていった それは13日の月の明 であっ た現時の君は女の顔を見て6畳のみやどに よく似ていると思った貴重の紐が何かの 表紙にことにあたって音を立て た現時の君は人目をばかってあんまり しげしげとは通わなかった女がそれでも 恨みも言わず諦めたような様子をしてのを 童はたまらなくいじらしく思っ た現地の君の心はやはり今日に残してきた 紫の上から離れなかった隠しておけない ような気がして今度のことも夢語りのよう にして手紙の中に打ち明けて書い た現時の君が流理の身となってから3年目 の春が来た 三門はご病気があるのでご上位を思い立っ れたがまだ年の若い東宮の貢献をするもの は現時の気味をおいて他になかっ た三門は呼機殿の止めるのも聞かずにその 年の7月の末に現時の君を召喚する戦事を 出しになっ た現の君はそれを聞いて喜ばしく思うと ともにまた悲しくも思っ た女との間には今はもう立ちがい絆があっ た入道は娘の身の行末を思って胸が塞がっ た今日から迎えの人たちが嬉しそうな持ち をして来たのとは打って変わって入道は涙 に顔を曇らせてい た日立つという日に現地の君は女のとへ 行った2人は別れを悲しんで泣いた後で男 は金を鳴らし女は続いてことを引い た原字の君はまた会うまでの片だと言って ことを女の手に渡し た別れる日が近づくに従って現地の君の女 を思うは次第に募っ た涙の中に現地の君は証を立った途中何で みぎをして住吉へも大3のもを立て た道を急いで今へついて久しぶりで二常院 へ帰るとみんな夢かとばかり喜んで 嬉し泣きの声が家の中に満ちた 紫の上は3年の間の苦労のために髪が少し 薄くなってはいたが現時の君の目にはかっ てそれが美しく見え た証の女のことを妬むようにほのめかして いうのも生め かしい現時の君は今更ながら自分と紫の上 を隔てた世の中が恨めししかった まもなく現地の君はごダイナゴンになった 8月15日に現地の君は久しぶりで散大し て三門と様々のお物語があった九中の女 たちはみんな現地の君の顔を見て泣い [音楽] た 身を

尽くし10月には現地の君の営なんだ選定 を追善苦よの発光があったある年の2月に は東宮が11歳で元服をされたが美しい顔 はますます現地の君に似てき た同じ月の20日過ぎに三門はにわかにご 上位になっ 東宮には正殿の女子の王子が立った現時の 君は内大臣になった佐大臣は打上大臣に なって接しを兼ねた党の中将はご中名言に なった世の中の有様は再び変わってこれ まで沈んでいたその一門にもまた華やかな 時が巡ってきた しかしその中でも泣き蒼いの上を思い出し て嘆くものはあっ た証の女のことを忘れる時はないのだ けれどもつい忙したに紛れて消息もし なかったが3月の初めになってから使いを やると女の子を産んだという知らせを持っ て帰ってきた現時の君は今日に迎えて産ま せてやればよかったと思ったけれどもう 生まれた後では仕方が ないいつだったかスよを見る総人が子供が 3人生まれて1人は三門となり1人は妃と なり残る1人は打上大臣となると言った ことも思い出され た現時の君はよそからそんなことを聞い たら帰って心持ちを悪くするだろうと思っ て紫の上にすっかり打ち明けてしまっ たそのうち今日へ連れてこさせようと思う から憎まないで くださいと言っているうちに現時の君は なぜか悲しくなって涙ぐまれ た紫の上も年頃の熱い情を思うと証の女 などは有りのさびの恋に過ぎないと思って 別に妬む心も起こらなかったがそれでも ことが上手だという話を聞いてからはこと に手を触れる気になれなかっ た明の女親子を今日へ迎えるために現時の 君は二常院の東の御殿の修善をせかせ たわざわざ今日から送ってやった目のとは よく現時の君の子になつい た5月5日は50日にあたるので祝いもを 持たして使いをやったニドはそれを見て 嬉し泣きに泣い た使いの持って帰った証の女の手紙が哀れ だったので現地の君がかわいそうにと 独り言を言っているのを聞いて紫の上は 恨みがましいことを言った女の手紙の上 包みに書いた筆の後のうしいのを見てこれ だから原地の君が就寝なさるのだと紫の上 は思っ たその後現時の君は思い出したように 花散里を尋ねた月の曇った悔いなの泣く夜 であった女は数年前の別れの悲しかった ことを話した家も以前よりも荒れて

凄まじくなっていた現時の君はなおおぼろ 好きよとも昔のような恋を続けようとした が女はこの前に懲りて応じなかっ た8月にはご中な言の娘が代して機殿の 女子となった中にも様なことがあって 慌ただしく時は過ぎていっ たその年の秋現の君は住吉に申出た癌を 果たすためだったので美しい行列で出かけ ていっ た12年産経を怠っていた証の女も ちょうど船で住吉に来たが騎について社の 方を見るとには大勢の学人が並んで立派な 人たちの産経するところであった内大臣の 産経だとそばのものに聞いて懐かしくは 思ったけれどもそれよりも身分の違って いるのが悲しかっ たなぜこんな木に気合せたのだろうと思う と人知れず涙がこぼれ た松の木の間からは青や赤やや木の上の絹 がか知れず見えてその中には証で見知った 人の顔もあっ たはかに現時の君の車の方を見ると同じ ような笑わの水人が住人ばかりもいて思う 人の姿はその辺りには見えなかっ た女は我が子の行末のさを祈りながら わざとそこを避けて何の方へ船をこがせ た現時の君はこれみから聞いて初めてそれ と知って船の女を哀れに思ったせめて消息 だけでもしようと思ってあくる日何を通る 時身を 尽くしこうる印にここまでも巡りあける絵 には しよという歌を多神に書いてこみに渡した こみはすぐにこれを証の女の船に持たせて やっ たはるかに現地の君の行列を眺めて思いを 焦していた女はこの歌を胸に抱きしめて 泣い た日暮れになって夕が満ちてくると入の方 ではつの声が聞こえた現地の君はその声を 聞くと女に会いたい心が切に起こっ たサグが変わったので6条のみやどもまた 伊勢から今日へ帰ってきた現時の君は女の 心をよく知っていたので手紙はやっても 通って行くようなことはなかった そのうちに女が重い病いにかかって雨に なったと聞いて現時の君は驚いて見舞いに 行った女は貴重を隔てて現地の君にあって 泣き後の我が子の最後のことを頼ん だ2人は泣きながら悲しい話をしていたが そのうち明りがほのかにとったので現時の 君は そっと貴重から覗いてみると肩の辺りで 黒髪を切った女の姿は絵に書いたように 美しかっ

たサグももう大きくなって悲しそうに法を ついた横顔が見え たもう帰ってください まし女の苦しそうな声が貴重のあなたで 聞こえた 現時の君は慰めの言葉を残して帰ったが これが長の別れとなって女はそれから78 日過ぎてこの世去っ た葬式や何か死後の営みは全て現地の君の 手で行われたみしになった細分を哀れに 思って現時の君は時々見舞いの手紙などを やったもう大きくなっているのを見ると あいた心が怒らないでもなかっ た6畳の屋敷は見安どがなくなってから急 に寂しくなって西軍は涙がちの日ばかり 送ってい たこの女に恋している人が少なくないのが 現時の君には心配であったそして色々考え た末三門の女子にあげるのが最も良いと 思ってこのことを藤壺の宮に相談をした 現時の君は異性下る時大極殿で見たおかを 忘れかねている上皇の書名を遺言だと言っ て断って西宮を二常員に迎える支度をし [音楽] よぎ原地の君が須明に流理の日を送って いる時都に残って人知れず嘆いている女も 多かったが据えつむ花もまたその中の1人 であっ た絡して頼り女の身には現時の君のカソの 情も身に余る思いがしていたのにそのうち 男は妻へ行ってしまって自分はまた元の 悲しい月日を送らねばならなくなっ た元から荒れていた家はいよいよ荒れて今 ではもう狐の住処のようになってしまい朝 から晩まで不労の声が聞こえて 夜になるとこだまが飛ぶかと疑われ た朝地が庭一面に生えているけれども誰も 刈り取るものもなくよもぎやぐは東西の門 を閉じ込めるほどにしっていた柿の崩れは いつの間にか踏みならされた道になって春 や夏になると場から牛や馬を連れ男もあっ た野に吹きたされた廊下もそのままになっ ていればそのそばの板屋も骨ばかりが口ず に残ってい た朝夕の煙も絶え絶えに今では盗っとも 寄りつかない仕えていた女たちもだんだん 散っていってしまって時々訪ねてくるのは そうになっている兄だけであっ たしかしこういう荒れた家の中でも末花の 住んでいる部屋だけは散りは積もってい ながらも昔と少しも変わらなかった女は そこで寂しい日々を送った時々古風な図司 を開けて空屋の地かぐや姫などの物語を 描いた絵巻を出し見ることなどもあっ たこんなになってからでも自重という目の

の子だけがまめやかに使えていたがこれも 心の悪い末花の叔母が打の第2となった夫 と一緒につへ下る時連れて行ってしまっ た4月のある夜長雨の名残りがまだ少しは いるが空には薄い月が出てい た現時の君は昔の忍び歩きのことなどを 思い出しながら花散里のとへ行く車を急が せていたがそのうちふと森のように木の しげった荒れた家の前を通るのに気がつい た末に絡んだ藤の花の匂いが風に吹かれて 流れてくのを立花とはまた変わった趣きだ と思って目を止めてみるとどうやら見覚え のある家のようだったのでよく見るとそれ は末つむ花の家であっ た現時の君はこみを呼んで中の様子を見 させたちょうどこの時女は夢に父の姿を見 て庭に近い座敷で泣いているところであっ たこれみは庭をかなたこなたと訪ね歩いた があれ果てていて人気もない誰も住んでい ないのだろうと思って引き返そうとして 振り向くと人がいるらしくすだれの動いて いるところがあったこみは近寄って声を かけたが中のものはにカギを着た若い男が 現れたので狐の変ではないかと疑って はっきりした返事をしなかったしかし ともかく女がなおここに住んでいること だけはこれ密にわかっ た現時の君はこのことを聞いてこれまで女 を捨てておいたことを哀れに思いながら車 を降りたこみは先に立って鞭で草の梅雨を 払いながら行った木のしくは雨のように ハラハラと落ちて現時の君の差しのきの裾 はひどく濡れ た女は現地の君に会うのは嬉しかった けれどもこんなところを見られるのを 心苦しく思っ た現時の君が優しい言葉をかけるのにも はかばかしい返事をしずに別れ際に ただあなたは私よりも藤の花を見にいら しったのでしょうと言ったばかりであっ たこの女を哀れに思って現時の君は人を やって家や庭の手入れをさせたその後消息 だけはしたけれども通って行くようなこと もな が2年ばかりしてから事の君は新しく作っ た二常院の東のイに末花を迎え [音楽] た 関谷うせの夫の伊之助は現の君の父の門が 御になって翌年に日の助となって東国へ 下っ た現地の君が妻に言ったことをうせはそこ で聞いてフをやる頼りのないのを嘆き ながらも悲しい月日を送ってい たしかし現時の君の方が先に宮へ帰るよう

になって助が今へ登ってきたのはそのの 翌年の秋であっ た日助が大阪の席へかかろうとする日は ちょうど原地の君が石山寺に申出る日で あっ たそのことを聞いた日之は現地の君の行列 に行き合うようにと急いだけれども女車が 多いのでなかなか道がはらなかったいつ しか日がたけて内浜に来た自分には現時の 君はもう羽田山を超えていた日立の助は 関山で馬から降りて現時の君を迎えた重大 ばかりあった女車は小陰に引き込ませて道 を譲っ た9月の末で山は美しく公用をしてい た現地の君の友のものはみんなつやいた 袖口の漏れた女車に目をつけていっ た現時の君はすだれを下ろしたまま今は上 もの助になっている昔の小君を呼んで話し たが色々思い出すことも多かった23日 散乱してから現の君は今日へ帰っ た現の君はのを呼んでうせのとへ手紙を 持って行くことを頼ん だその中には行きあったけれども顔を見る ことのできなかったのは名残りをしいなど という文句があっ た女からは夢見心地で書いたような返事が 来 たそのうちにひ助は老年のために病気に なった そしてせめて魂だけはうせのそばに残して おきたいと思いながら死んでしまっ たそれからまもなくうせは誰にも言わない でそっと髪を切って雨になった1人失望し たのは現時の君ばかりではなかっ た 絵合わせ 西軍はいよいよ女護になることに決まった 二上院では迎える支度までしてあったのだ が上皇への遠慮から6条の屋敷からすぐ 受台することにし たその日には上皇からも一種の歌を添えた 串箱相互などの祝いの贈り物があ 様々の焚き物の香りは遠くまで匂った現時 の君はこれを見ると兄の上皇の心を 痛ましく思うと同時に罪はみんな自分に あるような気がして悲しかっ た西軍も異性下る時おにかかった美しい 三門のお姿を目に浮かべて変化を書くのも 涙まれ た三門はその時12歳であった年上の女護 が来るのを恥ずかしく思っておいでになっ たが今度時代して梅壺と呼ばれる人を見る と小柄で慎ましやかなのが懐かしかっ たしかし小伝とは1つ違いでもあるし以前 からのお馴染みなので自然その方へおいで

になることの方が多かっ た梅壺とコ機殿との間には早くも蝶を争う きざしが見え た三門は何よりも絵がお好きでご自分でも 上手におかきになっ た梅壺の女子も上手に絵を描いたのでそれ からは三門のお心はだんだんその方へ移っ ていった女子が貴重に寄り添ってエフデを 持ちながら考えている姿はひどく三門の沖 に行ったと見えて足しげくここへお通いに なっ た小伝の父のご中なごはこのことを聞いて 負け嫌いの心から東大の上手に多くの絵を 描かせて娘の女子のとろへ持たせてやっ 女子が隠して見せないので三門は一層その 絵を見たがっておいでになっ た現時の君はその話を聞いてご中なゴの 負け嫌いなのがおかしかっ たそれならば自分も古い絵を持っている から差し上げようと思って紫の上と一緒に 図司の中の絵を選んだが長言家や 君の絵は不吉だというのでやめてしまった そこには須明にいる自分に書いた自分の絵 も入っていたのでそれを取り出して女に 見せ た2人はその自分の悲しかったことを 思い出して涙をこぼし たじっとこの絵を眺めていると現時の君は 証にいる我が子の身の を思いやられ た現地の君が三門に絵を立てまるという ことを聞いてご中なごも一生懸命になって 絵を集め た富の方には昔の物語を描いたものが 多く小機殿の方には近頃の出来事を描いた ものが多かったちょうどやいの初めの のどかな頃で中にもせなどのない自分で あったから絵合わせをして無料を慰めるの も面白かろうということになっ た藤壺の宮もおいでになって判者には旅館 の人たちがなったまず合わせたのは竹取の 沖とうつほの年かとであっ たちょうどここに気合せた現時の君はこの 模しを面白いことだと思っ て同じするなら三門の前でしたらいい だろうと言ったいよいよそのことが決まる と現時の君の方ではただ自分の書いた須明 の絵をその中に加えただけであったがご中 なごはそっと勢の絵を集めて新しく多くの 絵を描かせたそれを聞いて女皇も梅壺に絵 をお送りになったがその中には西宮下校の 時の大玉伝の絵も混じってい たそれは別に人の箱に入れてあって今も その時を忘れないという意味の歌が添えて あっ

た絵合わせの当日には三門のお召で原地の 君もご中なごもその席につっ た左はシタの箱に相王の毛束内式は紫地の 塔の2式で紅に藤重のあを着た我が6人 そばにじし た右は人の箱に先 下机内は青字の後来の2式で山吹重ねの目 を着た笑がこれも同じ数だけそばにじした 女房たちもそれぞれ衣装の色を揃えて左右 に分かれた見物に集まった天井人は高殿の 素子の上まで溢れてい たは打の卒の宮であっ た多くの絵が変わる変わる出されたが中に はどっちを勝ちとしていいか迷われるよう なものもあったそのうち夜に入って いよいよ最後に現地の君の書いた須証の絵 が出 た上手な人が心静かに描いた絵であるから 見る人はみんな骨としてしまって中には涙 を流すものもあっ たとうとう梅壺型の左が勝った夜明けに 近い頃から主演になって色々昔の物語など があっ た卒の宮は現地の君のさを称えながら酔っ て泣い たみんなでことやビを引いているうちに ほかに人の顔が見えるようになり鳥の さえずる声が聞こえて朝となっ た須明の絵は藤壺の宮へ改めて献じられ た現地の君の世う心は映画を極めるに従っ て深くなって執りを思うの念はますます切 になっ たの君は引をする時のために一の騒動を佐 に立て [音楽] た 松風現地の君は新たに作った東の委に 花散里を迎え た証の女のとへも消息を絶やさずいつも 今日へ登るように言ってやるけれども女は やっぱり諦めたような返事ばかりしてい たしかし女はまた我が子の行末を思うと いつまでもこうやって証のような田舎に 置くのがかわいそうにも思われるのであっ た親たちも娘の心を思いやって嘆い た証の女の母の祖父にあたる中塚の宮の 両地が大井川の近くにあったがその後誰も 後を継ぐものがないので家などは荒れはて たままになっていたそれを思い出して入道 は早速娘が住めるようにくわせ た現地の君が立てた騒動はすぐその家のに あっ たこういうことを少しも知らない現地の君 は我が子をいつまでも証に置くのは世間へ の聞こえも良くないと思っているところへ

初めて入道から大いの家へ移るという 知らせがあっ た現時の君からの迎えの人たちは忍びに証 に来 た女は年頃慣れたところを離れる上に父の 入道を1人残して行くと思うと心が乱れ た母は娘と一緒に行くのであるがここで 一緒に死ぬものとばかりを持っていた入道 に別れるのが悲しかっ た証の秋は今年は人を哀れであっ たいよいよ 証を立つ日の暁月が来 た入堂は小屋の勤めからずっと眠られ なかっ た今日へ行こうとする娘の姿を見ると自分 の世に拗ねた一生が悔やまれるように 思い出され たしかし自分はそれでもいいが娘だけは どうにかして世に出したいと思っていたの にその望みも遂げられた今日となっては何 の思いを残すことが あろう入道は娘に今日が長の別れだと言っ た船は朝桐に隔てられていった追い風だっ たので時を耕ず今へつい た大いの家は辺りの水や岩の様子などが証 の海によく似ていたので女にはなんとなく 懐かしかっ た現時の君の訪れてきたのはそれから数日 後であったすぐにも会えると思っていた女 は松風の音を悲しく聞きながらその人の片 のことを引いて心を紛らしていたともする と証のが思い出され た現地の君は紫の上には桂の委から佐賀の 騒動へ回ると言って出かけて大いの家に来 たのは夕方であっ た女は美しい原地の君の脳姿を見ると数年 のうも忘れられ た現時の君もまた玉のような我が子見て なぜ今日までこんな可愛らしい顔を見 なかったのだろうと思って虚しく過ごした 月日を悔やんだその夜は夜通し2人は 語り明かし た翌日原地の君は近くの領地から人を 呼び寄せて洗剤の手入れなどをさせた証に いた自分の話などをしながら槍水をを直さ せたりしている打ち解けた内儀姿の現地の 君を女の母は覗いてみて嬉しく思っ たそこに置いてある赤を見つけて母のいる のに気がついた原地の君は慌ててその上に 脳を着たそれから原地の君は佐賀の騒動に 行って月に3度14日に元15日にあみに 釈迦の念仏ざまを行うように決めて夜に 入ってから帰ってき たその夜は美しい月をであった現時の君は 霊の片のことを引きながらしみじみその夜

のことを思っ たその翌朝少し寝過ごした現の君は今日へ 帰ろうとするところを後を追って桂の院へ 来た天井人からの迎えでそこに行かなけれ ばならなくなっ たUBに抱かれて送りに出た我が子が手を 伸ばして後を慕うのもいじらしかっ た女は思い乱れた様子で貴重の影からこの 頃になって少し太った今が盛りの男の姿を うっとりと見送ってい た現地の君は後ろ髪を惹かれる思いがし たその夜は現地の君は大勢の客と共に桂の 院に泊まって翌日になってから二常院へ 帰っ た現地の君は桂のの賑やかだった話を聞か せたりして機嫌を取ったが紫の上の心は なかなか解けなかっ た夕方出した消息の返事が夜になって佐賀 から来た別に隠すようなことも書いて なかったので女の目の前でそれを読ん で破ってしまってくださいと言って渡した がに寄りかかってじっと明りを見つめて いる目はうるんでいたフは風に吹かれて そこらに広がっ た現時の君が心にかかるのはただ我が子の 身の上であっ た現時の君は紫の上にその子を娘だと思っ て育ててやってくれと頼ん だ紫の上もそれまで隔てられていたのを 恨んでいたのだからそう打ち明けられると 喜んで承知をしたそうすれば子供のない 自分の寂しさが慰められるとも思っ た現時の君は月に2度の念仏ざまの日を 待ちかねて佐へ通っ た 薄雲冬になるに従って大井川に望んだ女の 家は寂しくなってゆくばかりであった現時 の君は思い切って東の院に移るように進め たけれどもそこに移ってもし辛い目を見る ようなことがあってはと思って女は名を ためらっていたそのうち墓の日も近づいて きたので現時の君はその祝いを紫の上の娘 ということにして立派に強でさせたいと 言っ た証の心は様々に思い乱れた我が子紫の上 のところへやってしまったら自分の身は どうなるで あろう自然現時の君もうくなであろうし 我が子を手放してから後の寂しさも耐え られまいしかし我が子の行末を思うと そんなことばかりも考えていられなかっ た占いのものも紫の上へやった方が良いと 言った証は辛いことも悲しいこともみんな 我が子のためだと思っていよいよ現の君の にすることに心を決め

たしになって佐には毎日のように雪が降っ た現時の君が迎えに来たのはその雪が解け 始める自分であっ たこの春から伸ばす髪が肩の辺りまで垂れ ている我が子のあけない姿を見ると現地の 君はこんな可愛らしいものをむ手放す母親 の心が押しはられてつづく女を不便だと 思っ た何にも知らずに早く車に乗ろうとする 我が子を抱いて出た母親はとうとうこらえ かねて声を立てて泣い た娘は車の中で眠ってしまったが抱き おろされて目を覚ましても泣かなかっ た歌詞などを食べいるうちにりを見回して よよ母親のいないのに気がつくと泣き顔を 作っ たしばらくのうちは母を恋しがって泣く こともあったが時に紫の上になついて しまっ た墓の式はまるで雛遊びのように美しく 行われ た後の寂しさを思いやっで現時の君は やはり以前のように佐賀へ通っ た紫の上も美しい子ができてからはもう あんまり妬まなくなっ た女は我が子を手放したことを後悔して 嘆いていたが我が子が幸福な日を送って いるということを聞くといくらか心が慰め られ た正月になって空のうららかな日が続い た現地の君が美しい着物に焚き物を 抱きしめて佐賀の女に通って行くことは年 が改まっても変わらなかっ たその年は空には怪しい星が現れて長底に も騒がしいことが多かっ た音名博士の関門に 非常な出来事があるように書いてあった そしてそれは事実となって正月には打上 大臣が講じ3月にも春から悪かった藤壺の 宮のご病気が急に思っ た三門も母のお見舞いのために良行になっ たが栄を悩ましておいでになる様子は病ん でいる人の目にもらしく見えた頼み少ない というような心細いことをその人自身の口 から聞いて三門はたまらなく悲しくお思い になっ たいつまでもおばにいたいとお思いになっ たけれども御門の身としてそういうことも できず時に観光にならなければならなかっ た現の君もに行って貴のそばへ寄って様子 を尋ね たもう一度昔から言いつくさなかったこと をしみじみと話したいと思っていたがそれ も今ではもう望みのないことになって しまっ

た三門の後ろ身の霊などをおっしゃる声が 貴重越しにかかに聞こえるのを聞いている と現の君はを思いながらも涙をこぼさずに はいられなかっ たまもなく宮はとしの消えるように静かに お亡くなりになっ た若干こぞって服を着た悲しく寂しい春で あった現時の君は二上員の庭の桜を見ても 在世の頃の花の宴のなどが思い出され た自仏道にこもって人目を避けて1日泣き からした原地の君の目には華やかに夕日の さした山の上の薄雲にも悲しみの色が漂っ ているように見え た泣き藤壺の宮の母の木の時代から気の ために中にも出入りをしている層があった もう年は70ぐらいになる労相であったが とにかく世の中が騒がしいところからこれ が最後の本業というつもりでその頃宮中に こもってい たある日の静かな暁月のことであったそう は三門に色々世の中のことなどそうする ついでに老人らしいしきをしながら言い にくそうに三門の母の泣き藤壺の宮と現地 の君との間の秘密で自分の知っているだけ のことを申し上げた女は断るごとに気筒を 頼んだのでそうはその秘密をよく知ってい た三は思いもかけないことを聞いて大きに なってしの間は物をおっしゃることもお 出来にならないそのうちにそう はそらに怪しい星が現れたり不吉なことが 引き続いて起こったりするのは三門が何に もご存じないで父を進化として いらっしゃるためだろうと思われ ますと涙ながらに言って退出し その翌日は昼になっても三門が出漁になら ないと聞いて現時の君はご病気ではないか と心配しながら散大した三門が原字の君の 顔をご覧になって涙をおぼしになるのを 現時の君はまだ泣き母のことが忘れられ ないためだとばかり思ってい たこの日四部教の神能が講じた三門はそう の言った言葉がいよいよ思い当たるように お思いになっ たしめやかなお物語のあった後で世の中の 騒がしいのに耐えられないからくいを譲っ て気楽な身になりたいとおっしゃることも あっ た同じような服を着ていら ので門は現時の君にますます鬼になって 見え た三門はそうの話をお聞きになってからは ご自分でもよく似ているとお思いになり ながら現時の君の顔をご覧になることも あっ たその年の秋の地目の時にくいを譲ろうと

いうお言葉があったけれども現時の君は 固くじした打上大臣になることもお断り 申し上げたので三門は仕方なくくいだけ 11位におすめになっ た現時の君には近頃の三門のご様子がなん となく居かしく思われてならなかっ たき藤壺の宮がを打ち明けたのかと思った が我が子の心を苦しませるようなことを母 の口から言うような思慮の浅いことを しようはずがなかっ た梅壺の女子は秋になってしばらく二常院 へ帰ってい た秋の雨が庭に咲き乱れた草花に降る中を 現時の君は泣き人ののことなど思い出し ながら女子のとこへ来た色の服を着て術を 持った縁な姿ですだれの中に入って貴重を 隔てて女子にあっ た昔のことを思い出して野宮へ行った時の 朝の別れの悲しかったことなどを哀れに 話し たこの日の君は初めて自分がこれまで女子 の世話をしていたのはみんな恋のためだと いうことを打ち明けた女ははかし返事をし なかったが身じろぐ旅に聞こえてくるキれ の音はますます現地の君の心をときめかせ た現地の君が春と秋とどっちが好きかと 聞くと女子は秋が好きだと答えたが紫の上 は春が好きだと言っ た現時の君はその答えをその人を見るよう でとりどりに面白いと思っ [音楽] た 朝顔朝顔は父の四部教の宮のものために鴨 の産院を下った現時の君は以前からこの女 を思っていたのでそう聞くとまた毎日の ように手紙を出したが女の方からは あんまり返事が来なかっ た9月になって朝顔が桃園の宮へ帰ったと 聞いた事の君はそこには自分のおにあたる 女子宮が住んでいるのでそれを過つに 出かけていった尿子宮はずっと独身で通し てきた年寄りはふけた寂しい女であっ た思いがけない訪れをひどく喜んで様々の 物語があった末面と向かって現の君の 美しいのを褒めえて時々見ただけでもおい を忘れ浮世の嘆きも忘れられるだろうと 言っ た現地の君はなんだかくすぐったいような 心持ちがし た家はもうかなり荒れて庭の草も枯れに なってい たそれを寂しく眺めている人を思うとそこ に落ち着いていられなくなって 現地の君は素子伝いに朝顔のとへ見舞いに 行っ

たもう外は暗くなっていたけれども色の ミスからは黒い貴重が空いて見えて甲の 匂いが生めかしく漏れ た女は直々に合わずに次女の戦事に 取り次ぎをさせ たのは女のよそよそしい釣れない仕方を 恨んだけれども女は何事も夢だと思う ばかりと言っていて話をよそにそらして しまった現時の君が味気なく思いながら 帰って行った後には初中の風が寂しく吹い た現時の君はねめがちにその夜を過ごし を早く開けさせて朝の漂っている庭を眺め ていると図らずも先残っている哀れな朝顔 の花が目に止まったその花を女のとへ送る と女からすぐ返事があってそれにはある かきかの朝顔ににし我が身 に などという悲しい文句が書いてあっ たこの頃現地の君がしげしげと桃園の宮を 訪れるのは朝顔に仮装をしているからだと いう噂が高くなってついには紫の上の耳に も入っ た黙って見ていると現時の君はなんとなく 物に憧れるような様子で思い悩んでいる ことのあるのがありありと分かっ た中に泊まる夜も多くなって人の噂が誠だ ということを知ると紫の上の心は少なから ず騒いた紫の上は何にも知らないような 顔つきをして苦しい日日を送ってい た冬になってからのある日雪の降る夕方の ことであった紫の上は現地の君が霊の通り 桃園の宮へ行こうとして着物に甲を 抱きしめながら何か言うのに返事もしずに 娘を怪して知らんかをしてい た現時の君は女の変わった様子を見て 優しい言葉で慰めたけれども 女はただ冷覚と泣くばかりであった現時の 君は女をこのまま見捨てて行くことはでき ないような気がしたが約束もあるので 思い切って出かけ たこんな時が来ようとは夢にも思わなかっ たと悲しみながら女はいつまでも泣き続け てい た紫の上の思い悩んでいる姿を見ると現時 の君もさすがに心を込めて慰めずにはい られなかっ た疑いを晴らして安心してくれと言い ながら涙で癖のついた髪の毛を撫でてやる 現地の君の姿は絵に書いておきたいほど情 があっ た雪の美しい月夜だったので現地の君は女 の心の紛れるようにすだれを巻き上げて 笑わたちに雪まげをさせ た女の心は少し解けて現地の君と一緒に 藤壺の宮を始め多くの女の噂をした現時の

君は多くの女の身を謝らせたということを 思うと涙がこぼれた 月はいよいよ冴えて池では寒そうに推しが 泣い た現時の君はその世藤壺の宮の夢を見 た浮名が立って悲しいと恨めしそうに言う のを聞いて自分も何か言おうとするけれど も口が聞けないうされていると紫の上に りすれて目を覚ました夢の中で泣いたと 見えて涙は枕を濡らしてい [音楽] た 乙藻が開けて晴ればれとした初夏が来た 女腹の日には現地の君から紫の紙に描いた フが藤の花と一種の歌とを添えて朝顔のと へ届い たその中にはあなたがおいでにならないの で今年の青い祭りはさぞ寂しいことだろう などと書いてあった尿子宮は朝顔に向かっ てしりに現時の君と結婚することを進めた が今更そんな気にもなれないと言って聞か なかった 青いの上が産んだ男の子の夕は今年もう 13になったので元服の式が謝大臣の屋敷 であげられた現時の君は最初のこの子の ためにCをこうかと思ったがそれではかっ て身のためにならないと思って辞めた夕は 元服して6位の服の朝木の方を来て中に 帰って行っ た引き続いて夕の号をつつける式が二常院 の東の院で行われ たこれは呪者の家に限ったことで普通の家 には慰霊だったので招かれた人たちは みんな不思議に思いながら集まってき た博士たちは仮で身に遭わない束ををつけ て最もらしい顔つきをして座につい た見慣れない式である上に博士たちがなり たしなどと言って人を叱ってばかりいるの がおかしいので笑い声がそこにもここにも 起こっ た自分などもあの席にいたら叱られる だろうと考えながら現時の君はすだれの中 に隠れて見てい た学問所が東の院に設けられて夕はそこで 厳しく教えられ た45ヶ月のうちに式を読み終わって しまっ たもう漁師を受けさせてもいいだろうと いうので現時の君は試みに自分の前で叔父 たちや死の大内と一緒にの中の難しい ところを読ませてみ た夕のあんまり出来がいいのを見て中には 喜んで涙をこぼすものもあっ た世の実物の死の大内は痩せこけた方に 笑みを浮かべながらしたり顔をしてい

た果たして漁師は無事に住ん だ中ではのことがあったそれには梅壺の 女子と小伝の女子ともう1人四部教の宮の 娘でやはり女子になっている方との間に 激しい争いがあった末現地の君という 後立山kindが木に立っ たこれと同時に現地の君は打上大臣に 塔の中将はう大将から内大臣になっ た現地の君は兼ねて思っていた通り接しも 内大臣に譲っ た内大臣には2人の娘があって小機殿の 女子の他の1人はくいの狩と言って今はア ダイナゴンの妻になっている人に産ませた 女の子であっ たくいのカと夕とは幼い自分から同じ家で 育ってきて雛遊びなども一緒にした中で あったが塔を越してからそう馴れ馴れしく させておくのも良くないというので2人を 分けたしかしもうその時は2人の心に初恋 が恵んでいて子供らしい字の手紙が落ちて いたのを拾ったものなどもあっ たしぐれがしめやかに降って萩に吹く風も も寂しい秋の夕べであっ た内大臣は母のとへくいの狩を呼んでこと や美和を引かせた内大臣は自分の娘の小殿 の女子が梅壺の女子に負けたのを悔しく 思ってこのことだけは現時の君を恨んでい たせめてもう1人の娘のくいの狩を東宮の 木にしたいと思ったがそれも現地の君が証 の女に産ませた姫があるので心を許しても いられなかっ たくいのカが修風落を引いているところへ 夕が来て笛を渡されて面白く吹いた内大臣 は今に生じてサバを歌っ た内大臣はそっと帰ろうとしてロを通ると 自分の陰口を言っているらしいひそひそ話 が耳に止まっ たなんと言っても親ですね何にもご存じが ないんです ものそういうのは自分の娘と友切のことで あるということがすぐにわかっ たまだ子供だと思って油断していた自分の 誤ちを思うと内大臣は世の中のことが 愛しくなっ た内大臣はそのことを思うと夜もろ眠られ なかっ た口を言ってた女たちの中に母が知って 知らぬ顔をしていると言ったものがあった のも心にかかっ たとうとう内大臣は耐えかねて2日ばかり 経ってからまた母を尋ねた何事ともわから ず恨み言を言いながら涙をこぼす内大臣の 様子を母は驚いて目を見張っていたがその うちにそれが夕とくいのカとのことだと いうことが分かっ

たそれは自分の夢にも知らなかったことだ けれどももしくいのカの夫を選ぶならば 東宮を置いては夕にまさるものがないと 思っ た夕は隠していた恋が知れたのを聞いて これからは手紙のやり取りもできなくなる だろうと思うと悲しかっ たどうかして自分の思う乙女に会いたいと 思いながらネタ振りをしていた湯切りは やがて人の寝しまるのを待ってそっとくい の狩のいる座敷のところまでしんでいっ た上が降りていて開かないのでそのまま襖 に持たれていると中の乙女もられのか狩の 声を聞きつけて借金も私のように悲しいの かしらと独り言を言う声が聞こえ た小機殿の女子があけなさそうな日を送っ ているのを見て内大臣は三門に糸を願って 迎えて帰ったそしてその相手にくいの狩を 呼び寄せるにし た内大臣から迎えの車が来た時夕も ちょうどそに合わせていて夕方の闇に紛れ て2人はやっと会うことができ たしばの間は物も言わないで泣いていたが やがて夕が哀れな声 で思いきろうと思っても思い切れないと 言うと女もかかに私もと言ったゆりがまた 重ねて時々思い出してくれるでしょうねと 言うと女は黙って頷いて見せ た夜に入ってからくいのカやついている女 たちを乗せた3台の車は忍びにこの屋敷を 出 た5世の舞姫の1人を今年は現地の君も 出すことになっ た現地の君は今ではせつの神になっている こみの娘をこれに選ん だ舞の稽古があるということを聞いた夕は それでも見たら胸が晴れようと思って二常 院へ来て騒ぎに紛れてあちこちと歩いて いるうちにふと病夫が立っているので中を 覗くと1人の舞姫がくびれた様子で横に なっているのを見つけ た年頃はちょうどくいのカくらいだがただ 少し竹が高く様子にどこかわざとらしい ところがあっ た恋を移すといういうわけではないが暗く てよくは見えないけれどもなんとなく心が 惹かれるような気がしてそばへ寄って着物 の裾を引い た私は党からあなたを思っていたのですと いう声を聞いて女が何と返事をしていいか 迷っているうちにどやどやと人の来る気配 がしたので夕は心を残してそこを去ら なければならなかっ た後世の日には夕は舞姫の恋しさにそっと その姿を求め歩いたけれども邪魔が入って

どうしてもそばに近寄れなかった舞姫たち はみんなカや何え後の払いをしに行った夕 はこの間闇紛れにあったこみの娘がないし の助を望んでいると聞いてそれほど恋い 焦れているわけではないが情けなく思った せめて手紙ででも自分の心を知らせようと 思って緑色の薄よに描いたフを舞姫の兄に こけてやると折りらしくそれは女の父の こみに見つけられた 夕はこんなことをしている間でもくいの狩 のことだけは忘れられずに時々思い出して は悲しそうに涙ぐんでい た翌年の2月にスザ員に行光があっ たその時父の司の試みに応じたしがよく できたので夕はになって自重に任ぜられ た現地の君がこの間から急がせていた6畳 の屋敷の不審は8月になって出来上がっ た亡くなった6畳のみやどの家も中に 取り入れた米町司法の大きな屋敷であっ た羊猿の殿はちょうどその後だったので これは今木になっている梅壺の女子の里に 当てた牛の殿には花散里 犬井の殿には明の女そして辰の殿には現地 の君自身が紫の上と共に住んだ庭もそこに 住んでいる人の好むように作っ たの上のとは春の長めの良いように山を 高く池を広く春花の咲大木をたくさん植え た上になお庭には勾配桜ふ山吹筒などを 植え た梅壺の女子のところは秋の長めの良い ように紅葉をする木をたくさんえて槍水が 音を立てるように岩を組ませ た山からは滝が落ちていて向こうには 織り柄ちょうど鼻の先乱れている秋草の野 が広々と見え た花散里のとろには夏の長めの良いように 竹をたくさん植えた庭には涼しそうに水の 湧き出して泉があっ た森の小陰には山がのようなうの花きを わざとらしく作ってそこには立花なでしこ バラくだなどを植え た証のところは冬の眺めの良いように雪の 降った時の景色を思ってたくさんの松の木 を小く植えた冬の初めの朝霜に花を開く菊 の垣根などもそこにあっ た東の方はババになっていて拉致を結び そのそばにはあめのしげった池があって その向こうは馬屋になってい た悲願の頃に紫の上と花散里の引っ越しが あった紫の上の車は15台も続いてそれに は45位の人たちが大勢ともしていっ た梅壺の女子はそれから56日経ってから 移っ たただ1人証の女だけは10月になって から目立たないように移ってき

た 玉 かいくら年が隔たっても現時の君は夕顔の ことが忘れられなかっ た今もその人の片だと思って河原のイの 恐ろしい一夜を共に過ごした女房のうこは 紫の上のところで使わせていたうこは心の 中で夕顔のことを思い出してもしまだ この世に生きておいでになったならば証の 女くらいの蝶は受けてこの新しい屋敷に 移ってくる女の中の1人だったろうと思っ た夕顔の忘れの玉かはうこが現地の君に とめられて尋ねなかった間に預かっていた メノの夫がダザイの小児になったのでそれ に連れられてつくしに下っ た玉はこの時4つだったが今日を立って 行く船に乗る時母のとへ行くのかと言って 目のたちを泣かせ た過去たちの荒々しい声で歌う船歌も 悲しかっ た小には人が果てても23年の間は今日へ 帰らずそこで暮らしていたがそのうち重い 病気にかかって玉を今へおつれ申すことを くれぐれも頼むという遺言を残して死んで しまっ たこの時玉はもう10歳になっていたが メノとは夫が今日に敵の多かったことを 思うと遺言に従って都へ帰ることも ためらわれ たうっかり月日を送っているうちに時は 流れるように過ぎていって玉はいつかもう 二十歳になっ た泣き母よりも美しく父に似て品があった ので聞きたえて思いを寄せる手紙を送る ものも少なくなかっ た目のとは心配してたかのことを自分の孫 だがかわなものだから都にも帰れないのだ と言いふらして言いよるもののないように しけ た玉は自分の身の上が分かるにつれて世が 愛しくなって年に3は必ず長掃除の時を 送っ たこの頃隣国の肥後の国に大育の感を務め ているある豪族の頭があっていさ色を好ん だところから多くの美しい女を集めてみ たいと思ったそして玉の美しいということ を噂に聞いてでどんな片でも構わないと 言ってわざわざ山を超えて出かけてき た小児には3人の息子があって弟たちは 大育の間の味方になって玉かをやろうと 言い張ったが1人兄の文子の助だけは父の 遺言を盾に取って動かなかっ た初めのうちはかと言い抜けていたけれど もしまいにはもうここにいるのが恐ろしく なってあるよ玉はメノと文子の助と兵部と

いうメノの娘と共に松方から船に乗って 逃げた海賊の船らしいものが飛ぶように 恋いでくるなどというものもあったが響き の名も無事にに通りすぎてそのうちに船は 夜の川尻につい た文子助はハバルとつくしに残してきた 祭祀の身の上を思って涙を流し た今日の九条に昔の知辺が残っていたのを 尋ねてみんなひとまずそこに落ち着い た心細い月日を送っているうちに世はいつ しか秋となっ たこうなっては新物を頼むより他はないと 思って文子の助は先に立って男山の八幡に 申出てそれから大和の長谷寺に回っ たみんな歩いて行ったので4日目の昼近く に馳についてまず山の棒に宿を取った ここに休んで観音に建てまる透明の用意 などをしているところへまた1組大勢の友 を連れた三経の人たちが来たので玉の方は 手立ての幕の彼方へ追いやられてしまっ た後から来たのは昔夕顔に使えていたうの 一光で度々こうやってに来るのであっ た両方とも幕を隔てているので気がつか なかったが疲れて横になっていたうこは 聞くともなく聞いているとふと主人らしい 女に物を言っている男の丁寧な言葉遣いが 耳に入っ た身分のある人らしいが誰だろうと思って その幕の間から覗いてみると どうやら男の顔には見覚えがあるはっきり 誰だか思い出せないでいるところへ呼ばれ て出てきた女を見るとこれは疑いもなく 夕顔に一緒に使えていた三条という女で あっ たうこはなんだか夢のような心持ちがし た主人というのはひょっとしたら忘れがみ の娘ではなかろうかと思ったうこは三条を 呼びにやって久々で愛もしまたそのことを 聞こうと思った三条は最初は人違いで自分 を呼びに起こしたものと思っていたが顔を 見ると時にうこんだということが分かった 隔ての幕を取り去ってみんなその不思議な 怪光を喜んだがうこから夕顔の死んだこと を聞いた時は今までそのことを知らなかっ た人たちはむせ帰って泣い た3日三郎をしている間にみんなは色々の ことを語り合っ たうこはこの哀れな娘の身に幸いあれと 祈って元文にも藤原の瑠璃の君のためにと 書かせ メノは早く父の内大臣に知らせてくれと 頼んだけれどもウコンは金金原地の君が 夕顔だと思って世話をしたいと言っていた 言葉を思い出してまず現時の君に申し上げ てからのことにしようと言っ

た互いにとなどを聞きかわしながら別れて 行く人たちに谷から吹き上げてくる空風は 肌寒く吹い たうこは六上院へ帰ってきたアルバ現時の 君の足をさすりながらそのことを言い出し たがありのままに言うのは心苦しくって 少しは純色を加えて話した紫の上はわざと 眠そうな様子で袖で耳を塞いで話を聞か ないふりをしてい た現時の君は忘れがのこの娘を母の夕顔へ の罪滅ぼしに自分のことして引き取ろうと 思っ た哀れに吐かなかった恋を思うと現時の君 の目はおかうるん だ現時の君はたかの消息の返事がこを 抱きしめた塔の紙に歌など書いてあるのを 見て我が子として引き取っても恥ずかしく ないと思っ た紫の上には内大人の子だということを 打ち明けて表向きだけ自分の子にして 花散里の殿の中にあった文殿を外へ移して そこに引き取っておくことにし た紫の上が顔のことをこれまで隠していた のを恨むと現時の君はもうこの世にいない 人なのだからと悲しそうな顔つきで言っ た10月になってから玉は六上院へ移って きたその世現地の君は会いに行ったが女は 恥ずかしがっていて明りに背けて顔見せ ないしかし美しいことだけはそうやってい てもわかってかかに変事をする声は母の 夕顔にそっくりであっ た現地の君はその声を聞くとまた河のイの 夜が思い出されて涙をそっと袖で吹い た今ではもう中将になっている夕にもで ある人を尋ね出して連れてきたから むつまじするが良いと現時の君から言って やった夕が本当の姉だと思って訪れてきて 懐かしそうに何か言っているのを見て知っ ているものは哀れに思っ た文語の助は現地の君に使えてたか好きの 警視となった 年の暮れには絹配りのことがあったホボの 女に送る着物を原地の君は紫の上と共に その人に似合うように選びまけたまず紫の 上に選んだのは勾配色の浮きものあるエ そめの優れた派手な小うであっ た浅い色の海辺の模様の小内に紫がかった 火の上着を重ねたのは花 さ燃えるような赤い色の小内に山吹き色の 上着を重ねたのは玉というように現地の君 は選んでいっ た村の上は選ばれた着物の色や模様によっ てそれぞれ その人の美しさが分かると思って妬まかっ たそれと知った現地の君はわざと据えつむ

花のために美しい人が着るような緑地に からくを見出しておった生めかしいものを 選ん だ梅の枝に鳥と蝶の飛んでいる模様の品の 良い白地の小内には証の女 に青くくんだ色の地味な小内にはうせの天 にそれぞれ送られることになっ [音楽] た 初音六上院にはうららかに美しい春が巡っ てき たその年は正月元日が寝の日だったので 現時の君が夕方物静かになってから証の姫 の方へ行ってみると庭ではわたちが小松を 引いて遊んでい たそこには証の女から歌詞を入れたひり子 が来ていてそれには優しい歌が添えてあっ た現のは長い間合わない母の心を思い合っ て思わずほろりとしながらも娘に返しの不 を書かせ た現地の君はそれから花里のところへ行っ た物寂しく暮らしているこの女には自分の 選んだ花色の内儀がよく似合っ た黒髪も もう盛りを過ぎて薄くなっているのも哀れ であっ た去年の物語など隔てなくしてそれから 現地の君は玉のところへ行っ たまだ映ってきたばかりで調度も整ってい なかったがそれでもさっぱりと落ちついて 見え た山吹色の内が美しいな顔によく似合って 苦労している間に細った髪が上着の裾に 乱れてい た現地の君は紫の上のところへも遊びに 来るように玉かに行ってそこを出 たもう辺りが暗くなってから現地の君は証 の女のとへ行った廊下の戸を開けると 焚き物の香りが風の間間に漂っていて生め かしいがなんとなく 気高い中に入るとそこらに相子が取り しかしてあるけれども女の姿は見えないで 白い空に式の縁を取った人のそばには一面 のことが置いてあって変わった形をした日 には自重という名前のりの甲がくらして あっ た現の君はふと机の上を見ると手習いの ように我が子を思う歌などを書き散らした 髪があったので自分もこれにいたずら書き をしながらつくづく女を哀れに思っ たやがて出てきた女には白い内がよく 似合った現地の君は正月早々ホボから妬ま れることだろうと思いながらもとうとう その夜はここに止まってしまっ た賑やかに新年の日は過ぎていった年賀の

客の中には今年は玉かがいるのでそれに 仮装をしてくる若い人たちも多かった現時 の君も紫の上から恨まれているを知ってい たので務めて客に接して紛らしていた客も 少なくなって少し静かになってから現時の 君は東の院に別れて住んでいる人たちのと へ行っ た現地の君は末つむ花を日立ちの宮の娘と いうところから人前だけは丁寧に取り扱っ てい たしかしもう髪にも白髪が混じって相 変わらず鼻の赤い顔を見ると着ている緑色 の内木さえ凄まじく思われて思わず表が 背けられ たうせの行いすましている甘姿は原地の君 にも哀れに見え た青くくんだ色の貴重の影に隠れるように 座 同じような色の内儀を着ていたが袖口だけ 薄紅に色なのが生め かしかしに使えさせるようにしたのも みんな自分の罪だと思うと現時の君は 涙ぐまずにはいられなかっ た今年は男とかがあった中から員に回 原の君が上院に来た時にはもう夜も明け方 になってい た薄雪が少し降った庭には月の光が 凄まじく冴え渡っていて山場色の消毒をし たとかの人たちのかざしの花には思い出し たように降る雪が時々かかっ た現の君はこ 玉を明の姫に合わせ [音楽] た 胡蝶やいの20日過ぎに6上院では新しく 作った空船の船おろしがあっ たその日は歌さの学人たちを呼んで新王 たちや神立目を大勢招い た竜頭劇の空船はちょうど帰っておいでに なっていた中宮型の女たちを乗せて山影 から南の庭の大池の方へ漕ぎ出してきた 絶え間なくそうせられる学の根につれて 空風のかずにゆったわたちはたにさを操て 船を進め た山々は桜や富が今を盛りに先乱れて山吹 の影を移した池の表には水取りがのどかに たれてい た現時の君は紫の上方の女たちをみんな 釣りに集めて見物をさせ た夜に入ってからも庭にかがり火を焚いて 一晩中舞を待ったりサバを歌ったりして 遊ん だ賑やかな学の根はぎっしり車の立ち並ん だ門の外までも漏れて聞こえ た現時の君は集まってきた若い人たちが

みんな玉に思いを寄せているのが自分の 思う壺に行ったに北笑まれ たあくれば中宮が初めて美郷の日であっ た現時の君を始め多くの天井びたちは みんな束をきえて昼過ぎからそっちへ行っ た紫の上から仏前へ捧げる花は蝶と鳥の姿 をした我が8人鳥の姿をしたものは桜を さした銀の亀を蝶の姿をしたものは山吹を さした金の亀を船に乗って持っていっ た船が山影を出ると風が急に吹いてきて亀 の桜が少し散っ た玉に思いを寄せて消息をするものも 多かったが現時の君自身も時々そういう 生めた心が起こっていそみんな打ち明けて しまおうかと思うことなどもあっ た現時の君はみんなからよす不を見て返事 を書いていいものには返事をかけと言って 進め た兵部教の宮の手紙にはイライラした恋の 心の切がありありと見え た髭黒の大将の手紙には真面目な人の恋に 心を見出した様子がまざまざと伺われ たこうやって手紙を見ていくうちに花色の 髪を小さく折って結んだのが出てき た現時の君が誰からのだろうと思って開け てみるとそれは内大臣のこの柏の中将が実 の妹と知らないで心の竹を述べたもので あっ た現地の君の玉を思う心はだんだん恋と 変わっていったが今更それと言い出すこと もできないで悩んでい た初夏のある日の夕方事の君は雨の上がっ た後の庭の楓や柏の若を見ているとふと また玉が恋しくなって1人でそっとしんで いっ た女は打ち解けた姿で横になって手習いを していたが現時の君を見ると恥ずかしそう に起き上がっ たその様子がいかにも夕顔に似ていたので 現時の君はもう耐えられなくなってその手 を取っ た現時の君は太った柔らかな女の手を握り ながらこれまで隠していた恋を少しずつ 打ち明け始め たこれからも隠しているからあなたも人に 隠して思って ください私は誰よりもあなたを思ってい ますなどという男の言葉を女はただただ 浅ましく悲しい思いで聞いてい た風が吹き出したと見えて外は竹のなる月 をであっ たその翌日現地の君から手紙をやると女 からは ただ心地あしくそえば 何事も申し上げかねそえと道のくに書いた

返事が来 た現時の君はその返事を見てなんとなく 張り合いがあるような心持ちで微笑んでい [音楽] た ホタルの君に思いもよらない恋を打ち明け られてからは玉は1人で人知れず心を 苦しめてい た母の夕顔が生きていたらこんなことも あるまいと思うと今更のように自分の白明 が悲しまれ た兵部教の宮はその後耐えず消息をしてい たがさだの頃に近いある日おそばで話を することだけ許してくれと言ってきた手紙 を現時の君が見てこの人ならば良いと思っ て返事も自分が口伝えにして書かせ た女もこの方からの不味だけは別に恋しく 思うのではないが少しは心を止めてみる ことがあっ た宮はその返事を見るとすぐその日の夕方 女のとろへしんでいっ た女はつどのそばの人音に宮を座らせて 自分は貴重を隔てたはか奥の方に隠れた まま返事も女房の最小に継がせ た現時の君はさっきから奥に来て焚き物を 炊いたり何かしていたがそれがかって恋を 忘れようとしてでもいるように哀れに見え た空はおぼつかなく曇って夕闇はだんだん 濃くなっていっ た宮が静かに切ない心を語る言葉を しみじみ で聞いていた現の君は上にほだされるよう な心持ちがして恥ずかしがる女を進めて 貴重のそばに座らせ た宮の物語は長く続い たそのうち原地の君が都女のそばへ寄って 貴重の片を1枚横へかけたかと思うとさと 四則でも灯しつけたように急にあたりが 明るくなっ たこれは現地の君が薄い髪に多くのホタル を包んで袖に隠して持っていたのでみに女 の美しい顔を見せようとする戯れなので あっ た女が奥で顔を隠した様子は嫁にもひどく なめかしかったホタルはなおそこここに 光ってい た5月5日には6上院の馬場で記者の催し があった現時の君はそこへ行くついでに玉 のところへ寄って宮の話をした後で あんまりお近づけ申さないが良いなどと 言った花散里のところはババに近いので ここには見物の人たちが大勢きてその中に は兵部教の宮の姿も見え た古江の中将や少々が連れ立ってきて やがてその遊びが始まったが女たちには

なんだか分からなかったけれどもとりたち まで縁なをしているのが美しかっ た競馬や打球などもあって勝負の声が 騒がしいうちに夜になったので今日の模し は終わりを告げ たその年はさだの間が長かったのでどこの 殿でも獲物語などを読んでその日その日を 送っていた つくし育ちの玉かには獲物語が珍しかった ので開けくれそれに読みふけっていると 現地の君も時々訪れてきて作り話によく身 の入ることだなどと言って笑っ た昔の物語の中にも自分のように真実な恋 をしている はない でしょうと現の君が頬を寄せて言うと女は 顔を背けながら親が子に恋するなどという ことは世の語り草になるばかりだと浅まし そうに答え た内大臣は現時の君が美しい娘を呼び迎え たということを聞いて自分もどうにかして 1人娘が欲しいと思っ た姉の小機殿の女子はきのくいを争って 負け妹のくいのカも遠宮の女子にと思った のが夕のために思うようにならなくなっ たそうなるとこれまでは忘れたようになっ ていた夕顔との間にできた女の子が 思い出され た息子たちにもこの話をして行方知れずに なったのだがどうしただろうなどと幾度も 繰り返していっては悲しんでい たある夜見た夢を占わせると今は他人の子 になっているが近いうちにわかると牧者は [音楽] た 常夏ひどく暑い日であった現地の君が夕や 親しい天井人たちと釣りの上で進んでいる とそこへ内大人の息子たちが揃ってきた風 はよく吹き通すけれどもがてセのなく音も 苦しい現時の君は打ち解けた姿で横になっ ていたがふと思い出したように弁の少々に 向かっ て近頃ない大臣がよそで生まれた娘を 引き取ったという噂だが本当かと聞い た噂に言うほどのことではございませんが この春父がそういう夢語りをいたしました のを聞いて娘だと名乗ってきた女があるの でございますいやもうそれが大変な女でま に面木がございませ ん少々が恐縮しながら答えるのを聞いて 現時の君は世間の噂は嘘ではなかったと 思っ たしかしそう言ってくるからにはまんざら 縁のないものでもあまいと微傷しながら 言った現の君は今度は夕に向かってそう

いう落ち葉を拾ったらどうだ同じ姉妹だ からいいだろうとあけるような調子で言っ た現時の君は夕とくいの狩の恋のことでは 内大臣を恨んでいたのでこのくらいの 当て付けは人に聞くがいいと思ってい た夕風が涼しく渡る頃となったので現時の 君はもう若い人たちから厭われる年になっ たなどと冗談を言いながらわざと座を外し て玉のところへ行っ た若い人たちがそれを送りながら庭に来て なでしこの花の間を商用しているのを現の の君はすだれ越しに玉に見せ た月のいい夜だったので庭にかがり火を1 つ炊かせ たその世現地の君は内大臣がまだ塔の中上 自分夕顔がなでしこの花を手紙に封じて この花のような子を忘れないでくれと書い てやったという話をすると女はしくしく すすり泣きをしながら聞いていた現時の君 はあけくれ女のことばかり思い続けて片時 も忘れることができなかっ た思いきろうと焦れば焦るほど現時の君の 煩悩はましたあんまりしげしげ通っていっ て心のとめる時は毎日のようにを書い た少々は現地の君が今度探し出した大の ことを聞いていたということを父に話し た内大臣はそれを聞くと娘の身を謝らせた 夕のことが今更のように恨めしく思い出さ れ たなんとか言ってきたならばやるまいもの でもなかったのに現時の君の方からは何と も言ってこなかっ た親心で娘の実を安んじながら行ってみる とくいのカは薄物の人へを着て奥を持った 手を曲げて枕にしてうたをしてい た娘が目を覚まして赤くなった顔をあげた のを見て内大臣は歌はしない方がいいよと 優しい声で言っ た大美には内大人も少なからず心を痛めた ちょっと愛嬌のある顔で髪も綺麗であるが 額の狭いのと声の癒し口なのとが全ての ものを下品に見せた内大臣は自分の顔の どこかにいたところのあるのに気がつくと 苦笑せずにはいられなかっ たこんな女を家に入れた自分の警察を食い たけれども今更出すというわけにも行か なかっ た大美は小機殿の女子のとろへ青い敷に 怪しげなガゴ混じりの手紙を書いて出した がその端にはのわからぬ歌が書いてあって 漂っているような書の中でも死の字は特に 長く引っ張ってあっ [音楽] た かがり火この頃世間では何事につけても内

大臣の今姫のことが噂に 現の君は自分でそういう噂の種を作るよう なことをしている浅はかな内大人の心を 笑って笑い物になっている大美を かわいそうだと思っ た玉はその話を聞いて自分ももし現の君が なかったならば同じようなありを受けたか もしれなかったと思うと男の情けを しみじみと身に覚えてそれからはだんだん 打ち解けていっ た初中の風が涼しく吹く頃となっ たなんとなくうしい心持ちがして現時の君 はしげしげと玉かずのとこへ通っ た5日月は早く入ってしまって涼しく曇っ た庭の萩の夜風になる外れの音も哀れで あっ たことを枕に2人は並んでうたをしていた があんまり世をふかしては人に怪しまれる と思って現時の君は起き上がっ た帰ろうとしたが庭のかがり火が消えそう になっているのを見てもう1つ槍水のそば に新たに炊かせ た現時の君は女の黒髪を持てあびながら かがり火の煙は消えても自分の胸の恋の煙 は消えないなどと過ち事を言っていかにも 帰りたくないように見え た 夕のとへはまた内大臣の息子たちが遊びに 来ていると見えて層に合わせた笛の根が 夜風に吹かれて聞こえてき [音楽] た 野木今年はいつもよりも激しく野気が吹い たその頃中宮は六上院に帰っておいでに なったが美しく咲いていた庭の秋草の花が 無惨にも風に吹かれてしれるのを見ると 見るに絶えないほど心が痛ん だ紫の上も庭の萩が風に置きするのを縁に 近いところに出て見ていた 現地の君が明の姫のとへ行った後に夕が 野木の見舞いに来 た夕は何心なく若殿の胡障子の上からつま の空いている隙間を除くと大勢の女の姿が 見えたので立ち止まって見てい たずっと見通れるひしの間にいる人は紛れ もなく紫の上で気高く清く 美しくそれで下るばかりの愛嬌があっ たミスが風に吹き上げられるのを女たちが 慌てて抑えるのを見てどうした表紙か笑顔 を見せたがそれがまたさらに美しく縁で あった 風に苛まれる草花を愛しがって見捨てて奥 に入れないでいるのでも優しい心を持った 方だということがわかっ た夕の胸はかかに震え

た父が自分を遠く隔てて見せないようにし ていたのは見れば必ず心を動かすという ことを知っているからだと気がつくと急に 垣まみの罪が恐ろしくなっ た現時の君が帰ってきた様子なので夕は今 来たように小作りをして素子の方へ行っ た現時の君はその足音を聞い てお前はどこにいたのだと怪しむように 聞い そこへババや釣殿が危ないなどと言って 駆けつけてくるものもあっ た夕は現時の君の言いつけですぐに参上員 の祖母の見舞いに行っ たその世夕は嵐の音を聞きながら眠られ ないままに恋しいくいのカのことは忘れ ての上の影ばかりを思い浮かべてい たなぜこんなに思ってはならない人のこと ばかり思うのだろうと思うと我と我が心が 恐ろしくなっ たしばらくは外に心が紛れていても時また 夕の目には見てはならない幻が見えるので あっ た赤月型になってから風が少し静かになっ て雨が降りだし た夕はまだ世の開けないうちにもぐる おしい心持ちで6上院へ急い だ横編がすだれから冷たく車の中に 吹き込んでき た紫の上のとこに行ってみるとまだも開い てい ない夕は乱に寄りかかって吹き荒れて日田 や河などの散った庭を眺めているうちに なぜだかハラハラと涙がこぼれ た中ではやっと目を覚ましたと見えて 聞き取れないくらいな声で話し合っている 様子だったがふと聞こえた月の別れという 言葉だけがはっきり夕の耳に残っ た現時の君は夕を中宮のとろへ見舞いに やっ たそこではシオンやなでしこの色のあを着 た45人の目の笑わが草村の梅雨を虫かご の中に移してい た光子を開けて出ていた女たちは夕を見る とみんなすっ中に入っ た夕は現地の君からの向上を述べてまた紫 の上のとろへ帰ってきたがふとすだれの間 から漏れた袖口を見るとその人のように 思われて胸が騒い だ現時の君は夕を連れてホボの女のところ へ見舞いに出かけ た証の女は秋の哀れが身に染むような様子 でことを引いてい た現地の君はただちょっと見舞いを言った だけですぐに玉のとろへ行くと寝過ごして ちょうど鏡に向かって化粧をしているとで

あっ た昨日の風で平部などは畳んであったので 外に待っている夕にも貴重の隙間から覗く と中の様子がすっかり見え た現時の君がまるで恋人とたれるような 調子で物を行っているのが夕には不思議に 思われてならなかっ たなのにどういうわけだろうと思ってなお じっと見ていると現時の君は手を伸ばして 端れになっている女を自分のそばへ 引き寄せようとし た黒髪がハラハラと乱れて女は困ったよう な顔つきをしていたけれども別に驚いた 様子もなくそのまま現の君の膝にに持たれ かかっ たそれから現時の君は花散里を見舞って 帰ったが夕はどうしてもさっき見た不思議 な光景が忘れられなかっ たそして自分もなんだか憧れるような 心持ちになって証の姫のとへ行ってすりを 借りてくいの狩へ送る手がを書い [音楽] た

元放送局アナウンサー、落語と漫才、ミュージカルの舞台にも立つ椋本友子(むくもとゆうこ)の大人の朗読ちゃんねる。
今回は、吉井勇訳「源氏物語」総集編:上、【桐壺~野分】を朗読しています。田辺聖子が「格調に満ちた名訳」と称えている、一番やさしい源氏物語です。後半も順次アップします。夢浮橋までお付き合いください。

🔶『源氏物語』(げんじものがたり)
平安時代中期の11世紀初め、紫式部によって創作された長編の虚構物語。正しい呼称は「源氏の物語」で、「光源氏(ひかるげんじ)の物語」「紫の物語」「紫のゆかり」などの呼び方もある。後世は「源氏」「源語」「紫文」「紫史」などの略称も用いられた。主人公光源氏の一生とその一族たちのさまざまの人生を70年余にわたって構成し、王朝文化の最盛期の宮廷貴族の生活の内実を優艶に、かつ克明に描き尽くしている。これ以前の物語作品とはまったく異質の卓越した文学的達成は、まさに文学史上の奇跡ともいうべき観がある。以後の物語文学史に限らず、日本文化史の展開に規範的意義をもち続けた古典として仰がれるが、日本人にとっての遺産であるのみならず、世界的にも最高の文学としての評価をかちえている。主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会を描いた。

🔶紫式部(むらさきしきぶ)
平安時代中期の作家・歌人、女房(女官)。作家としては日本文学史を代表する一人。
正確な誕生年は特定できないが、近年の研究では、天禄元年(970年)から天元元年(978年)の間に生まれ、寛仁3年(1019年)までは存命したとされる。
『源氏物語』の作者とされ、藤原道長の要請で宮中に上がった際に宮中の様子を書いた『紫式部日記』も残している。
『源氏物語』と『紫式部日記』の2作品は、後にそれぞれ『源氏物語絵巻』『紫式部日記絵巻』として絵画化された。また、歌人としても優れ、子供時代から晩年に至るまで自らが詠んだ和歌から選び収めた家集『紫式部集』がある。『小倉百人一首』にも和歌が収められており、中古三十六歌仙および女房三十六歌仙の一人でもある。『古今和歌集』以下の勅撰和歌集に、計51首が入集している。
父の藤原為時は、官位は正五位下と下級貴族ながら、花山天皇に漢学を教えた漢詩人、歌人である。紫式部は藤原宣孝に嫁ぎ、一女(大弐三位)を産んだ。長保3年(1001年)に結婚後3年程で夫が卒去する。その後『源氏物語』を書き始め、その評判を聞いた藤原道長に召し出されて、道長の娘で、一条天皇中宮の彰子に仕えている間に『源氏物語』を完成させた。

🔸吉井 勇(よしい いさむ)
1886年(明治19年)10月8日 – 1960年(昭和35年)11月19日は、大正期・昭和期の日本の著作家、歌人、脚本家。華族(伯爵)でもあった。
北原白秋らと「パンの会」を結成。石川啄木らとは雑誌「スバル」を発行して耽美派の拠点とした。人生享楽の世界を歌った『酒ほがひ』(1910年)で注目された。ほかに『祇園歌集』(1915年)など。

ー目次ー

・桐壺  0:00:00
・帚木  0:15:16
・空蝉  0:32:16
・夕顔  0:40:44
・若紫  1:05:00
・末摘花 1:20:58
・紅葉賀 1:28:22
・花宴  1:36:06
・葵   1:42:50
・賢木  1:57:41
・花散里 2:10:05
・須磨  2:12:14
・明石  2:28:36
・澪標  2:42:11
・蓬生  2:52:17
・関屋  2:58:29
・絵合  3:01:40
・松風  3:09:52
・薄雲  3:18:09
・朝顔  3:30:01
・乙女  3:36:51
・玉鬘  3:53:08
・初音  4:06:21
・胡蝶  4:12:14
・蛍   4:18:28
・常夏  4:25:09
・篝火  4:30:50
・野分  4:33:23
 
「源氏物語」原文朗読、桐壺1

「源氏物語」原文朗読、桐壺2

「源氏物語」原文朗読、桐壺3

大人の朗読

芥川龍之介作品

「古典文学」

太宰治作品

海外作品シリーズ

夏目漱石作品

日本の昔話

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⭐朗読の担当者
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椋本 友子(むくもとゆうこ)
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・元福島テレビアナウンサー
・テレビ大阪契約アナウンサー、FM京都ラインキャスター、MBSレポーター、ラジオ大坂ほか、多数のテレビ、ラジオ番組に出演。

「朗読ユニットおとめ座」を立ち上げ、
太宰治没後70年にあたる2018年には「太宰に恋して♡」朗読会を東京と大阪で開催。
生誕110年に当たる2019年の春には、生誕の地青森県五所川原市金木の雲祥寺で奉納朗読を、太宰ゆかりの浅虫温泉でも朗読会を開催。
ストアカで声と話し方、朗読を教えている他、大阪で2つの朗読教室を主宰。
2023年には、台湾の日本人学校の子どもたちに「日本語と日本の話芸を楽しむ会」
台湾大学日本語学科の学生たちに、「伝わる日本語のための日本語発声講座」を行った。

ミュージカル女優、アマチュア落語家「都亭エリザベート」としても活躍中!
2022年「全国女性落語大会」準グランプリ受賞!
2022年「社会人落語日本一決定戦」第三位受賞!
また漫才コンビ「あいまい」としてM-1グランプリにも挑戦中!

サムネイルイラスト担当
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アートイラスト早紀さん
https://coconala.com/users/3556683
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#朗読  #源氏物語 #総集編

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