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【天地静大 第十一回】山本周五郎の傑作長編〜毎週土曜夜八時〜  朗読時代小説  読み手七味春五郎 発行元丸竹書房

【天地静大 第十一回】山本周五郎の傑作長編〜毎週土曜夜八時〜  朗読時代小説  読み手七味春五郎 発行元丸竹書房

【天地静大 第十一回】山本周五郎の傑作長編〜毎週土曜夜八時〜  朗読時代小説  読み手七味春五郎 発行元丸竹書房

朝顔の 日記それでどうした一郎は茶をすすりその キを持ったままでトルを見た分からない トルは片手でそっと膝を打った高源寺と いう寺を間に両側が武屋敷だった朝になっ て大量の血の流れた後がありそれも綺麗に 掃除されていたしその辺りで切り合いが あったことも怪人とか死体など見たものは ないというのだ大川へ投げ込みでもしたの ではないか血だまりは一所だけでよそへ 動かした様子はなかったそうだ内藤一郎は 静かに茶をすすりしばらく考えをまとめて いるようだったが やがてそのコリアを当たってみたかと聞い たもちろん言ってみたとトルは答えた大発 のものは何も知らないだろうが籠は現場を 見たはずだそれで聞いてみたけれどもいつ も雇いつけのかやが出払っていたため辻 かごを呼んだということだったその辻かご は見つからなかったその近所のものでは なかったかもしれないしそんな出来事に ぶつかったとすれば仮に四重を見ていたに してもかりいになるのを恐れて名乗っては 出ないと思うそんなところだろうな一郎は そっと頷いた判定の方は行ってみたのか 俺は除籍されているし学KAへ届けが出て いないとすれば判定へ戻っていないことは 確かだと思う最も聞こうと思えば聞く法も あるけれどそうだな学KAへ届けが出て ないとすると判定問い合わせることはない だろうまだお話ですかそう声をかけられて 振り向くと縁側のとに服が大きな手を下げ て立っていたもめの細かい柄の浴衣にくん だような地味な色の帯を締めたきをかけて いた画然を待ってきましたの服は言った お兄様もお食事よもう少し話があると一郎 が言った杉浦も一緒でいいだろうそれは 持ってお帰りせっかく支度をしたんです ものこちらで召し上がっていただきますわ 言い出と聞かないやつ だどうぞお話をてくさい私勝手で支度をし ていますから服は通に微笑みかけ手を下げ て裏口の方へ回ったここは内藤家の離れで 元委居所だったという思に接してはいるが 別胸で水中のできる勝手がついているし その外にすぐ井戸があっ たその手紙に即死のようだったと書いて あり現場に多量な血が流れていたとすすれ ば俺は大川へ投げ込んだものだと思うがね と一郎が言ったそれなら死体が上がるはず だ海へ出てしまったとも考えられるだろう 先頭に聞いてみたんなとトルが言ったこれ は当てにならないかもしれないが洪水でも ない限りあの辺りで投げ込まれた死体が海 まで持っていかれることはないみでも同じ

ことだが人間の死体は必ずと言っていい ほど元の場所へ浮きあると言っていたよ 怪談話のようだな一郎は茶番号を言った しかし川筋で働いているものが言うのだ からことによるとそういうものかもしれ ないなとするとあとどうする吉岡は青龍組 の3人を探し出すと言っている青龍組だと いう証拠はあるか小平校の学生だとすれば その他にはないだろう証拠はないんだな俺 が一度僚で見た水谷さんの部屋で土屋 マンゴが興奮して何かえていたし出てきた 時にも何か威嚇するようなことを言ってい たんだそれだけでは証拠にはならないなと 一郎は首を振ったたえ土屋がやったとして も否認されればそれっきりだそれはまずい よ吉岡泥を履かせると言っていた珍しく 本気に思い詰めているようだしおそらく 事実を突き止めるんじゃないかと思う任せ ておくんだな一郎は静かに言った俺も一は 水谷さんに参っていたいつか行ったと思う があの人は学生たちばかりでなく学問所の 教官にさえ一目を置かれている確かにあの 人は学問もあるし才能も凡だがそれは物を 作り上げたり積み重ねたりするものでは ないあの人は自分の知識を現実長老に使っ ているだけだ極端な言い方をすれば青龍組 なんかの方があの人よりある点で世の中の 役に立っているようんいつかそう言ってい たことを覚えているトルは陰気な口ぶりで 答えたしかしそれはこうじゃないか内藤は 一時水谷さんに神福しいだが水谷さんが そういう人だと気づいて離れたそれがもし 内藤にとっていいことだったなら青龍組も 世の中の役に立つという意味で内藤のため に役立っていいのではない か我々はどんなものからも学び取ることが できるし学びとらなければならないだろう 全と悪とが対立して始めて善というものが 認められるんだ善悪の差を認めることは いいが悪をさばいたり原DOMしたりする ことは不必要ではないか場合によるんだよ 悪ならむしろ悪でいいんだと一郎が穏やか に言った悪よりも人をどするのは自分では 現実に何もせず世の中や人間の努力を共同 することだ伊谷さんはそういうものを長老 したことはないがねいやあの人は自分の 博学多をさえ長老しているあの人の歩いた のは自ら滅亡する道だよそしてもうよそと 苦笑しながら調子を変えていったそれで吉 から知らせが来たらどうする出かけて行く つもりなのか恩義があるからね三谷さんに 対する恩義なら他に返す法があるだろう 勝手の方で服がおほんときった席をした そういうことは吉岡に任せておけよ杉浦に は杉浦の道があるそんな接し沙汰には

関わらないことだな一郎は立ち上がって 縁側へて空を見上げて今日も晴れそうだな と言っ た一郎が去るとまもなく服が食前を運んで きた発を温めたのよ服は前立をしながら いつもの通り休みなしに話しかけた火種を 持ってきてかでちょっとソを燃やしたら すぐに温まったというのであるこっちには 小鍋や食器が一通り いので自炊をするつもりならできるのだが 服が世話をするというしトルも慣れてい ないので寄食して以来ずっと食事は賄って もらうことにしていたおかが少なくて ごめんなさいこれも晩旅の言葉であった ナキ左門が不良に死んでから内藤家の勝手 は苦しくなるばかりだった門は感情業所に 務めていたし薬とも3000国余りの縁で あったが人情による変死で800国に削ら れた上家督をした一郎は拳し切りになった 3000国取っていても実習はもっと 少ないしそれだけの格式や付き合いの入費 などで家計はそれほど楽ではなかった内藤 家はその中でも内福な方だったようだが いきなり800国まで削減されてはたまら ないガフの野中老妻は別として歌下木の 多くに暇をやり一郎の母や服が勝手を賄う ということになってしまっ た左門を切った相手は今でも分かってい ない人情の原因も偉人の巨竜地問題らしい というだけではっきりしたことは不明の ままであっ た父が何を考えているか俺は知らないと郎 はから言っていた俺が洋学に一生をかける と知ってから俺の邪魔をしないようにと 勤めの関係や政治問題について話しかける ようなことはないその点で俺は不幸な子だ と 思う父の変死について一郎はあまり こだわっていないようだ口では少なくとも 世の中がこんなあり様だからねと諦めた ように言っているがそれが本心かどうかは とにも討はつかなかっ た私ね事に座るとすぐ服は秘密を明かす ようにトルの目を熱心に見つめながら 囁き声でこう言った私ねおそが少し曲がっ てんのよトルはまきをして服を見た本当な のよと服は言った鼻のとろからずっとこう いう風に線を引いてみるでしょう私おしを つけて糸を垂らしてみたのそうするとね胸 のとろからお腹の下あら嫌だ恥ずかしい服 は動かしていた手をやめ慌ててその手で顔 を隠したトルも眩しいような感じになった 鼻から胸胸から服部へと彼女の手が動いて いくに連れて若い匂やかな肌の膨らみや 丸みが見えるように思えからで

あるおかしな人だなと徹は箸を取っていっ たへそは体の成虫線にあるんですそれが 曲がったところにあるなんて本当それが 本当なのよ服は言った抑えていた手を離す と彼女の顔が赤く染まっていた糸を垂らす でしょうそうするとおへそがどうしても糸 から右の方へ寄ってしまうの よ へそが正位置から外れているなどという ことはありえないそんなことは絶対にない のだトルはそう言おうとしたが服の真面目 な表情を見るとせっかく信じているものを 壊すように感じられて口には出せなかっ た服は17になっても子供だってよく言わ れるでしょうトルに休をしながら服はいつ ものように楽しそうに続けた自分では そんなはないと思うのよ体だっていつか お母様と一緒に風呂へ入った時お母様が服 の体を見て随分綺麗な体だねって おっしゃったわそれからあなたはおさんが 軽いでしょってトルは不審そうな目をした ここで分かるんですって服は両手で腰の 周りを撫でて見せたトルはドギマギして シワの方へ目を向けた本当よ腰回りの大き さで分かるんですってと服は言ったお母様 は腰が細いのでおさんはいつも重かっ たっておっしゃったわ服は自分では大きい とは思わないのよでもお母様は服は気合が するのだっておっしゃったわはい飯をよる ために盆を差し出しながら服は唇を固く 引き締めよそった茶碗を渡しながらトに 笑いかけ たご飯を時には口を聞いてはいけないんで すってゆやそよがいなくなってから服は 色々なことを覚えたのよ今ちゃんと黙って よったでしょおその方はどうしたの腹嫌だ 服は持っていた盆で顔を隠したがすぐに それを膝の上へ下ろしていったつまりね服 は子供らしく見えるかもしれないけれど そんなに子供じゃないってことなの よ書き物だって普通の人の読むものは 間違いなく読めるし集字だって一緒に稽古 している人たちより上手だと褒められる 下女が少なくなってからは母に教えられて にをするが3度に1度くらいは母が びっくりするほどうまくやれる洗濯もする し縫い物ではもう袴も縫えるお張は袴が 縫えるば1人前なのだそれからね私今ソバ を習ってるのよと服は言った一家のお勝手 をうまく切り回しにはどうしてもそ番が できなければいけないんですすってそれ だって人より覚えが早いって言われてよ 要するに精神的にも肉体的にも自分はもう 立派な大人なのであるそれをいつまでも 子供だって言われるのはおへそが曲がって

いるためじゃないかと思うのどうしてだっ てどこかおかしな人のことをへそ曲が りって言うでしょそれはちょっと違うと 言いかけてトルは思わず失笑し飯つぶが喉 に使えて激しく咳き込んだ服は驚いて 飛び上がりトルの脇へ行ってその背中を 慣れたり叩いたりした大丈夫もういいトル は服の手を押し返し返しを出してまだ 咳き込みながら顔を拭ったいつもこうなの よとは言った何かするとすぐに失敗して人 に迷惑をかけるのよごめんなさいそうじゃ ないトルは首を振り返しで口の周りを吹き ながら言ったあなたが悪いんじゃありませ ん今言ったへそ曲りっていうのは本当に へそが曲がってるんじゃなく意地なものと かひねくれた人間のことを言うんですよ手 は服のように本当におその曲がっている ものはもっとひどいのねもうその話はよし ましょうへそが曲がっているなんてあなた の勘違いですよいや彼は箸を持った手を横 に振って服が何かいようとするのを遮った 今度またよく見てごらんなさいよきっと あなたの間違いだからしかし今はもうその 話はよしにしましょうお怒りになったの 怒りやしませんがまたむせると困ります からね服は小さなをめて恥ずかしそうに 笑った食事の後茶を出して前王片付けに 立った服は片手を背に隠したまま来てトル の脇へ座り眩しそうに目を伏せたなんです とトルが聞いた服はまた顔を赤くした読ん でいただきたいものがあるのよと服が言っ たでもまた杉浦様がむせるといけないと 思ってそうみに無やしません何の本です本 じゃないの服はまだ片手を後ろに隠してい た私の日記よ徹は飲みかけていた茶碗を口 のとろで止めた杉浦様がうちへいらして からのことを書いたのよお世辞なんか使わ ないで正直にあなたのことを書いたのなん とまた服が見た通り感じた通り書いたの私 こういうものを描くのが好きなのよそして はいという風に1つ釣りのさしを差し出し たそれはちょっと怖いな大丈夫よ服は杉浦 様にお点が甘いんですものお世辞を使わず にですかトルは受け取ってそう言いながら 表紙を見た自分で閉じたのだろう現時の 地文のある色の表紙に朝顔のきと書いた 大戦が張ってあり藤茅と署名してあった これはあなたの名ですかそうなのこういう ものを書く時にはいつもその名を使うのよ 服っていう名私大嫌いなんですどうして ですだって平石のヤオ様の買って いらっしゃる猫が服っていうなんですもの 可愛いからでしょ私は可愛くていかにも あなた名だと思いますがねあら猫と同じで も猫の名は後からつけたんでしょあの方は

服に当てつけたんだと思うの服は考え深 そうに表情を引きしめた岡本の美様がそう 言ったのよ服や服やって呼ぶと私がっぽを 振ってくるようでいい気持ちだっって矢が そう言ったっていうのよ徹は微傷しながら 言ったそういうことは本人の口から聞く までは信じてはいけませんね杉浦様はいい 方ね服は目を細くした服がいけませんでし た人の言うことをそのまま信じてお友達を 悪く思ったりしてはいけないのよお母様 からもよく言われていたのに私悪い子でし たわさあさあそんなに大げさに考えるほど のことじゃない分かればいいんですよ私 それ読んでいただくのが怖くなりました逆 になりましたね徹は笑って日記を差し出し た持っていきますかいいわ服は唇を 引き締めた一度決心したんですもの読んで いただきますわその代わりお気にいらない ところや服の間違っているところがあって もお怒りにならないで服が後片付けをして 去ってからもドルはしばらくの間 微傷しながら座ってい た温かでたっぷりとした豊かな感情で全身 を包まれたような気持ちであったおかしな 娘だと彼は呟いたしかしなんという可愛い 娘だろう服と話した後はいつもこうだ どんなに不愉快な思いをした時でも服と 話した後は心が落ち着き汚れをさっぱり 落としたように清々しくなり温かな優しい 気分に浸されるのであっ たやがて彼は持っている朝顔のニを食って み た第1ページには去年の4月の日付があり 今日から杉浦様が委居所に移ってこられた という意味のことがかなり巧みな画分隊で 書いてあっ た杉浦様は背が高く主がで早発がよく 似合う声は深みがあって静かだし話し方に 特徴がある何か言う時一度心の中で行って みてから初めて口に出すというように 聞こえるそれは用人深いというよりも話し 相手の気持ちを傷つけまいとする優しい 心遣いのように思えるこれは同棲して いらっしゃるためだろうが自分には帰って 時々ではあるがそれがじれったく感じ られるくらいだトルはそこまで読んで自分 の顔が赤くなるのを感じた辛辣だなと彼は 呟いたいつこんなところを見ていたの だろうだがその次にはもっと驚くような ことが書いてあったドル自身は覚えてい ないが内藤には全てを打ち明けているので 多分2人だけの時に話しているのを聞いた のだろうがふさのナホのことが印しであっ たただ聞いただけではわからないが杉浦様 には心に思う人がいるようだ名はふの名

年上の方らしく江戸へ出てきてどこかの 制約所に身を寄せていらっしゃるとのこと だ杉浦様はその方と行末を誓ったのにその 方は杉浦様に連れなく会うのも嫌がると いうことであるがおそらくその方は杉浦様 を愛してはいないのだと思うもし少しでも 愛していればどんな事情があろうとも合わ ずにはいられないはずだからであるこれ だけは女同士の気持ちだから自分にはよく わかるトルは日記を膝の上へ下ろし た ナホが自分を愛していないという観察は ともかく服がナホの存在を知っており そんなに関心を持っているという点にトル は驚いたのである彼は日記を膝の上に置い たまま毒を見るともなく空間へ目をやっ たやっぱりそうだトルは初めて服に会った 時彼女がふの名に似ていると思っただが どこにも似たところはなかった服は初め から自分になついていい帰りがけに送って きて同かで大胆にというよりは無きに 寄り添いまた来てくれるかと問いかけた庭 の大きな鳥かごの中に市場の白さぎがいて 彼女がそれを救った話をし た自分は心を惹かれたのだナホに似ていた のではない服に愛を感じたのだもしも人間 の心に愛の占める部分があるとすればナホ の閉めていた部分に服が入ってきたの だほにもう会いに来ないでくれと言われた 時自分はそれほど深く傷つかなかっ たあの後安電波郎にに金を届けるため月に 1度は訪れたしほともあったしいて面会を 避けようとはしなかったが会うと言っても ほんの立ち話をするくらいでナホは少しも 落ち着かず子供たちに呼ばれるとすぐに 去っ ただんだんとナホが自分から遠くなって いくそう思いながらそれほど寂しいとか 悲しいなどという感じはしなかった 服に対する感情が知らぬ間に心の内部で 広がっていたそれでナホを失うことがそれ ほど重大ではなくなったの だ服がこういう日記を書くようになったの も自分の気持ちが自然と伝わったのでは ないか初めは少女らしい好奇または単純な 行為だったものが娘の敏感な心をこちらへ 引き寄せたそういうことではないだろうか とトルは思っ た彼は強く唇を噛ん だそれが事実だとすると俺はひどい無責任 な人間だということになる ぞ俺はナホに変わらない愛を誓ったその後 ナホがどういようと会うことを避けたとし ても1度誓ったことは消えはしない 自分が守ってやらなければナホの一生は

不幸になってしまう不安になった体であり 実家へは帰れないこのまま置けばほは生涯 あの役所で暮らさなければならないかも しれないの だ服もまた同様で ある俺は感動された人間だし一生をかけて も物になるかどうか検討のつかない学問を 持っている現もた出子に行ってわずかな令 でようやく食っている将来もおそらくこの 状態から抜け出ることは良いではあるまい なならば貧しい生活にも耐えられるだろう が世間の波風を知らない服をそういう生活 に引き入れることはかわいそうだトルは そこまで考えて目を開き庭の方へ振り向い た屋の庭と仕切ってある低い金持ちの書き が朝の日光を吸って濃い鮮明な緑の色を 振りまいていたそう思い過ごすなと彼は 自分に言った服の本当の気持ちかどうか まだ分かってはいないじゃない かその日デコから帰って徹はまた服の日記 を読ん だ岡一からは何の知らせもなかった一造は どうしても元の下種人を探すと言っていた し探し出したら恨みを晴らすとも言った 杉浦さんだってあの人には随分世話になっ たはずだこんなことになった以上まさか手 をつねてはいられないでしょうトルは はっきり返事ができなかった彼の頭は重力 の問題でいっぱいだ 計算することのできないほど遠距離にある 天体が互いに作用し合って運行して いるその力が何によって生じ何によって 保持されているかもっと根本的にはこの 宇宙全体がどんな風にして形成されどんな 風に変化していくかこれらの中で人間の 存在がどういう意味があり将来運命を たどるのかそういう問題に比べると元に 限らず人間1人の精子などは今彼にとって 重大には考えられないのであっ たどうするんですと一は無きになって言っ たやる気はないんですかトルは自分が現在 どんな身の上であるかを語りそういうの ないことを正直に言った一造は風然とした らしいがそれでもとにかく納得し相手が 分かったら知らせると言って別れ たそれからい日たち今日初めて死体を内藤 に語った一郎は吉岡に任せておけと言い 自分でもそのつもりでいるが元から受けた 恩義の大きさを考えると一から知らせが あれば防寒はできないと思うのであっ た一郎始め平石ライザ郎松浦太川上わの4 人は番所長所に入ることができ去年の2月 からそちらへ通っていたトルはもちろん 志願しなかった学費は元に出すと言われた けれども彼は重力の問題に専念したかった

し幸い内藤がドイツ 松浦がフランス語を先行しているため必要 な場合には彼らから教えを受けることが できるので番所長所の方は断念したので あっ た内藤家で集まることも今では月に2度 くらいになった今年になってからトルは 松浦からデカルトの認識論の概略を聞き 内藤からはドイツ哲学の略史を聞いた もちろんトールはこれから多くのものを 学び観察力や思考力の枠が広がることを 知ったけれども今最も痛切に感じているの は数学を物にする必要があるということで あっ たしかもそれが何よりの苦手だ正直な ところ彼は数学をやる気持ちになれない ふし万理も強く書いている通り重力の問題 は数理を離れては解明できないようだそれ はよく分かっているのだがいつか数学に興 を持つ時が来るまで彼は彼自身のやり方で 問題にぶつかるよりしようがないと思って いた逃げ工場ではないんだ努力することを 避けるための逃げ工場ではない今はこう するよりしようがないのだと彼は思ってい たあら まだ明りもつけていらっしゃらないのね 岩崎で服の声がしたあらあら帰りもたかず に蚊に食われてしまうでしょうそんなに 勉強なすってはカルダに毒だわトルは読ん でいた日記を隠し たそのあくる日トルが出子に行く支度をし ていると服が来て客だと告げたそんな時刻 に来るようなものはないで岡一だなと思っ たな言いませんでしたかおっしゃらないの よと服が言った学問所の馬場で待っている からすぐ来てもらいたいていうなり帰って しまいましたわやっぱり蔵だと徹は思った 学問所のばばおそらく土山マンゴを捕まえ たのであろうことによると血統でもする つもりかもしれないそう思ったが服には できるだけ悟られないように微傷して見せ た日記を読んでますよと彼は言った随分 細かいことまで見られていたんだなわざと じゃないのよついそうなってしまったの服 ははか笑いをしたもうみんなお読みになっ てまだ半分以上も登ってるようです ね失礼なところはなかったかしら失礼と いえばみんな失礼ですよあんな風に知ら ない間に人のことを書くなんてねしかし 自分では分からない欠点が分かるから私は ありがたく思いますそれだけと言って服は 彼の顔を見つめた彼は瞬きをしたそれだけ とは服は眩しそうに目をそらしながら子供 っぽくかぶりを振りなんでもないのよと 言って玄関の方へ去っ

た物やの包みを持ち刀をさして玄関へ出る と服がセタを揃えていたいってらっしゃい ませと服が言ったお早く帰っていらしって ね徹は微傷しながら頷いた始めに行く先は 上野池の端の板倉亭であった板倉家の若い 家臣たち5人に大気の抗議をしていたが 内藤家の門を出てちょっと迷った関わら ない方がいいと彼はつぶやいた水谷さんも その方を好まれるだろうそう思いながら それでも自然と足は聖堂の方へ向いていた 土やマゴたちとやり合っている一造の姿が 目の先に見えるようでそれを見るふりを する気にはどうしても慣れなかったので ある地獄が早いので投稿する学生の姿も なくの開きながら7月下旬の朝の空気は肌 にひんやりと感じられた湯島町の坂を 上がり聖堂の裏を通って行くと馬場へ出る 芝を植えた低い土手の外に柵を回し正門の 他に馬入の木戸がありそこに若い学生が 2人立っていた彼らは霊ののいをする格好 で稽古儀に袴汗止めをし片手にボケを持っ ていた1人が近づいてきたトルを認めて来 たぞといいもう1人が振り向いたそして 2人は左右に別れてトルのために道を開け トルが軌を入るとまるで逃げ道を塞ぐかの ように後ろから黙ってついてきたやあ来た なと向こうから呼びかけた忙しいぞ杉浦 こっちだ 見ると土屋マンゴであっ たとはちょっと息を止めた土中に七人皆 野合の格好で立っている彼らが青龍組の 連中だということはすぐに分かったが吉岡 一造の姿は見えなかっ たもう血は住んだのかそう思って辺りを 見回したけれどもそれらしい様子はどこに もなかった何を探しているんだと土屋が 言った連れても来るはずになっていたのか あなたも欲しいらしいな井原旧の心という 青年がそう言ってケラケラと笑ったそれが 井原旧の神という頭の悪い男であり他に 青き吉本野原と3人の男だけは学問所で顔 を知っていた 味方がいるかと思ってるんだろう見覚えの ない青年が飯原に続いていいみんなで馬 洗いをしたそれは感情を伴わない凶暴な獣 のような笑いであったトルは気持ちを押し 沈めた私を呼んだのは誰です俺さと土屋が 答えたほと言っても土屋個人じゃないここ にいるみんないや青全体が呼んだんだどう いうよですかそれは意外な質問だなちば くれるのさ青木平馬という青年がいいまた みんなが笑っ たトルは黙って土屋の顔を見守っていい 土屋はみんなの馬鹿笑いを抑えるよう彼ら に向かって片手をあげ

たよはそっちにあるんだろうと土屋が言っ た私は呼ばれたから来たんだと徹は答えた 土屋はじろっとトを見上唇を噛んで首を ひねりながら2散歩行ったり来たりした わざと焦らしているのかそれとも何か 分からないことがあるのかどちらとも判別 のできない動作だっ たしかし土屋はふと立ち止まってトルを 伺うように見たその目は三白眼になり表情 はばっ た水谷に元みよと土屋は言った誰が来たが 知りたいんじゃないのがトルはゆっくりと 反問した水谷さんが切られたのかうまい じゃないか井原が言ったうまいけ方だ こいつ相当なただぞふざけてるだけさと別 の青年が言った俺たちをだとってふざけ てるんだあの傲慢なつを見ろよそして わざとらしく地面へツを吐いたみんな少し 黙ってろと土合いいトルに微笑んで見せた すらは水谷元が切られたこと知らないのが 知らないな本当に知らないのが返事はした よととは言った土屋はまた上唇を噛み地面 を見ながらトールの前を行ったり来たりし た他の青年たちは黙ってしかし何かやり たくって体がムズムズするといったような 顔付きで2人の様子を眺めていた父は足を 止めてトルを見た水谷に元は切られたと 土屋は言った本性の石原がでね聞くところ によると辻切りだそうだ トルは黙っていた土屋はさらに続けた霊に よって飲み歩いて酔っ払っているところ やられたんだそうだ腕の立つ人だったと いうがねいくら腕が達しでも酔っていては 役に立たなかったんだろうもちろん大切な のは精神だがね土屋は考え深そうに自分に 頷いてからまた言ったあの人の精神がは まともで侍の本文というものを知ってい たらたえ酔っていたところで辻切りなどに はやられなかったろう水谷元という人は 辻切りに合わなくともいつかは日豪に死ぬ 人だったよ私は知らないねトルは静かに 言った私は反撃を覗かれて屋敷から出たし 小平も退学してしまった水谷さんに呼ばれ て時たまだけで何か返事があったという ことも聞かないがどうして土屋はそんなに 詳しく知っているんだ何ちょっと聞いた までさ土屋の耳に入るくらいなら世間でも 騒ぎそうなものじゃないか侍が1人辻切り にやられたとすればもっと世間の噂になる と思うがね分からないなと父が言ったあの 人の身分は複雑らしいから外分をれて中村 班のものが死体を隠したのかもしれない 中村班のものでなくともあの人にゆりの ある人間が ねするとトルはごくさりげなく聞いた

つまり水谷さんは切られただけではなく 死んでしまったというのか消えたところで はねとどめは刺さなかったが相当な重症だ ということだったよトルは呼吸をし左手に 抱えた包を売り上げながら言った知らせて くれてありがとうそれでよくわかったどう するんだ帰るんだ私は出稽古をしているん だね急ぐなよと土屋は前へ回ったスラは俺 たちを疑っているんだろう考えたことも ない私には関係のないことだよ水谷元には 世話になったんだろうそれとこれは別だと は答えた辻切りに遭われたのは悲しいが 下種人を探すのは役人の役だ俺の知った ことじゃないというのが恐ろしく不人常な 話じゃないが下痢しらずさと野原琢磨が 言った侍の風かにも置けないというのは こういう男なんだ1つしつけてやるかと 伊原が言って持っているボケを振った ひゅっとボケの空を切る音がしいみんなの 顔にさきのようなものが現れ たトルは彼らを眺め回した相手になっては いけない胸を締めつけられるような激しい 怒りの衝動を彼は懸命に抑えながら土屋の 脇を通って木戸の方へ歩き出した待てよ そう急ぐなと土屋が言ったまだ話は住ん じゃいないぜ土屋の言葉より早く初め木戸 のところにいた2人がトルを追い越して 木戸の口へ立ちふさがったトルは足を止め て振り返っ たそれがいい俺たちは杉浦のご機嫌な顔を 見るために集まったわけじゃないんだと 父親が言った今聞くとデ子で火取りをして いるそうだが我々はそんなことをしている 時ではないだろう食いぐらいはどうにか するから組へ入らないか入りたくないな トルは穏やかに答えた自分で心出した勉強 があるしそれに私なんぞが入ったって役に 立ちはしないよ役に立つたたぬはいざと いう時になってみなければ分かりはしない さこっちは同士に加わってもらいたいんだ よトルは土屋と周りにいる学生たちを見た 同士に加われというのは口実で明らかに 喧嘩を売るつもりのようだ野原琢磨の ひらべったい顔に無な獣めえた笑いが 浮かんでいてそれがトルをぞっとさせ たしけかもしれないがトルがそう 言いかけると青木平馬が追っかぶせてしけ だなと言ったこっちが仮名を申し入れて いるのに断るとしたら失血だそれはうまく ないぞ 杉浦まずいなひどくまずいと他の1人が 言った青龍組はしけなことをされて黙って いるような腰抜けじゃないからな私はしけ かもしれないがと断ったトルはなお穏やか に言った青龍組には青龍組の目的がある

ように私にも私の目的があるそんな時代 じゃないだろうと父が言った逆とどが頂を 担いで復などと騒ぎだしそれが馬鹿者や 食い詰め老人たちに広がって天下は乱れに 乱れている徳川家の録をはみ10代の恩を 忘れないなら今こそたってこの相場に 当たるべきだ個人の目的や生活などは許さ れないあらゆるものが死身を投げ打って 幕府のために戦うべき時だこれが我々の 当面する唯一の大義でありこの道を避ける 人間は逆に等しいと思うそれは青龍組の 理論だトルはまだ穏やかに言った確かに それは一面の正論だろうしかし世の中は 一面の正論だけで成り立つものではない 例えば一軒の家にしても柱もあれば壁も 屋根も天井もある柱だけ立てなべても俺は 家の話などしていやしない例えばというの だごまかすなと土屋が叫んだ貴様が反切を 覗かれれたにせよ先祖代々幕府から受けた 恩義は消えやしないぞその恩義に報いる ために青龍組へ加盟するか仮名を拒んで 恩義にツをかけるか返答は2つのうち1つ だ田舎王家それだけを聞こトルは3つほど 深い呼吸をし騒ぎ立つ心を沈めてから言っ た私は自分のやり方で役に立つつもりだ 帰らせてもらう嫌だと言うんだな土屋が ギラッと目を光らせた水谷元をそれで切ら れたんだぞその時土手の上へ一造が 飛び上がっ た柵の内側のしを植えた低い土手の影に いつか来て身を潜めていたのだろう吉岡 一三は身軽に土手の上へ飛び上がると声を かけながら飛び降りてこっちへ来た杉浦 さん迷惑をかけましたねと一は陽気な声で 言ったどうしてもあなたの手が借りたかっ たんです私のなんですっ てこの先生たちに泥を吐かせるためですと 一造がいいトルは土屋の方を見た何しろ私 1人ではと一は続けた門道よりも喧嘩に なる先ですからねおかげで助かりました よ何か見つけたのかねと土屋が呼びかけた 人の腰巾着でうまい城を吸っていたように 今度も立ち聞きで何か鍵出せたのかそう 固くなるなよ一層はにやっと笑った人の 腰巾着になるのもバカじゃできない人殺し の下人をはっきりさせるのも同じことだお さんのためなら俺は立ち聞きぐらい喜んで するさおい土屋おめえまさか今言ったこと を取り消すほど卑怯者じゃねえだろうな俺 が今何を言ったちゃ ちち一は眉をしかめ舌打ちをしながら手の 先だけを横に振ったそれはまずいよと一は 言ったさっきその辺でったの口真似をする ようだがそいつはまずいぞ土や何しろ俺 1人じゃない杉浦さんも聞いたしおめえの

仲間も聞いたろ水谷元もそのために切った とね切ったとは言わぬ切られたと言ったの だどうして分かった噂で聞いただけだ誰の 口からだ一の声は冷たくなった辻切りに あったとかとはしていなかったとか詳しい ことをよく知ってるじゃないか俺はまあ 聞けよと一造は遮って続けた実は俺も杉浦 さんと一緒に石原がを丹念に聞きまった しかし多量な血の跡があったという以外に は現場の人間でさえ何1つ知ってはい なかった何1つもだそれなのにどうして噂 が広まる俺が死ぬものかおいおい貴様だっ て侍いの面目ぐらいえてるだろう一度 てめえの口から吐いた泥をまた飲み込む ような汚ねえ真似はよせよ見ているこっち で胸が悪くなるぜ吉岡さんとトルが 言いかけたいや大丈夫です一そうは土屋を 見たままでトルに首を振った私も乱暴な ことは嫌いですあなたはま黙ってみていて くださいこの先生たちから事実を聞くだけ ですから本当でしょうねトルが念をした ここで彼らに仕返しをしても水谷さんは 決して喜ばれませんよそれは彼ら次第です と一造は答えたこいつらの後ろには幕府の 権力がついているたえ訴えれたとこで もみ消されるのが生ぜでしょう私は仕返し をするつもりなどはないがこのけじめだけ ははっきりさせたいん ですおい土屋と一は振り返っていった男 らしくはっきり 言え水谷さんを切った時見ていたものが あるんだ貴様1人ではないは3人だった そうだやったやつは貴様の他に2人そいつ もここにいるはず だ面倒だよ土屋さんと青木平馬が言った こんな人間に勝手な熱をあげさせることは ないはっきり言ってやったらいい でしょう3人の中の1人は俺だといら急 のしが言った土屋さんと俺ときであった これではっきりしたろ 青きというのはおだな一層は平馬を見て 微傷し土屋と井原に目を走らせてから後ろ へ2歩下がっ たいかにもこれではっきりしたと彼は言っ たそこで俺から注文をつけるその3人に 責任を取ってもらおう父親が置いて反問し たどう責任をたるおめえたちは水谷さんを 闇討ちにしたするだけの理由があったから だそいつは貴様の理屈さと一は言った今 杉浦に行っているのを聞いたが貴様たちは 自分の考えていることが大義だと思ってる 俺は人の腰巾着になるような人間だから 理屈っぽいことは大嫌いだし分かりもし ねえだがその時が来れば平だって現だって びるんだそれは1人や2人の力でできる

ものでもなし人間の力で防げるものでも ねえ貴様たち頭の悪い具どもは一端大義の なんのと偉そうなことを言うが本心はふを 離れるのが怖いだけさ幕府とか恩義とか 綺麗なような口を聞くが突き詰めたところ 安穏な暮らしを壊されたくねえ今のまんま のふにしがみついて飼い殺しになっていて というこったろ一造は歯を見せて笑った 言ってみれば乞食が橋の多元にしみつこと するようなもんだただそれだけのために 水谷さんを切ったんだぞ市蔵はもめ島の人 へに平を閉めただけで腰には脇差しもさし ていないこれで切り合いになったらどう するのだとトルは思った青龍組の方も野合 の格好だからいずれも無だが冒険を持って いたしトールに対しても初めから挑発的で 打ちかかる機械を狙っていたようだ止め なければならない一等にそれ以上何か言わ せては危ないと思ったのでトルは両者の間 へ割って入ったもうそれまでにしましょう とトルは一造に行ったもう彩ははっきりし たんです後のことは手に任せましょうどい てろよ杉浦と土屋が言ったそいつは少し ばかり剣術を習ったんで伸ばせてるんだ 邪魔をせずにそっちで見て いろしかし吉岡さんは無だ何持ってるさ蔵 は懐へ手を入れトルを押しのけて右へ開い た懐から出した手にはくごが勝っていた 吉岡さん行けないさあ始めようと一層は右 へ回りながら容気な口ぶりで言った水谷 さんを切ったようにやってみろ3人とも 逃がさねえ ぞトルは止めようとしたが声が出なかった し動くこともできなかった恐怖ではない 一層の気持ちは否定しがいものだと感じた のだ一は水谷に元海の恨みを晴らそうため にそうするのではなく彼自身がそうせずに はいられないのである元が生きていたら そういうことは決して喜ばないだろう一層 もそれは知っているはずだそれでもなお彼 はやらずにはいられないの だ塗装はすぐに終わったほとんど呼吸7つ ほどの間に一は3人を打ち倒したくゴブは 使わなかったそれは彼らの注意を 引きつけるだけが目的だったらしい青木 平馬が飛びかかると一層の手からくゴブが 飛んだギラッとした光が青木の面上へ糸を 引くように見え青木が身を縮めて避ける 途端一造がその脇をすり抜けたただ すり抜けただけのように見えたが青木は 転倒し石蔵の手にはボケが握られていたか かと2度ボケの打ち合う音がしその間に骨 の砕ける音が聞こえた一は左へ右へと3度 ほど敏章に動いただけであるがボケをどう さばいたかは目に止まらなかった土屋が

倒れ井原が倒れ青木が倒れた他の学生たち は少し離れたままとこの有様を見てい たおい貴様たち一層は彼らに冒険を向けて いった誰れでもいいやる気のあるやつは出 てこい誰か出るやつはないか彼らは黙って じりじりと後ろへ下がった杉浦さんと一造 は振り向いて言った嫌なところを見せて すいませんでしたね行きましょうしかし このまま行くわけにはいかないでしょう トルは倒れている3人を見た土屋は死身し たらしい頭から流れ出る血が顔の半分を 染めそこから地面へこぼれ落ちていた青き は右腕をぶちおられたと見え不自然に よじれた腕を左手で押さえながら地面に顔 を伏せてうめいていた原は腰でも砕かれた のかになってめきながら両足を縮め手で左 の腰を掴んでいた何あいつらがどうかし ますよと蔵は言った3人とも命は大丈夫 です片にはなるかもしれないが死にしませ んさここ出ましょう一は木戸のところで 振り返り学生たちが3人の方へ集まるのを 認めると持っていた拳を放り出した担当を って言っていいんですかフル道具屋で買っ たもんですと一層は笑って手を振ったこれ で少しは気持ちが収まりましたよこのまま で住むと思いますか学長のところへ寄って 事情を話して行くつもりですと市蔵は言っ た彼らは水谷さんを切ったと白場しました その点をはっきり学長に行っておき ましょうおそらく表沙汰にはできないと 思いますドルは気落ちのしたような顔で何 を見るともなく空を見上げたやここで 分かれましょう一造はうみ門のところで そう言いながら立ち止まった今があったら 横浜へ来て ください

※毎週土曜夜八時、放映中!です。
 八巻からは、下巻に相当します。

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1959年(昭和34年)12月24日~翌年10月31日 『北海道新聞、中日新聞、神港新聞に連載』
 「樅の木は残った」が、毎日出版文化賞を受賞(辞退)。演劇化、映画化、テレビドラマ化がつづき、TBSの「山本周五郎アワー」が人気を博します。脂ののった56才の周五郎が著した、幕末小説。お聴きください。

「樅ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」に続く作品
幕末、東北の小藩出身の青年が、学問の道を志しながら、激動期の日本に翻弄されていきます。
 どう生きるのか? 新しい主義の台頭に葛藤する若者たちの姿を、小説の達人山本周五郎が描きます。
 井伊直弼が大老に就任、安政の大獄へとつながる安政という時代の激震。物語は、安政の大地震からはじまります。
 倒幕も佐幕もない。大きな主義を離れて、自分の生き方をみつめていく、透の生き方には、変革の現代人の心を打つものがあるのではないでしょうか?
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 古い時代の終わりに、自己を確立させようとあがく若者の、成長と青春を描いた清涼な物語。英雄ではない、権力者でもないけれど、生きなければならない、では、どう生きるのか?変わりゆく時代に、変わらない自分を貫くのは難しい。そこに共感がうまれます。
■作者の言葉
「私はこの小説で主役を演ずる昌平黌の学生たちに託して、この『激しい変革』に当面しての不安やおびえや絶望にもめげず、こつこつと文明を開拓してゆく青年たちを書きたいと思います」昭和三十四年十二月十九日。北海道新聞。
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■登場人物
杉浦透……中邑藩士。学問で身を立てることを志す。
岩崎つじ……透と結婚。
杉浦勘右衛門……中邑藩重臣。透の父。尊王派。
杉浦たよ……透の母。
房野なほ……房野又十郎の妹。作田介二郎に嫁すも離縁。透が想いを寄せる。
水谷郷臣……中邑藩主の弟。藩籍におりている。
安方伝八郎……中邑藩士。透の友人。異人館焼討ちを企てる。
並木第六……中邑藩士。江戸詰。
吉岡市造……沼津藩士。郷臣の腰巾着。後に料理茶屋「深川」を開く。
おせん……元芸妓。郷臣にひかされて船宿「船仙」の女主人となる。
岩崎丈左衛門……中邑藩の老臣。つじの父。尊王派。
才助……髪結い職人。
佐伯角之進……中邑藩士。中目付。
松崎かの子……越前福井の人。小太刀の名手。
橋本左内……福井藩士
内藤伊一郎……中邑藩士、科学書窮理通の研究をする
ふく……伊一郎の妹
平石賴三郎……中邑藩士。透の学者仲間。
川上和助……中邑藩士。透の学者仲間。
松浦糺……中邑藩士。透の学者仲間。
大膳太夫充邦……郷臣の兄にして、中邑藩主
仲上藤六……房野なほの婚約者
川口ふみ……透の世話役。川口弥兵衛の女房
磯谷五兵衛……房野なほを江戸に連れ出し世話を焼く。

○下巻
お由……市造おせんのつかう、下女
マルケ……海外の料理人
橋田信十郎……市造の店に盗みに入る。元さむらい。
すみ……郷臣の思い人
大吉……大初の料理人
お初……大吉の妻

■用語集
印伝皮……インデンガワ・甲州(山梨)で400年余の伝統を誇る、鹿革に漆で模様をつける伝統工芸品
うろん……確かでなく、怪しいこと。うさんくさいこと。
禁裡……キンリ・皇居。御所。宮中。
インデペンデンス……自主。独立。独立心。の意味を持つが、ここでは独立記念日の花火をさす。作中では、独立してから、三十数年後となっている。

■この動画の目次
0:00 朝顔の日記 1
7:03 朝顔の日記 2
21:58 朝顔の日記 3
34:31 朝顔の日記 4
45:37 朝顔の日記 5

#朗読 #時代小説 #audiobook #山本周五郎 #七味春五郎 #音本

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■青空文庫、山本周五郎作品他、著作権きれた文芸多数
https://www.aozora.gr.jp/

1 Comment

  1. 郷臣の遺体が出てこない?…期待したい無理ですかね…💦吉岡さん凄かった😮次回も、ドキドキ…!朗読お疲れ様です🙇

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