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【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「六、救いの手」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房



【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「六、救いの手」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房

救いの手1矢原城介兄弟は全く必死の罠に 落ちました刀を抜いて切り伏せるば5人や 10人の雲助を持て余す常助ではありませ んが自分の都合のために無影な接しをする のも心苦しくそれにここを切り開いて逃げ ても箱根の人足は千猿のようなもので合図 を伝えるといく人でも行手を塞ぐでしょう し 熱街道を固めた山大の手のものが騒ぎが 大きくなればあっという間もなく三島の 折口を塞いでしまいます仮に倉掛山から野 出たところで接茶屋から笹原三谷を固め られると常助にどれだけの力と知恵があっ ても見島へ下る見込みが立ちません幸い 足りに拾ったず1本これをできるだけ的に 働かせて一方の結露を開きせめては妹の誠 だけでも落としてやろうと思った常助は えい誠に表をふらずむらがる雲助のエジの 中へ疾風のごとく飛び込みました おっつ抜いた抜いたまさか自分たちの 落としたずを逆用されているとは知りませ ん闇の中に風を切って飛ぶ生ずに花の頭顎 の先コテどめちゃめちゃにやられた34人 の雲助相手が浪人者と聞いただけに てっきり刀で切りつけられたと思い込んで しまったのです思わず崩れたつなみ何を 慌てるんだい相手は棒を振りましているん だコブくらいに驚くやつがあるかいと 花かげの道力これは思いの他喧嘩慣れして いるらしく闇の中に城のすの獲物を見定め て崩れ立つ味方の逃げ足を食い止めました その間に女のすあと今のうちに逃げ出せあ は俺が引き受ける背中合わせの防ぎ方に なった妹の耳へさきますハ様心配無だ見島 出なければ沼で会おう2人一緒に逃げ出す のは難しいハ何を迷う手足まいだ行かぬか 声は低いが激しい意気込みそれを盗みに 行こうとしたか忍びよ助はええ足を払われ て物の見事にひっくり返りました兄様いか ぬかはい毎日の場合には金ての手はず早く てみや遅くて大津へ着くまでに京都の便も あろう分かったか妹 はいさがには俺の心持ちが分かるはずだ もう一度会ってみるがいいはいどんなこと があっても未練な振る舞いはならんぞ 別れれになった上毎日捕まって処刑に登っ た時のことまで心を配るのでしょうさあ 行けもう言よはならぬ聞こえるか聞こえ ないかのさきわずかに首を巡らして背中 合わせの妹にこい送ると常助はもう一度身 を踊らせて雲助の 一覧しばらく様子を見ている頭の上え物を も言わずにさっと飛び込みましたやふざけ たこと じ助の棒に引っかき回されて勢い立つ雲助

ずとげと相口さえもひらめかして城のす めがけてさとしました来い1人残らず 打ちのめしてやる常助の棒は見事に働き ましたまた23人叩き伏せる対抗道の方へ 逃げるか 3その間には闇に紛れてとも道へ落ちたと 知るや知らずや雲助の一段がしり城のすを ひしひしと取り集めたの です 2村久助を大方叩き伏せた常助もう一度 とって返して対抗道を拾うつもりでしたが どう間違えたか道は次第につま先上がりに 影引きも逃げ隠れもできそうもないしの だけの破に導かれてしまいました その上悪いことに雪模様の空ながら20日 好きの弟子を谷からほぼと佐なを染め上げ てくるのでしたおやおいては1人だぜほな はどうした周年部追いた雲助の一段明るく なりかけた空を背景にたった1人峰に立っ た常助の姿を見ると急にざめ立てますメが いないんじゃ処刑の張り合いにならね こいつはゆんだ山中の仲間にしわせて八方 から借り立てろおいぞ頼むぞよし23人は 箱根の町へ飛んでいった様子残る雲助は 56人その半分はコブだらけで常助が1つ きると手もなく追いらせそうですがこう なるとまの身の上の方が心配でうっかり 自分への追撃を諦めさせるわけにもいき ません毎日の場合は天下の 1つはたった1人の妹のため仏心などを 起こしている場合ではありません切り開い てより友道から箱根の町の方へ妹の後を 追ってみようか常助はこうも考えまし たよしもう容赦はせんぞ身をひねるとほ 明かりを受けてきらりと初めてその手に刃 が光りました抜いたぞ今までの手並で散々 懲りた雲助の一覧命知らずと言っても程度 があります散々コブと擦りむきだらけに なった上ごぼう人参のように切られては たまりません一等を振りかぶってしのだの 上を滑るようにさっと取って返した城のす を見るとその勢いに痩せられて思わずほお と逃げ散ってしまいましたへ口ほどにも ない奴らだ束になって来いジのすもつい いい心持ちで10験ばかりを とふいに石車の方から非常を知らせるハギ の音続いてそれに応ずるたぼが山の夜の 静寂な空気を乱してあちらからこちらから 不気味な反撃を伝え渡るのでした常助も 今更ことの有しさに驚きました雲助どもを からかっているうちに妹誠という手足 まといさえなければ大したこととも思い ませんでしでたが石役人が出動して前山の 警備を動員するとなると金ことが穏やかで はありませんいそ箱根の町へ飛び込んで妹

と一緒に切地にしようかそれとも対抗道を たどって万に1つの命を助かりあくまで 3万両の御用金をけ狙おう かやが城介ほどのものも一瞬ではあったが さすがに決しかねて佇みましたへどとも なら次の瞬間城のすは風然として身を ひがいしましたしとも知らずに寄りと道に 逃げ込んだ妹誠の後一文字に追って行こう としたのですお待ちなさいましように 落ち着き払った優しい声常助はぎょっとし た心持ちで辺りを見回しました様さいて姿 を表したのは言うまでもなく影郎のおれ 箱根名物の素晴らしい杉を後ろににっこり 引き入れるような美しい美装を浴びせます いや月のでしのほかな明りにそれまで見え たわけではありませんなんとなく笑われて もしたようで常助は自分の勢いこんだそや なポーズやギラッと切っ先上がりに持った 抜刀を後ろめえた者のように思ったのでし た 3何者だなんのねやが城のすも驚きました 箱根の山の中雲のこと雲助しかいない場所 にまさか自分の名を知っている女がいよう とは思わなかったのです名乗りをあげる ほどのものでもありませんがたってお聞き になりたかったら申しましょう江戸品川の 坂山一の嫁線ほほ何ほっほだけが余計ただ の酒屋の嫁や娘が闇も剣撃も恐れずこんな 場所へ顔を出すばかりでなく人に物を聞か れて面白そうに笑うわけがありませんやが 様博の町へ飛び込んでは銃に1つも助かる 道はないあのハギがなった以上はこの道の 出口出口が固められてありの入れる隙間も なくなりますお連れの身の上をお案じ なさるのは最もでございますが妹後はまた なんとかなりましょうあなたは大事なお 仕事を持った方こんな場所で雲助や関所 役人に捕まってはなりませんホずながら 細い申しましょう何この滑らかな工場と その自信に満ちた調子にはやが城介も すっかりやれ返ってしまいました品川だか 高だか知りませんがただの酒屋の嫁不が 自分の名を知ってるばかりでなく大事な 使命まで心得て女だてらに救ってやろうと は口はった言い草ですやが様そんなに驚い てばかりいらっしゃるとほ何か痛快なシレ を思い出したらしいおれん相の人柄を はかってついそれを言いそびれるとたまら ず1人で笑いこけしまいまし たどうして拙者の名知ったと常助救って もらうにしてもこの疑念だけは晴らさずに はおられませんほった中の神様が京都へを 送る3万量の御用金それをっての道中で ございましょうなんと主催あって何もかも 存じております矢様は金に目がくれて3万

を追いかける方ではないことはよくわかり ます場合によってはばずながらおちから 添えもいたしましょうえ何を言うお前は なんだ何者だ常助もさすがに驚きました 同士の他にこまで自分のことを知っている ものがあろうとは思わなかったのです誰で もよろしいではございませんかいずれは 本名を申し上げることもございましょう それまでは山一の嫁せああ手が来ました 必死の 先番に1番の芝居を打ちます私のするよう にお任せくださいましおれはずっと進むと 城のすの手を取りました妙に小さいつる草 のようにしなやかで突き立てのお餅のよう に温かい手が常助の左手を相するように 握るとさあ言葉少なに西の方対抗道の江道 へ誘い入れうをさずとある岩影に押し込む のでしたお前はどうするつまりだしレが城 のすの唇へ香ばしい指をそと押し当て しばらく外の様子に耳をすましましたが遠 の足音人声などを聞くとさっとみをひがし て戦国常助の立っていた太光道と寄りと道 の別れ道に立ち返りましたちょうどそれと 出会い頭に町の方から押してきた一体の 人数 路人者がいたのはこの辺だぜ何しよう腕が できてるから5人や10人じゃどうする こともできねえというのは花かげの道力 一体の武装した人数の戦闘に立って 踏み出した焚き火の跡の辺りまで来ると折 から山に登った薄月を満面に受けて立ち木 のミに思わせぶりなポーズで持たれている のは顔のおれがたった1人 おっかけのの道力もそれに続く同ぜも思わ ずそこに立ちすくんでしまいまし た 4大松とちちと月と前後左右から受けて 体重のミに持たれたレんの顔は全く腹の底 からさりげなものでし た石破りはどこへ逃げたんだと勢いこむ っっかの道力今度はごずがしっかりして おりますからりゅりと打ちふる棒にもなん となく自信らしいものが溢れ ますお前さんはまた何だって逃げ出したん だいと俺 え向きを2つ3つこらえて逃げ出すよう じゃ箱根の若い臭もお前の他やなんだね なんだと女後ろからたぬきの 半こいつは日本一の塩から を切りますそうじゃないか高が1人の老人 者に叩きまくられて10何人の強そうな 若い臭が雲の子を散らすように逃げ出した じゃないか雲助というなはそれから始まっ たね何何を抜かす言ったってダメさ切られ たとか疲れたとかせめて赤いものを見たら

ともかくそんなコブとすきをこえただけな んだよそんな弱い助がどこの世界にある ものかの爆をおめこに預かったって気の 聞いたイこほどの役にも立ちはしない私は もうはれかえ輝くなってれんの下はかその ようです 花かごに言もありませんいい人が投げぞ 明日の旅をあることを忘れるなあまどう かつと賢聖が辺りから飛びかう中にれんは ケロリとしてその毒舌を転がしていきまし たおかしこなしセシ破りのあるのを教えた のは私なんだから腹の立つのはこっちだよ こんなことと知ったらお人方の目に入れて 王なしに縛らせるんだった生じかお前さん 方を頼りにして飛んだバカを見てしまった よねお役人様方俺はこういいて体の雲助の 後から出没した23人の役人に遠い流し目 を送るのでし た女そのセシ破りというのはどこへ行った お前は知っているのであろうなセシ役人の 1人頭だった武が人型の久しを傾けて おれんの前へ進みましたその後ろからは理 3の武と56人の足がこれは物慣れた様子 でビモきにすとばヤへも谷へも一気に 飛び込みそうな着を見せるのでしたそれが 分かりません何分のよい闇レんは一向 こだわる風もありませ ん石勝破りのあるというのどこで聞いたと 重ねて石勝役にさすがに花が効くとうさん のごきが俺にもはっきり反映するのでした それがたなで小耳に挟んだだけで相手の姿 を見ず人数も分かりません毎日検討違いの ことを申し上げてお叱りを受けてばと存じ 幸いここで夜明かしをしている若衆の力を 借りて本当に石長破りがあるものなら 捕まえて素人しようと思ったのでござい ます首相なことだが相手の年配とか人とか およその検討はつかぬものか何にも存じ ませんあの腕らしなところを見ると四十 56の武者鬼も思議そうな男でござい ましょうか俺は空々しくもこんなことを 言っておりますどちらへ逃げたのか検討 くらいはつくであろう女神のため隠しては ならんぞとんでもない旦那様隠すくらい なら初めから素人はいたしませんあの通り 良い闇ではっきりは申せませんが多分 見つかった上は諦めて元北た道をはじか 甘酒じへ取って返したのでございましょう 俺がケロリとしたもの です5四十56の武辺物が雨ジヤの方へ 引き返したとはオレの大嘘雲助の中には 開いた口が塞がらないのもあるようですが この女の美しさとらたるにせられて今更胃 を立てるものもありません仕方をさようか 石役人神を傾けてこの女のよく動く口元を

見つめます夕方この女が筋の良い手形と 爽やかな弁説で石取を越したことを知って いる役人たちはその信用の延長とでも言い ましょうかこまでそらしことを並べられて も大して疑う気を起こす様子もありません 確かにさ様かというのも役人基質のオム 返しに過ぎなかったのです確かとは申され ませんこれは私の検討でございます俺に そう言われるとややと保証されるよりかっ て信用したくなります相手はこに抜群の 美食うきの光と松とちの明りを帯びてより も不思議な悩ましさをおしげもなくさらし ていんのですそうありそうなことださ皆の もの聞く通りだ対抗道を逆に平部山の後ろ お玉が池と雨崎茶屋の方へ再に借り出して みろ石垣山へ出る峰の道は野分土地不安内 のものに通れる場所ではない俺んの言草は 徹底的に大嘘ですがそれを土台にして発し た役人の命令に間違いはありません雲助 仲間の一体は役人の采配の無法へ真っ黒に なって飛び込んでしまったの ですしだの密した世にも恐ろしい道には そういありませんが慣れたものなら決して 通られないところではなかったのですそれ を見送ったおんやりも面白そうににやりと しました反面に受けた薄明かりその弱えな 笑の渦がしばらく豊かな方に残って見る人 があったら世にも不思議な心持ちになる でしょう地とか激動とか器形とか異常な 知障を湧き立つ事件がレをどんなに美しく 見せたことか読者諸君も大方お察し でしょう牛わかの金剛に宗源を断られた切 なフデの地下室で必死の水攻めにあった切 な石勝役人をごまかして一体のをしのだの 中に追い上げた切なそれは加ろのおれんが 1番美しく1番魅的に見えた時だったの ですしばらく辺りの様子を見ていたおれん もう誰も見張っているものがないと気が つくと対抗道を反対の方へ取って行って 戦国城のすを隠した岩の影を差しのくの でしたやが様 やが様もう大丈夫でございます馬鹿な役人 と雲助は雲の子でも探すように雨崎茶屋の 方へ行ってしまいましたそれは片づけない ジのすは静かに女の前へ全身を表しました 落ち着き払った物越薄明かりながら美玉を 述べたような表静かなもい命がけの激動を 経てきた人ともの気球を免れた人とも思え ませんやが様レは単勝に似た心持ちでこの 若い武士今までは物の数とも思わなかった 武士の表を仰ぎました女足おれが今まで 接してきた多くの男の中でこれほど 落ち着いた人間もなくこれほど深みのある 人間もなくそしてこれほど立派な人間もも なかったの

ですこの人の前には必死の災難も剣劇も 3万量もおそらく物の数でもなかった でしょう月に背いて箱根の町の方を見やる 目に一脈の寂しさを称えたのは多分先に 落としてやった妹誠の身の上を暗てるの でしょうやか様おれんは何がし慰めたい ような心持ちでこう繰り返しまし た6やが様参りましょう向こうの方へレは 手をあげて野遊びする小娘のようにこう 言いました指差したのは倉掛山野池あたり 高知の夜の冬からしは安々として肝を凍ら せそうな寂しさですがレの調子にはなんと なく爽やかなそして温かい魅力が染み出る のでした片がないが妹の身の上が心もた ないやはり一応は箱根入ってみよういえ やが様役人や雲助は闇の中で相手の検討も 月はいたしませんあの場さえ逃れるばお妹 子も大抵無事でございましょうそれより やが様の方が危うございます少しも早く 小田原りを抜け出しましょう俺んは手を 取らぬばかり心笑顔に西へ西へと導きまし た城のすもこの上争う理由はありません 箱根の町へ入ったところで妹に会えるか 会えぬかもわからず生じまごまごしている うちに雨崎屋の方へ行った一体の人数が 取って返すようなことになれば有識大地 ですこの先は熱海街道ここまでくれば大抵 大丈夫でございます 対抗道のつきたあり薄月に東海道を拾った 俺もほっとした声になります片づけない ここまで来れば大抵は大丈夫だろうこれ にてお別れます後日のためお名前を受け たまれば幸せ城のすは立ちおれんの木を 察してこう折り目正しく言いましたつい そこが接待者やこっから三島まで夜道を かけて一走りと思ったのでしょうはれやが 様ご覧遊ば せあの並木の下に動くのは何でござい ましょう近々と匂う女の方常助もいわれる ように行手を眺めました明りはけしている が確かに正しい人影旗街道から回った平山 の手のものでございましょうか 引き返そういえやが様それはなりません 向こうではこちらに気がついた様子はは かけてまいりますれんの言葉は本当でした あっという間もなく石畳を踏んでパラパラ と駆け寄る2物をも言わずに2人を 取り囲んでしまったのです何者だなれ頭 だった1人人を前下がりにかぶっており ますが多分山官の手代でしょう道中ばり 足腰へ槍までつかせて住人ばかりの小物を 従えており ますよみを急ぐ旅のものでございます差し でがましくおれんその花の先へしらしらと 灯されたのはどこへ隠してあったかぷんと

生ろの匂う五上ちでしたほなだなはいお 席書はいつ通ったくれ 少し前でございました手形はこれにござい ますおでんの手から出した手形に一応目を 通した手代手形から移しためにその輝く ばかりの美食をつくづくと見ておりました が先ほどお役所の半期が鳴ったようだ聞い たであろうなと妙に絡んだことを言います 箱根の街の外れで聞きました石勝破りが あったのかさでござい お役人に追い詰められて元の道を天茶屋の 方へ戻ったと申しますさかところで大館 手代はちを掲げておれの後ろに黙って立っ ている常助の方へ向き直りました旅の受け お手数ながら手形を拝見いたしたい拙者は 山大館江川太郎門の手代かぶり物は容赦に 預かりたい丁寧なもいですが笑家の手代 だけに寸言のぬかりもありませ ん7手形を見せろと言われたやが常助本人 よりもおれんの方がよっぽど驚きました ここまで無事に引っ張ってきて平山の手代 などに捕まった日にはせっかくの恩を売り そこねるばかりでなく全く確実の説法なん とやらになってしまいそうですもし役人様 この方は私の 連れなんというまけな弁解でしょう目から 鼻へ抜けるようなおれんもあまりに良きも しなかったことの成行にすっかり面食らっ てしまって見前たる笑顔を手いっぱいに 役人の前へさらすのが生ぜだったの です連れは分かっているが役目の表手方は 改めなければならん手代はそれをうさんと 見たかオレの体をかきのけるように城のす の前へ古門の手交をかけた職業的な棚底を 差し出すのでした大館の手代が石取の手形 を見るというのは元より違法でそれに上し の旅人は帰りの用いにしばらく手形を 預かりましたが片道の旅人は席書へ手形を 置いてしまったもの ないと言えばそれまでですが宣告なった ハギの手前積書破りのあったことは分かり きっていいのですからして拒めばどんな 結果になるかもわかりませんそれに熱海 街道の守備は平山大館の預かりでここへ 手代が出張して旅人を調べるのは便宜の ために決して許されないことではなかった の です金星の血太郎門のしは小田原班の武士 に劣るはずもなく現に常助の前に 立ちふさがった出代の身のこなし言葉遣い 用意ならぬ人物と見てとってさすがのオレ もどうすることもできませ んしかし常助は案外平気でした懐を探って 取り出したのは嘘も最もない江戸屋敷約の 応をしたの手形これでござるかご覧

ください悪びれたる色もなく手代の 手のひらへ渡してやりました関所やりが 手事を持っているこんな馬鹿なことが およそ世の中にあっていいものでしょうか せっかく城のすを救い出して堪能するほど 恩を売ってやろうと思った俺も全く開いた 口が塞がりません手代は貯金を掲げさして 手形の文字を読み下したが川の半中で いらっしゃるさようしばらく常助の顔と 見比べております武家の手形には生命を 記さなかったもの読んだからと言って相手 を誰と分かるわけはありませんが手代には 何か思い当たる不があったのでしょうもし よやが之殿とはせられのかえ違っただ御者 に預かりたい違うどころじゃありません この一刻の間に思いもよらぬ人間に2度 までも本名を言い当てられて常助も すっかり面食らってしまったの ですいかりも拙者はやが常助と申すそう 言われる記念はやが富士しばらくであった 手っ取り早く人を取るとさきの青青とした 細表の立派 ざし お松波三郎お分かりかやがろこれは珍しい 一別以来さていく年であろう相変わらずご 健康で東西に本のように受けたるいや同系 の至りじゃ気候は今見られる通り山大館の 手代と申したところで仙台江川太郎門の 異風をしって参っているが手足の時は ちょいちょいこの辺りまで出張して大観 手代の怖も使うような 次第いやそんなところを見られてしまった こも投げに笑うよすもはやへへんたる大官 の手代ではありません驚いたのはかろの レ

1.愛憎篇朗読まとめは、こちらです。https://youtu.be/_YfIe1PZpCk

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昭和27年作品に、大河内傳次郎主演で映画化された同名映画の原作!
 時は幕末、黒船が来航した、安政五年から物語は始まります。時の老中堀田備中守は、「日米通商修好条約」締結のため、京の都へ三万両をおくる。
 主人公の馬場蔵人は、倒幕派の武士、三万両を狙う怪盗たちとたたかいながら、一路京都をめざします。
 東海道を舞台に上を下への大騒動が実に面白い。お聴きください。

三万両五十三次は、一年半の連載(1932年3月から 1933年8月にかけて)をおえると、中央公論社から函入り上製本 上下巻(湊書房版は 全5巻、中公文庫版の全4巻版もある)で刊行されました。昭和9年のことです。ちなみに銭形平次の連載は、昭和七年にはじまり、当時務めていた報知新聞に長篇の連載を依頼されました。

■登場人物
馬場蔵人……本編の主人公。四十二三才。
小百合……父山際山左衛門を上意討ちされたため、蔵人を仇とねらう
茜の半蔵……山際家の老僕。小百合を助ける金五郎の父。
南郷小源太……真四角虎ひげ
矢柄城之助……色白の美男
真琴……矢柄の妹
伝次……小源太家来。岡っ引きだが、渡り中間に変装。異名は二面
作良軍之進……倒幕の志士
進藤晋……倒幕の志士
今宮八郎……倒幕の志士
お蓮……伝次に姉御と呼ばれる。謎の女性。陽炎のお蓮。殺人を好む。

牛若の金五郎……泥棒の親分だが、殺しを厭う
ノッポ竹……お蓮に惚れている
藤次……猩猩、四十六七になる、小頭格
丑松……奉行所の手先
吉三……背虫、ながら、夜目も利くゴリラのごとき長い腕と怪力を誇る
小動平太夫……与力
堀田正睦……幕府閣老
植松求馬……家老
文治……金五の子分
お蝶……和泉屋の令嬢
千代松……和泉屋の遠縁。手代。
五兵衞……和泉屋番頭
本庄左次郎……蔵人の添え役
桃々斎桃吉……講釈師の小僧

■用語集
飛白……カスリ・かすったようにところどころに小さな模様を出した織物。またその模様。
権助……ゴンスケ・江戸時代の下男に多い名であったところから。下男、飯たき男。
洗足盥……センソクタライ・よごれた足を洗うのに用いるたらい。
九つ……子の刻、十二時
科人……トガニン・罪を犯した人。罪人。
蓮っ葉……ハスッパ・女の態度や行いが軽はずみで下品なこと。浮気で品行のよくないこと。そういう女。
巳の刻……午前10時から正午までの2時間。
慷慨淋漓……正義にはずれた事などを、激しくいきどおり嘆くこと。勢いのあふれているさま。元気いっぱいなさま。
苦衷……クチュウ・苦しい心の中。
糞土……フンド・きたない土。掃きだめの土。そのように、いやしむべきもの。
ちょぼくれ……ちょんがれ、とも呼ばれる門付け芸
でろれん……でろれんざいもんの略、門付け芸
やつ……2時
逸出……ぬけ出ること。とびぬけてすぐれていること。
さなきだに……そうでなくてさえ。 ただでさえ。
半間……まぬけなこと
おたんちん……のろま、まぬけなこと
大束……大雑把、おおまか。

■2.情炎篇 目次
0:00 救いの手 1
4:09 救いの手 2
8:32 救いの手 3
13:06 救いの手 4
17:42 救いの手 5
22:31 救いの手 6
27:07 救いの手 7

#野村胡堂 #三万両五十三次 #朗読 #時代小説 #七味春五郎 #audiobook #音本

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