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【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「三、箱根異変」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房



【朗読】野村胡堂audiobook 「三万両五十三次 二、情炎編」「三、箱根異変」  ナレーター七味春五郎 発行元丸竹書房

箱根 異変 1アクロ日は正月20日雪模様のどんより した空合寒い自分の旅にはあまり結構なお 天気ではありませんが箱根峠には帰って 暑い日よりは助かりますほったび中の神の 用人ババクランドは16の物体を担がせて 一足先に本人清水門のを出朝のうに3枚橋 を超えて湯で一息入れました小田原から たった2休むには早いようですが登りより 8里の山越を控えて足止めをさせるのが 行き届いた旅というもの でしょうそれへ続くのは牛の金五郎と さゆり明の半蔵の3人これは茶に休むのを 遠慮して寺の門川芝にを下してそれとなく クランドの一向の様子を見合っており ますやが常助と妹の誠はどこへ行ったか 分かりませんがいずれあまり遠くない ところから油断のない目を光らせている こと でしょうあの小僧はいるか桃吉とか言った なクランドは茶の演台から不に行呼びかけ ました なんだい小のおじさんいつの間に潜んだか 吉の会からひょいっと出たのは公爵の卵 等々さ当吉の可愛らしい顔ですああそんな ところに潜っていたのが何か用事かえおじ さんどうだ小僧お前は歯間の望みはないと 言ったが今日たった1日だけ俺に雇われて みる気はないかババックランド棒たる顔に 掴み所のない微傷を浮かべてこんなことを 言いらしますおじさんは見かけによらない 親切だからこと左によっちゃ雇われても いいが録はどうしてくれるんだい録は少し 話が大きいなまず箱根の2速賃は登り 208問下り250問これは決まりだ武 方向が嫌だというほどのお前だからまさか その波にもなる 一貫で飯かえるがどうだいいなおじさん やってみよう道中の連れずれどうせ紅し具 でも聞きながら歩こうと言うんだろうが 一貫になりゃ少しくらいは息が切れても木 になるよ赤い唇つらな真子白い方が少し のぼせて男人形のように可愛らしいくせに 言うことを聞いていると大人のように傲慢 チですそんなことではないえまずお前は足 が達しだろうな足が口より達しでなきゃ 公爵の全蔵は勤まらないよおじさん かけ持ちの都合では浅草から芝まで昼と夜 と2度も回ることがあるんだぜのきはそう 言いながらスをあげてぴしゃりと叩いて 見せます抜けまり姿がまだ板につかない せいか存分に変てこな格好ですがそれでも 日の旅に少しの疲れも見せないところは 合議ですそれは関心だ関心するほどのこと

じゃねえよおいさん用事ってのは荷物でも 持つのかいいや違う俺は少し天文を見るん だが今日はどうも箱根に嫌なことが起こる な ええとさきもあけに取られましたババ クランドの顔はそれほど最もらしくその くせ一幕の改悪が唇の炭の辺りに動くの でし た今日箱根をこすのをみんな見合わせさし てやりたい毎日間違いがあってはならんの で なええそれとおじさんが俺はこす明日は雪 だ今日せめて三島までのしておかないと後 が困る へえおかしいなばばくらの言うことは少し 変です少しもおかしくない箱根には何か 異変があるに添いないが明日は雪が降る 急ぐものはこすもよかろその代わり命がけ だこう峠かかる旅人に知らせてやりたい どうだ小僧一貫でそれを引き受ける気は ない か2 ババ先生本寺驚いたろ桃吉の後ろ姿を 見よってたまりかねて声をかけた本条さ 次郎はババクランドの良きしたような笑顔 に迎えられて尖がった唇のやり場に困り ましたあれは何事でござるまあやかましく 言うな本上たまには拙者の発見が当たるか もしれないではないか ほくさよ明日の雪は空いでわかるが異変が あるというのははけだわけを知りたかっ たら拙者の刀の柄を見られるがいいババッ クランドは腰をひねって大東の柄を横の方 へ向けました顔は麓の方を見ておりますが こうすると柄の先は行手の峠道分けても熊 のしった大きな石のの影をさしております あまり念入りに見ると鳥が飛ぶぞ目の隅 からそっと見るさようさようくさに半身を 埋めた男が竹の先に手ぬいを結んで仕切り に振っているあのの振りが一通りでない3 つ振って2つ2つ振って3つお分かり かそれだけならなんでもないこの合図に 答えて向こうの峠の中腹この橋に身を隠し て同じように手ぬいを振りながらはるか 向こうへ合図を送っているものがあるお 分かりかおっとあまり驚いたような顔をし てはいけないこの辺りにも合図を受けたっ ているものがいるかもしれぬさて箱根は いつもながら良い眺めではないかの本上 なんという親さこれだけのことが分かって いるくせに顔色1つ買えないクランドは 世間話の調子で囁くと腰を伸ばしてあたり の眺めをまた人当たり欲しいままにするの でし たばば先生あれは何者でござろう本条さ

次郎は少し息を弾ませてうっかりコを かざした形になります どっこいそんなもみの姿になっては ぶち壊した相手も悟られたと知ってはサク が難しくなる だろうそう言いながらクランドは佐治郎の 羽織りの裾を引いてもう一度遠大に腰を 下ろさせまし た満一のよいなんとかしなければ愛なるま ババ先生ほっておくことだここでことを 立てては旅はまだ長い先々罠をかけられて は何にもならんではないかそうしゃっても ババ先生触らぬ神に多になし黙って行く手 を急ぐに限るもしこの同性が罠に陥るよう なことがあったらなんといたさ れる少し神経質らしい本条さ次郎はババッ クランドの暴たる態度に豪をにして 立ち上がると宿人でも呼びそうな着込みに なり ますそれは大丈夫だ え狙われているのは我々の行列ではない どうしてそんなことが分かりますなんでも ないことだ我々が通り過ぎてきた3枚橋の 向こう百小夜の裏を見るが いいそこにも1人仲間がいて小田原の方 からの合図を受け継いでいるもし我々を 狙う下心ならあれは無様のはず だ狙われているものは後から来るにそい ない誰かは知らぬが知らずに箱根へかかっ ては木の毒だ えあの小僧を使ってバカのことを触れさし たのは俺の老馬神じゃなんと本上寺この 八卦は当たるだろうが 先生若い本上郎の目には簡単の色が動き ますしぶをすすりながらこれだけのことを 見定めたババクランドはほったビチの髪が 見抜いたように全く用意ならざる器だった に沿いありませ ん 3公爵の卵ときは青しと檻の首でも取った ように3橋の方へ取って返しました道道 のりの旅人集に申し上げるつらつら天文を 安んずるに今日ご当初箱根の山において 用意ならざる異変が起こるにそういない命 の惜しいものは1日の旅を見合わせて せめて湯止まりにするがいいお分かりか旅 の旅人の姿を見ると立ち止まってとやり ます公爵口調で少し職業的なだけに聞く方 から言えば不安さが足りませんがその 代わり素晴らしいボイソなので山々たたに 響き渡るような美音ですとての旅人は思わ ず立ち止まって1度はどうしようころと いった調子に首をひねりますが桃吉の 可愛らしい顔と同桁みを見るとすっかり 安心してしまって薬と笑いながら通り

すぎるのでした えいごなんだおじさん桃吉の前へ当船をし たのは片のごとき旅姿の江どっこです嫌な ことを言うじゃねえか計の山へケチをつる と権原様のバが当たるぞすげがを取ると さきを囲った手ぬい振り分けの荷物を少し 売り上げて鉄鉱のかかった骨でひょいとの 様を撫であげますおさん誰も箱根ケチ なんかつけはしないよ今日の山越は危ない と天文にちゃんと書いてあるんだから触れ て歩くのは権原様のおぼしめしみたいな ものだよ天文に書いてあるは周一ですが 幸い相手はそれを笑うほどの学者ではあり ません嘘つけあれ権原様のお干し飯じゃ なくて湯本のはぐのお干し飯だろついでに 小田原にも異変があるから下りの客も湯で 止まるって言って歩くがいい ぜ旅の男は自分のおしゃれですっかり気を よくしてしまって何のわかにもなくこれは 湯元の方へ行ってしまいまし たおいたなあんな分からね人間にやっちゃ こないよ桃吉はしばらく後を見送っており ましたがやがて気がつくとまた高々と声を 上げながら3橋の方へ足を移しますええ旅 のつらつら天文をあろに今日は箱根に思い もよらぬ異変がある愛なるべくは引かして 明日ゆるゆると腰なさるが いいおい師匠寺の兄弟から声をかけたのは 牛キの杖にすがった姿でしたなんだよおじ さん師匠と言ってくれるのはありがたいが おいと呼びつけるのはキザだねおじさんは ありがたいが南台はキザだねほう同じよう なことを言ってやがらだからお互いに言葉 とは目はよして肝心の話に取りかかるよね もまきしおおじさんはおいらの口座を聞い たことがあるのかいおいの晩初めて聞いた よ戸塚の本人のなやであの時行ったのかい おじさん木戸せなしで聞いちゃずるいや これはお笑いだだがねお前が一石聞かせる 前に俺はもっと面白い芝居を1目ただで 見せたんだはあの時くもに切られたのは おじさんだったのかいそうだよそいつは 気の毒だったなあるくに藤はないか い桃吉は賢そうに舞を潜めて節にさらしを 巻いた金剛の右足の膝の辺りを見るのでし た藤男だよつい無理をしたせいか今日は ひどく晴れてきたもう我慢にも動けねえ なるほど杖にすがっているのが 生ぜ門の前にはこれからキゴとさりを乗せ て箱根をこそうという山かごが2しばしの 板をタバコにしていんのでし た 4ところでしお前の触れて歩く言草は 分かったがあは天文屋なんかじゃあるめ なんだっておじさん種を明かせば湯本の

茶屋に休んでいなさるババクランド様と いう知者に教わったろキゴにずしを 言い当てられて桃吉は少しばかりめくらい ましたもうそうだよおさんだけどお願いだ から黙っていておくれそんなことが知れた 日にや一巻の打ちが不に なる心配するなってわよ俺のっておきたい のはそんなことじゃねお前にそんなチアを つけた党のババクランド様は異変があるの を承知で今日箱根を超えなさるのがいそれ とも湯元でおになさるというのがいキゴの 問は非常に重要なものでした軽口を叩いて いるようでもつい顔がこって何気ない目が もきの顔に吸い付けられてしまい ますばばその土は今日中に箱根を越して 三島までのすんだっていうよおいさん つらつら天文を見ると明日は雪だぜ本当か 誰が嘘をつくものか今頃はもう妹の茶屋を 立ったかもしれないよありがとうそれで わかったそのおふれは大事だからお前は これから小田の方へ引き返して旅のものへ いちい教えてやるがいいことに重い荷物を 持った大勢の行列が危ないんだわかったか いししんみりしたキゴの顔を桃吉は腑落ち ない様子で見上げましたおじさもてもやる のかいそんなことはどうでもいい急いで 言ってやりなっかいおじさんおよかを 巡らすと大きは3枚橋の方へさて旅の州 つらつら天文をアズロにと高らかに 繰り返しながら去り ます金がと 門の中から小走に近づいたのはさゆりお嬢 様あれはどういうことなの傾けた傘の下 から娘の黒い瞳が疑惑にまき ます豊かな顎が白い紐に少しくれて唇の赤 さが海外し旅長束の高一点になるのもなん となく寂しいあやかさでした模だお嬢様 というと私はババクランドの2ばかり狙っ てきましたあれほどの知恵者が大事の品を 自分のそばから話すはずはないと思ったの ですキゴは苦痛をしんで門の柱へ体を持た せながらキシな肩をかそうとする様子の サルを払いもせずこう薄紅を含んだような 可愛らしい耳にさくのでした6号の私で 濡らした荷物から仏が出てきた時も戸塚で 16の荷物を万人も鍵もない屋へ放り込ん でおいた時もババクランドはそれくらいの 最高をするだろうと他をくっておりまし たところがお嬢様あの公爵士の小僧の触れ 言葉だ箱根にどんな罠があるか分かりませ んがとにかくそれを嗅ぎつけたババ クランドが何もかも承知でコスというのも 変ですそれより小僧を使って後の荷物あの 泉屋の嫁入り行列へそれとなく箱根越しを 思い止まらせようというサクが用いじゃ

ございませんさりの疑惑は次第に解けて 脅威とも単勝ともつかぬ生き生きした光が その瞳の中にピチピチ踊るのでしたおじ様 これはやはり泉屋の嫁入り行列をつけるの が本当でございましたここまでババッ クランドに釣られてきたのはキ1台の違い ですキゴは門の扉に持たれてさりの肩を 叩かないばかりにこい切ったのでし た 5さて旅なしつらつら天文をアゾロに今日 箱根の山には思いもよらぬ異変がある命の 欲しいものは返して1日取りするがいい とき意も高らかにやりながらを渡って 小田原の方へ引き返しましたしかし一応は 変な顔をして立ち止まりますが大勢の旅人 のうちたった1人も箱根声を思い止まろう という人もないあり様ですこれが彩らしい 大人だったら群衆心理を動かして箱根の麓 に不安な空気を醸したかも分かりませんが 成分抜けまり姿の公地の卵が色の 可愛らしい顔をあげて少し職業的に歌うの ですから不安な気持ちになるにしては あまりにもそれは朗らかすぎますこれから はりの峠を越えようという旅人たちにとっ てこの小僧の脅し文句よりは雪模様の 空合いの方がどんなに恐ろしかったか 分かりません最も人を騒がせないのがババ クランドの思う壺だったのでしょう クランドの真意は元より分かるはずもない のですが本条佐治郎や牛わかの金五郎の頭 で考えると泉屋の嫁入り行列だけを止め さえすればいいのですから小僧の桃生を 使ってさりげなく触れさしただけで目的は 達するわけ ですもし嫁入り行列の荷物に3万両を潜ま せてあるとすれば貢献の小兵田優の神経に これがピンとこないはずはありません ちょいと兄さんうんびっくりするじゃない かいきなり人の肩なんか叩いて振り返ると 桃吉の後ろへ見前と笑み傾けたのは旅姿の 美しい豊島言うまでもなくそれは女足かろ のオレですなあ物気はするかねオレはそう 言って肩へかけた手を外すと桃吉の顔へ 近々とその笑を含んだ方を匂わせてよりも 物好きそうにじっと見つめるのでしたこ だってやがらちあらそう言っちゃ悪かった の兄さん管理しておくれよお前さんの名前 を知らないんだもの呼びよがありゃしない 名前はどさえもきちってんだよまだ石定の 看板は上がらないがこれでも立派な公爵師 さみこなってもらいたく ねま兄さんは公爵の方をやるの それじゃ今のなんとかいう工場もありゃ 公爵の文句なんだろうね冗談なろあれは 天文にちゃんと書いてあるんだつらつら

アズルにと来るだろう姉さんも命が 惜しかったら小田原へ帰って明日出直す方 が無事だぜなあ本気でそんなことを言って いんのかい可愛らしいわねちょいと兄さん の方を浮かしておくれ俺はついとよると つる草のような伸びのいい腕をさっと桃吉 の首に絡みましたあ何をすんのさしてくれ よ人が見て笑ってるじゃないか必死と もがくもきをぐいぐいと締めつけて笑っ たっていいよ構わないから笑わしておやり 私には兄さんそっくりの弟があるんだよ 江戸の品川にいるがその弟はね私の言う ことならどんなことでも聞いてくれるの 可愛らしくて可愛らしくて私はもうレは 少年の首を買いだくとそれをたぐり寄せて いきなり柔らかい方へ赤い唇を持っていく のですおしよおいらは女が大嫌いなんだも は旅人たちに見られる決まりの悪さもあっ たのでしょう必死とおれんのアブから 逃げ出そうとしており ます6あ響いちゃいけない兄さんこんなに 血が出るじゃないか俺は飛びのいて鉄鉱の 下の柔らかそうな手のひを唇に当てました だっていきなり人のほっぺたにかじりつく んだものお前が悪い や桃吉はその隙に飛びのいて少し決まりが 悪そうにつな目を見開きますなんだって こんなにいじめるのさね兄さんお前がやな おらは女が大嫌いなんだ下面におぼさ内心 にやしてねまどうせ私はやしよ鉄鉱の下を 吸いながら少し上目に睨むとこれがまた 思いもよらぬあやかな死体になりますてこ でも私兄さんが大好きさちょいと少しここ で休んでいかないいやだいそんなことをし ていたら遅くなるじゃないかそんなに勢の 人が何にも知らずに峠にかかるんだもの おって大きよ兄さんがいくら清もんでも 1人も引き返したものはないじゃないか それはそうだけどねそれよりお役人の耳に 入ったらお前きっと縛られるよそうかしら 桃吉はそれでも俺の誘うままに百姓親の裏 の子たちの影に入って切り倒した材木の上 に腰を下ろしました ね兄さんお前さんは気がつかなかったろう が3枚橋から後ろになり先になりほかをし た男がついてき たろあれは姿を変えたお関所の役人集さ 石勝破りはないか飛び道具を持ち込むもの はないかお前さんのような変なことを 言いふらすものはないかそんなことをうの めったの目で探しているんだ よあんなこと言ってとを捕まったら命は ない てろきはこう負け惜しみを言いながら肩を 狭めてそっと後ろ前を見回しまし

た一体誰があんなことを教え込んだのさ 兄さんの知恵にしては少し手が混みすぎる よさのごでバワクランドって人だよそう だろう俺は然とした顔で見えもせぬの方 冬子だちと山の背の奥へ精霊な瞳を投げ まし たポボプロンドてお侍いが旅人みんなに 教えてやれって一巻くれたよだけど一巻で 命を取られちゃ会わないねそうともさんで そのババクランドってオブは自分は箱根を 越したのかいうん全国あったびっこの男の 人もそんなことを聞いたよへえどんな男だ い若い遊び人風のいい男だったよ牛わかの 親分かしら俺はしばらく考え込みました黒 の帯の間へこう手を挟んで妙に悩ましさが 眉の辺りをくらせますもういいかい 姉ちゃんおいらは小田原の方へ行くぜ桃吉 はそれに構わずぷいと立ち上がりました 青線一はなるおちですおれんの脅かしは 十分聞いたにしてもこのまま引っ越しては 桃吉の両親が許さなかったのでしょうお 待ちよ兄さんこのままいっちゃ本当にお前 の命が危ないババクランドというおけの さしずならその触れを聞かしたい相手は 分かっている後のことは私に任せて兄さん は黙って箱根を越しておしまいそんなこと はつまらないぎりじゃないか私が 引き受けるからさあレんはそう言いながら 帯の間から出した小粒を1つ毛利の袖に 落としてやって峠の方へ向けると後ろから 帯をとんと叩いてやるのでし た 7重きの後ろ姿を見送るとおれんは にっこり開心の微小を浮かべましたこの ままババックランドの採掘したフレを 握りつぶしてしまえば泉屋の嫁入行列は 何にも知らずに箱根の峠へかかって何か人 騒動を起こすにそういありませんがそれは 果たしてオレんの思う壺だったでしょうか この女のやることには裏の裏がありそう ですからうっかり安直に片付けてしまうの はかなり危険ですレはさりげなく後ろ前を 見回して往来の人足の大間を見極めると 道端の百夜の裏つわか何かの影へ声をかけ ましたたけ出てきなそこにいるのはのっぽ だけだろきっていずに出てこいよ うん何をグズグズしていんのさどても構い ませんかおバカだね私がそう言ってるじゃ ない かのっぽだけはようやく安心した様子で 百夜の裏からのりと出てきました 抜群の竹を少し盗む癖があるので妙に 年寄り臭く猫背になりますが顔を見ると 思いの他の若さですなんだいその棒切れは ええ手ぬいを猫じゃらしに言えたり何かし

てさそれで愛造するつもりなんだから 呆れ返るよへい独歩だけは白い手ぬいを 外すと慌てて棒を取り捨てましたちょうど トボ釣りを叱られたいたずらっ子が慌てて 釣り竿を捨てていい子になろうといった 格好ですずなら黙ってつったっていただけ でたくさんじゃないかそれくらいなノップ はめったにないから背伸びをすると畑宿 から開先が見えるとさ ああまりの毒舌にたまりかねたのっぽだけ はオレんの冷たい瞳を浴びせられると たった一言で口をつんでしまいました余計 なことをするからあのさのヒルアンドに 嗅ぎつけられるじゃないか泥棒稼業に テント様の下で合図もないものだ誰が一体 そんなことを思いついたんだえ口にだよ 本当にはれ返ったどじだよそんなことで 長持ちの1つや2つ転がしたところで手間 にもなりゃしないおしよふ私がよせって 言ったからってお前その長い足で山中触れ て終わるき へ泉屋の荷物はもう市販時も立たないうち にここへ来るからまごまごしていちゃ 間に合わない大急ぎで仲間のものへ 模様替えになったから旗宿へ引き上げて私 の指しを待つように行っておくれふう柏の 木坂ありであの行列をひっくり返すはず だったが面白くないことがあるから しばらく見合わせて次の指しを待てって 言うんだよわかったかいへえだかね姉が ミスミあの長持におだまりよ ええお前たちがどじなことをしなきゃなん とか仕事が運べたかもしらないがババ クランドに嗅ぎつけられちゃあおしまいだ それに柏木坂まであの行列は無事に行く はずはないよふう東博派の老師が56人 つけ回していたからきっと串とと同じよう なことを考えてたたの滝を眺めながら仕事 をしようという寸法だろう今度は黙って 見物してあの行にいい手本にし ふわかったら大急ぎで触れてまりな下手に ちかを出すと私が承知しないからて えのっぽだけは優雅ままに峠の方へ長い コンパスを向けまし た 8小田原をあ時遅れて立った泉の行列が台 の茶屋に一息入れたのは 少し 前旦那この様子では旗宿でヒを使わせるの は難しいございますよと蒼太渋茶に喉を 潤しながらそれとなく泉屋の一向を見守っ ている小平だよに耳打ちしましたさよう 白根止まりなら日が余りますが三島まで のすんじゃよほど急がなきゃはなりません 三島までのしたいところだが少し難しいな

どうも気になる小雪だへいとにかく急ぐと しようか五平にもそう言ってやれへ蒼太が 立ち上がりかけると茶 たかん茶屋の奥から思いもよらぬほい顔が 覗きますなんだ俺か振り返るといつの間に 入り込んでいたのか如く影の妙に気のない ようなそのく不思議なしさをさせる調子で こういうのでしたね悪いことは申しません 箱根声はおよしなすった方がよろしく ございますよおお染さんとが言ったね今朝 小田原を立ちにお前さんの姿をちらりと見 たがそれきりどこへ行きなったんだとそう た平だ用に言い含められたものかあんまり 存在な口は聞きませんが箱根声の警戒など はそ耳を走らせて 妙に敏に立ち回る女の様子に不信を打った のはさすがでし た親分私は先を急ぐんですもの宿はれ人を やって私の身元調べなどをなさるような気 の長い親分には付き合っちゃいられませ ん匂うような媚び笑いがじっとを懐に つっぱらかした者の蒼太をどれだけ憂鬱に させたことでしょう少しりきって唇をつん でしまったの ですあらごめんくださいましつい言葉が 過ぎてそれはそうと福屋の叔父は何と申し ましてあんな女はもう目なると思いたく ないとは申しませんでしたか私が髪型へ 行くのを広く怒っておりました から名はどうでもいいそれより箱根声を 思いとまるというのはどういうわけだお さん 蒼太は話の寄りを戻しました福屋の親父の ことなどを持ち出されるよりはこの女のた もない恐怖を聞いてやる方がなんとなく 職業的な誇りを傷つけられずに住むように 思ったの ですね旦那もお聞きくださいましし今日の 箱根に何か良くないことがあるんだそうで ございます先ほど師のことかいうのがこの 先に登ったババ様とやらの申しつけだとか 申して上りの旅人へそう言って触れており ましたが積書役人に睨まれそうになって 慌てて峠の方へ引き返してしまいました何 ババウの申し付け小平優も愕然としまし たたが女子供の言うことなら一生にふして しまいますが人足先に登ったはずのババ クランドの指しと聞いてはうっかりでき ません さ小僧はつらつら天文を安んずるになどと 可愛らしいことを申しておりましたが箱根 の峠に何かあることだけならご僧に聞か なくっても分かっておりましたというと 近頃街道筋によくみかける老師が56人物 もあろうに土方や人足の持つような金てこ

や鶴橋を担いでつい半時ばかり前この道を 峠へ登りましたえ それに柏木坂からこっち湯本と三枚橋へ かけて段にも人を配ってつい宣告まで竹竿 に祝えた手ぬいで合図を送っておりました が旦那の五動勢が見えるとかき消すように 見えなくなったのでござい ます 9実にでたらめですババクランドの予見と 等々さ桃吉の工場と爆派のの格とそれに何 ということでしょう俺ん自身の手下のやっ たことまで取り混ぜて一気に報告したの ですからコルギ平優も驚かないわけに行き ませんおしなさいまし毎日間違いがあって ばせっかくのお嫁入りにケチがつきます 少し回り道になりますが今日は福積あたり にお泊まりなすって小田原へ使いをやれば お役人方が峠を清めてくだ [音楽] 平は黙って考え込みました峠の危険よりは この女の行き届きすぎた弁説に少しばかり 恐れをなしたのかもわかりません小田原 からおが入れば老子も泥棒もございません 箱根はたった半日で吐いたように綺麗に なりましょうそうなさいまし 旦那私はもう怖くなりましたやはり服の子 が申したように女の1人旅などはできる ことではございませんご迷惑でも今日から はご動勢へ食いついてお履き物の世話でも お肌着の洗濯でもさしていただきながら 安穏に道中をいたすことに決めてしまい ましたね旦那よろしいございましょう少し 押し付けがましいがその調子には妙に否 言わさぬ圧力がありますよくわかったどう もありがとう八丁堀の丹那州らしくコルギ 兵大優は応用にこう言いましたなあ私も 戦国から気になることばかりで旦那へ 申し上げようと思っていた矢先でござい ますが蒼太はさすがに鼻のいい男でした山 の空気と往来の人の様子から何がし危険を 感じていたよう ですでどうしようというのだおさんの言う 通り湯元で止まって土地の役人に言って やった方がよろしくございましょうそれは なんでもないことのようだが先々もある ことだ同士がテコやクアを持って歩くのを 気にしていては再現がないぞえ日間もある ことだやはり出かけるとしようかへいこう 言われては蒼太も返す言葉はありません 旦那おれんは蒼太の後ろから美しい目を まかせますするような傷するようなその くせ心配で心配でたまらないような想像も つかぬ便な目でまだ血気盛んな小平太優の 心を煮えくりかるように苛立たせようと するのでしたナンナがついていらっしゃる

んですもの怖いものがある通りはござい ませんが相手のたみは剣闘もつきません 夕べのように身の程を知らぬ若い男がお嬢 さんをかそうというのならんでもござい ませんが宣告見かけたような命知らずの 老師が毎日お嫁の乗り物でも狙ったらどう いたしましょうどうぞ旦那お願いでござい ますあの可愛らしいお嬢さんに毎日の 間違いがないようにやはりここへお泊まり くだすって1日様子をご覧なさいましたら どんなものでございましょう3万料とはび にも出しませんがこう言いながらおれんの 目は単勝と桃水の光を称えて行け行け行け と平台優を消しかけていんのですおせん もうわかった相手にも用意はあるだろうが むざむざ嫁をさらわれるようなこともある まいここで止まっては後日の物笑いだでも 旦那蒼太親せへおの思う壺にはまったか どうかそれは分かりますが平優が裾を払っ て立ち上がるとその辺りに休んでいた泉屋 の人数はざわざわと色め立ちまし た10ちょうどその 時猿沢橋を渡って麓の方へたどる抜けまり の少年がありました旅人の姿を見かけると 立ち止まってさて旅のしつらつら天文を あるに今日ご当初箱根のお山において思い もよらぬ異変が起こる命の欲しいものは きかして多元で泊まろがいいとほがらかに やるのは言うまでもなく紅ししの卵とうと さももきち女足かろのおれに脅かされて 1度は3枚橋から峠へ引き返しましたが ババックランドの一向に追いついて報告 するとそんな馬鹿なことはないお関所役人 が文句を言ったら俺がいいようにしてやる もう一度麓の方へ触れてこい剣もホロロの おごですこう言われると一貫の小田ちんの 手前桃吉は1くもありませんそれじゃあ おじさんもう一度行ってくるぜ飛んで帰る 後からご苦労だが頼むぞ大事なフれだ後で 思い当たることがあるだろうそれから小僧 お前の仕事はお昼前だけでたくさんだ昼を 過ぎると災いは自然に 解ける麓で昼が過ぎたら大急ぎで登って くるが良いぞ箱根か道まで待っていてやる こうクランドに言われてまたここまで降り てきた桃吉だったのですさて旅のし つらつら天文をアゾロに呼びかけた桃吉 ありに人のいないことに気がつくと門な下 を1ついきなり右手の崖からちょちょと 落ちるぱい水にかぶりつきましたどんな 炎天にも枯れず雨続きにも濁らぬという 明水腹いっぱい飲むともはほっとした 心持ちで顔をあげました おお驚いたのも無理はありませんつい鼻の 先につったったのは雲つくばかりの武士

トヒを食いそらせて桃吉の顔を肌と睨んで いるではありません かご僧どこからその工女を教わった双子山 のような剣を怒らせて今にも食いつきそう な顔をするのは言うまでもなく東博派の 老師中でもおじのように有毛な団子焦げた ですおじさんそんな怖い顔をしなくたって いいよおいらが天門を見たんだぜあまり 物々をしない桃吉も相手の見幕に一方なら ずたじたじときました少し逃げになって 勝五郎の声がけ石の方へ行こうとするの こぞ逃げるか鉛を伸ばしてむずと襟髪を 掴みましたおおいさんそんなことをしなく たっていいだろう苦しいじゃないかいや 捨ておきがい小僧だ今の文句を誰に教わっ たそれからいえ知らないよ知るもんか グランドやキゴや俺に関しては思いの他 従順だった桃吉もいきなり首を掴んで かかる小源太には思いの他必要でしたよし 言わない気ならそれで良いその代わり しばらく痛い目を見せてやる恨むな小僧あ 何をするんだ言ったがつくことではあり ません道端に落ちる名切れ桃吉が武者修行 に背負った風呂敷など手当たり次第に かき集めてキリキリ縛り上げるとの腰から 薄汚れた手ぬいを取って遠慮釈もなく口の 中にねじ込むのでし たこれでよかろう余計なことを言いふらし て歩いた報いだしばらく我慢しろガルガル と少年の体を引下げるとカヤを分けて岩の 上猿のごとく飛び上がりましたそろお南子 か何をしていた小僧をけってきたよ下は どうだもよいつい目の前の岩角からさが 群心の顔がぬっと出 ます 11なんだそれはなんかさが君の真はこを 受け取った正気のような格好に踏みはかっ た南子を小に意のない微傷を見せながら 少し避難するような調子で問いかけました これか小元太は小に抱えた桃吉の体を左 片手に引下げて行儀の悪い猫の子のように カガと目の前へ持ってきました入れに縛っ ているじゃないかさようこれが敵の回し者 とは分かるまい 回し者この辺りに散らばっている56人の 同士は刺激的な言葉に聞き耳立てて思わ 忙しい作業の手を休めました回し者には そうやるま箱根に異変があるとめき散らし て歩いた小僧だああれかサラ軍のしも聞か ないではありません下の道を先ほども 朗らかに触れて歩いたのがこの小僧だと するとなるほど小元太が生きとってきたの も無理のないことですひねりして底へ 放り込んでやろうと思ったがそれも かわいそうだからそっと生ってきたんだ

こやつは後で焼いて食うことにしよう か虎髭の下から藪入りの火のエマ王みたい な大きな口を開いてカラカラとやる調子は 襟髪を掴んで下げられた毛きをすっかり 憂鬱にしてしまいました全くこの男は もりもり焼いて食いそうなつがえをして おり ますところであれはもう来るだろうかと軍 のし来るもう台の茶屋を立ったはずだそれ はありがたい人数や手配は小田原へ入った 時の通り台の茶屋で少し手まるようだが何 を待っているんだ軍の心は妙に気が回り ます小平田優が旅の女と話していたよ妙な ことがあるもんだなその女というのは何だ 俺は知者かしかし大変な別品だ南子元太は あまり気にする様子もありませんもし軍神 と小源太と地位を転倒して元太が工事を 監督し軍神がもみを受けたまったらレが平 優に囁いた変幻セクでも聞きかじってきて 何か工夫も計画もあったことでしょうが 元太の合法な頭ではこれ以上のことがはず もありません南子もう行列が来るぞその ことを何とかしろおう焦げたは桃吉を ぶら下げたまましばらくその辺りを漁り ましたが崖の上の手頃の小松を見つけると 帯をほかせてキリキリと縛りつけてしまい ましたおぞその松を背負ってしばらく見物 せ今面白いものを見せてやるぞそう言われ てもはこの老師たちの目論みがようやく 溶けてきました縛られた小松の崖の上から 危うく眼下の峠道を見下ろす位置で56人 の老師が崖の上へ並べた大岩がどんな 恐ろしい役目をするものか白場読の知恵を かららずとも分かりそうです大変だきは そういったつもりでしたが汗臭いフル 手ぬぐいをかませられて虫の唸るほどしか 声が出ませ ん襲うものが正しいか襲われるものが 正しいかその辺の事情は一向に分かりませ んがとにかくバワクランドが自分に言わせ た警告の意味が今こそひしと思い当たった の です石畳を敷いた峠道は目の下560尺の ところをしらしらとってたまたま旅人が 通りますが雪模様のうさと骨の折れる峠道 に気を取られて上を青いで見ようとする ものもありません大きの縛られた松の横手 下からはカヤに隠れて見える崖の上には数 知れぬ巨岩大石が金手を入れられて一気に 下へ転がし落とす用意が整っているのです 桃吉はぞっと背筋を走る寒さを感じまし た 12その崖の上から容易の岩石を転がし 落としたとしたら下の道を通る陣馬は一 泊まりもなく塩からになってしまった

でしょう事情をはっきり見てとると桃吉の 背筋をぞっと寒気が走ります桃吉はこの 緊張した空気に息苦しさと吐き気をさえ 感じました汚い手ぬいを猿にされていた せいかもしれませんがとにかく本物の ちゃんばらは口座でうつ心に空いを叩く ようなものではないことだけは完全すぎる ほど完全飲み込ませられてしまったわけ ですなんとかして狙われてる相手にこの 気球を教えてやる工夫はあるまか桃吉は そんなことを正しく考えておりましたが吉 やサグが外れたとしても下手に音を上げる 様子を見せたらあっという間にぶち殺せ れるかもわかりませんそれほど事件が切迫 し同士たちは緊張しきっていたの です昔の箱根の峠道は雨の日のぬかるみを 防ぐために湯から三島までほとんど石畳が 敷いてありました広の名所へなどに今も影 の残っているあの粗末な敷石が560尺上 から望むと死んだ蛇の鱗のように灰色に 白け渡って岩壁から岩壁へヤからやへと花 不気味に引見しているのでし た同士たちの狙っているのはどんな人間か 桃吉には元よりわかりません歓談なく通る 旅人の中には金のありそうなのも強そうな のもありますが老師たちは振り向いても見 ないところを見ると何か合図でもも待って いるのでしょうさがら遅いな南子小源太は たまりかねたようにくじらな腕を まくり上げましたもう来るだろう佐原群心 の冷静な顔もようやくじれこんで達弁 かしい薄い唇をじっと噛んでおりますその 深4人いずれもその頃見慣れた郊外倫理 たる若い老師たちで桃吉の目にも盗賊 追いはぎでないことはよくわかります しかし箱根の剣を用して頭の上から美味し 巨岩を転がすというのはどう考えても あまり穏やかなこととは思えませんあ津だ し漁師たちは急に無駄話の腰を折って 聞き耳を立てました ききキキとカレダを渡るらしいりの声近い ぞよいよせい6人の老師は明々のもちば もちばについて手をかけるもの足を上げる もの一気に巨岩を押しこがす用意をして おり ます不の方からは馬の 鈴音箱根はりは馬でもこすがほがらかな孫 歌までが曇り日のただにこまして聞こえて くるではありませんか やがて眼下の道へ真っ先に姿を表したのは 馬上豊かに寒しぎのかっぱまで羽織った小 平田ゆ横着先番に両頭に柄袋までかけてゆ ありの景色を眺めながら登ってき ます続いて八丁堀に縁のありそうなキリリ とした腰の男が住人ばかりこれはいくらか

油断のないなしで平田優の馬の前後を守る ように足早に足早に眼界に入ってきました さらあの小のやつを叩き潰そうかと ささやく南子を岩子にすがって下を覗き ますいやならんぞとさがる憎いではないか 待て待て後に続く長持が大事だ早っては ならん ぞ佐軍の心は半分目に物を言わせて辛くも 火のような南号小源太を抑えまし た平田優の馬上姿から10験ばかり置いて 続く長持の行列それを見ると6人の老師は 思わず顔を見合わせて古い立ちますその間 等々さ桃吉は黙って形成を見ていたわけで はありませ ん [音楽] 13幸い等々さ桃吉は用意された石よりは ほんの10歩ばかり麓に近い方に縛られて おりますもし桃吉が声を出すことができ たら石を転がし落とす前に小平優の耳に 警告を入れたでしょうし満々一小石でも 放ったとしたら十分効果的に必死の球を 教えることができたことでしょう 実際桃吉は老師たちの知らぬ間に 素晴らしい警告を用意しておりまし たそれ は縛られたまま小さい足は極めて器用に 働いて松の根にある手頃の石を少しずつ 少しずつ揺り動かしていたのです同士たち はそんなたみがあるとは知るよしもあり ません目の前の修の行列が来るのを会ずに 5つ6つの石を転がしようとして人も荷物 もみに打ち砕かという大変な計画に気を 取られて公爵の小僧の小さい足の先などに はまるっきり気を配っても見なかったの でし た小石は具合よく動き出すと小平優は ちょうど桃吉の真下に差し掛かりました1 つ1つぐいと力を入れると小石はいい安に 松の根を離れてガラガラガラガラガラと かなり凄まじい音を立てながらみみ岩の破 や砂を連れて峠道へ一松の雲のようにさっ と降ります お馬上のコイル平優を始めそれを取り囲む 住人ばかりの手先御用ききは思わず顔を あげて急峻な峠を見上げましたその顔は 待ち向えたような桃吉の根方にひしひしと 縛られた少年の顔とあったの ですなんだなんだひしめく人数を蹴飛ばす ように平田優の馬は23元飛び抜けました 馬上から降ったにわかの砂利に驚いたのか それとも平田優のたさきに操られたのか 分かりませ んとにかく頭の上から大岩とやとに圧迫さ れる道を駆け抜けると平田優は振り返って

友の人数をこぎに睨みの聞きそうな目は 黙れ黙れというようにまたたきますこれは 実にとっさの出来事ですその時はもう続く 泉屋の州元行列戦闘の10竿の長持が何の わかりもなく下の峠道に差しかかってきた のでした ききききとまたどこからともなく帳のの 鳴き声各々ちょうどいいぞと頭だった軍の 心の声に連れてひいふミー南子小元太が 号令をかけると老師の足元に用意した6つ の大石は1度に崩れ てガラガラガラとシーンと560着下の 峠道ちょうど泉屋の長持ちの通りかかった 上へ遠慮も加減もなく落ちていきました わっと上がる完成それにわして下からは ものすごい悲鳴こ回して叩きつけたように 谷へ山へ育にも育にもこだましてその 凄まじさというものはありませ ん手体は十分だ降りてみろ おおもう桃吉の取材などはどうなっても 構いません団子小源太を真っ先にほとんど 逆落としになった6人の老師道を選ばず下 の道へさっとこぼれ落ちまし た下は予想以上の三々たる 有様まだももたる土煙の中に箱根の山が 崩れるとでも思ったか必死の声を絞って 逃げまいますが不思議なことに6つの大石 は岩花にせかれて一塊になって落ちたもの と見えて砕かれた長持ちはたった2つ怪我 をしたものもほんの23人人足を驚かした 割には思いの他少ない被害ですおこれは どうだその中へようやく道に降り立った さが南号の老師たち顔を見合わせて呆然と したのはそんなことではありませんもっと もっと重大なことがそこにあったの ですDET

1.愛憎篇朗読まとめは、こちらです。https://youtu.be/_YfIe1PZpCk

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昭和27年作品に、大河内傳次郎主演で映画化された同名映画の原作!
 時は幕末、黒船が来航した、安政五年から物語は始まります。時の老中堀田備中守は、「日米通商修好条約」締結のため、京の都へ三万両をおくる。
 主人公の馬場蔵人は、倒幕派の武士、三万両を狙う怪盗たちとたたかいながら、一路京都をめざします。
 東海道を舞台に上を下への大騒動が実に面白い。お聴きください。

三万両五十三次は、一年半の連載(1932年3月から 1933年8月にかけて)をおえると、中央公論社から函入り上製本 上下巻(湊書房版は 全5巻、中公文庫版の全4巻版もある)で刊行されました。昭和9年のことです。ちなみに銭形平次の連載は、昭和七年にはじまり、当時務めていた報知新聞に長篇の連載を依頼されました。

■登場人物
馬場蔵人……本編の主人公。四十二三才。
小百合……父山際山左衛門を上意討ちされたため、蔵人を仇とねらう
茜の半蔵……山際家の老僕。小百合を助ける金五郎の父。
南郷小源太……真四角虎ひげ
矢柄城之助……色白の美男
真琴……矢柄の妹
伝次……小源太家来。岡っ引きだが、渡り中間に変装。異名は二面
作良軍之進……倒幕の志士
進藤晋……倒幕の志士
今宮八郎……倒幕の志士
お蓮……伝次に姉御と呼ばれる。謎の女性。陽炎のお蓮。殺人を好む。

牛若の金五郎……泥棒の親分だが、殺しを厭う
ノッポ竹……お蓮に惚れている
藤次……猩猩、四十六七になる、小頭格
丑松……奉行所の手先
吉三……背虫、ながら、夜目も利くゴリラのごとき長い腕と怪力を誇る
小動平太夫……与力
堀田正睦……幕府閣老
植松求馬……家老
文治……金五の子分
お蝶……和泉屋の令嬢
千代松……和泉屋の遠縁。手代。
五兵衞……和泉屋番頭
本庄左次郎……蔵人の添え役
桃々斎桃吉……講釈師の小僧

■用語集
飛白……カスリ・かすったようにところどころに小さな模様を出した織物。またその模様。
権助……ゴンスケ・江戸時代の下男に多い名であったところから。下男、飯たき男。
洗足盥……センソクタライ・よごれた足を洗うのに用いるたらい。
九つ……子の刻、十二時
科人……トガニン・罪を犯した人。罪人。
蓮っ葉……ハスッパ・女の態度や行いが軽はずみで下品なこと。浮気で品行のよくないこと。そういう女。

■2.情炎篇 目次
0:00 蘇る情炎 1
4:46 蘇る情炎 2
9:36 蘇る情炎 3
14:18 蘇る情炎 4
19:05 蘇る情炎 5
24:02 蘇る情炎 6
28:56 蘇る情炎 7
33:36 蘇る情炎 8
38:59 蘇る情炎 9

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